小さなお話

[全文無料・小さな詩]天人午睡

とことん
眠りにうつつを抜かすのだ
午後の白い光の中

安宿の
くたびれた寝台の上で
寝返りを打つきみは

悪夢未満の
寝心地の悪さが身に沁みて
脳の芯まで浸して

切りのない
寄せては返す自己否定の
波また波の珊瑚の浜を

いつか見た
砂漠の駱駝に重ね見て
奈落の底を仰ぎ見て

そうだ
まばゆい地獄へと昇ろう今こそ
微熱に包まれた背中には

かげろうの羽
光きらめかせ軽く風に乗って
重力のくびき

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[全文無料・詩とエッセイ]しんや二時のブラッドベリ

しんや二時
みらいの君が
リズムに合わせて腕を振り
ぼくらに歌ういきな唄
「食べたいか おい 食べたのか
食べたいのか たくないか」
ああそうさ そうなのさ
食べたいけれど食べんのさ
食べたくなくても食べるのさ
 無理な無言 むだな無視
 こすい口唇 凍えた声
 四角な心労 海のウニ
 海のウニ?

  *  *  *

岩田宏さんは、なんとも気になる作品を書く詩人です。

  いやな唄  岩田宏

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[全文無料エッセイ]非在の湖(うみ)ロプノール、あるいは寄せては返す歌また歌

☆Nodさん、
【第百三十八首】
雪解けの水もぬるみし山春にわれさまよえるロプノルの湖(うみ)
-氷湖、砂漠‐
https://note.mu/westsideofnod/n/nf623309e5df1

★としべえ、
ヒマラヤの彼方さまよえロプノールわが魂と遠くつながり

☆Nodさん、
ヒマラヤの雪解け水を抱きやり遠くしづもれ魂の海

※Nodさんとこういうやり取りをして、悟りって「さまよえる

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[全文無料・ひらがな詩]ことのはのきれはし

ことのはのきれはし
をわきあがるがままに
ならべるならべてそこに
うかびあがるえいぞうをすくいとる
すくいとられたえいぞうはあなたの
あたまのなかでくるくるとまわりまいあがり
ほらもうてのとどかないはるか
そらのうえ
そらのうえせいそうけんもこえて
こえていくどこまでもかろやかに
なにものにもさえぎられることなく
じゅうりょくのくさりもものともせず
なんともかろやかですてきじゃないですか
こんなじ

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寝る前に、おとぎ話の続きをきかせて

子どもの寝かしつけって、どんなイメージだろう?

お布団に横になり、お母さんが子守歌をうたう。子どもは、うつらうつらと静かに目を閉じる。そんな、平和な寝かしつけが世界のどこかにはあるのかもしれない。まあ、うちは違ったけど。

寝かしつけと言われて、最初に思い浮かぶのは、そうだね、「スクワット」だ。娘が、だいぶ小さかったころ。立ち上がるどころか、寝返りもままならなかった赤ちゃん時代。

娘は、すんな

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[全文無料・小さなお話]友だち百人いりません

友だちが百人できたらいいななんて思ったことは今まで一度もなかったね。

なのに、あちらのサイトやこちらのサイトで、フォローしてくれるお方が増えてくれないかと、神にも祈るようなばか丸出しの自分もいるわけでね。

人間嫌いというほどの話じゃない。とはいえ自分でコミュ障だと言いたくなるくらいには、人間関係が苦手だから、友だちなんかたくさんはいらないのさ。なのに都合よく、オイラのふざけた言葉をおもしろがっ

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[全文無料・小さなお話]言葉で虹を紡げるだろか

ねえ、きみ、ぼくたちの頭の中身は言葉のガラクタでいっぱいだろ?

いや、もうしわけないね、きみの頭の中身まで勝手に決めつけたりして。つまりぼくに言えるのは本当はこうだ。ぼくの頭の中身ときたら、まったくガラクタでいっぱいなのさ。

でもここはあえて、きみの頭の中は丸見えだよって振りをして、自分語りならぬお前語りをさせてもらうことにするよ。

そうさ、そのガラクタの山に積まれてるのは、何も言葉ばかりっ

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[全文無料・独白掌編]ゼロ・ブラスマイナス・アルファ

結果を求めるのはもうやめようかと思ってね。そりゃあ、やめられるかどうかは分かったもんじゃないけれど、とにかくやめることにするんだ。決断こそが大事じゃねえか。

だから目的とか計画とかそういう未来につながるあらゆるガラクタもみんなひとまとめにして投げ捨てちまうのさ。

ついでに言葉とかいう記号だか象徴だかなんだかわけの分からん得体のしれないやつも一束にまとめて火を放って全部きれいに白い灰になるまで燃

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[全文無料・小さなお話]注文の少ない料理店

注文の少ない料理店に入るのには、少しばかりの勇気がいる。

人生には、一線を越える決断が必要になるときがあるものだが、必要なのが分かっていても、その決断ができないときもある。

進むべきか、退くべきか、合理的に推し量っての完璧な決断など、できるわけがないと分かってはいる。けれども、その一線を越えていくという道を選ばざるをえないときに、人は勇気だけを頼りに見えない未来への一歩を踏み出すことになる。

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[全文無料エッセイ]あなたの人生を変えてしまうかもしれない「瞑想の効果」知ってますか?

ネパールのルンビニという街にいます。

ここは大層ないなか街ですが、お釈迦さまの生誕地として知られ、聖地公園が整備中なので、アジア各国から多くの巡礼者が訪れ、欧米の旅行者もちらほらと見られます。

聖地公園の一画にはヴィパッサナーの瞑想センターがあり、そこで十日間の合宿コースを受けてきました。

十日間のコースを受けるのはこれで六回目になります。今年一月には二十日間の長いコースも受けたのですが、何

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