買い負ける日本、という本を読んだ

日本企業、とくに調達購買部門のハナシだ
オモロくて一気読みだ

まず、読み始めてすぐに
日本の購買力がいかに落ちてきているかを知らされた

ここでいう購買力とは、材料を海外から仕入れる力のこと
購買力が落ちるということは、ものを思うように生産できないということ

実例として、まず半導体、そして木材、食品メーカーの生々しいエピソードが出てくる

たとえば、コロナ禍にトヨタ社が車の生産を減らした件
あれもまさに、半導体含む部品を思うように仕入れられないことが原因のひとつだった

半導体、いまや巨大産業となったのも頷ける
だって、自動車どころかスマホ、家電、電車など
あらゆるところで使われるのだ

半導体が仕入れられないとなると大問題
これらすべての生産がとまる
生産がとまるのでおれたちはそれを買うことができない

たとえばヤマダ電機に行っても家電は在庫切れだし
iPhoneも半年待ち、何もかもが手に入りづらくなる

そしてなにより
ものを作る日本企業が儲からなくなってしまうのだ

では、なぜ購買力が弱ったか?この本でいうと、その理由は日本の企業文化にあると

具体的には、多層構造・品質追求・全員参加主義とのことで、ここを掘り下げると日本型経営・商社文化の話にまで広がるため割愛するが、当時の現場はこんなイメージだろう

半導体メーカー「世界レベルの半導体不足です!」
購買担当「これはまとめて買っとかないとヤバいな」
日本企業「まとめて買うなんて…余ったらどうするんだ。おれたちの経営方針は在庫をもたないこと。そう、ジャストインタイムだ」
海外企業と転売ヤー「買えるだけ買え、乗り遅れるな!」
半導体メーカー「売り切れちゃいますけど」
購買担当「おいおい、急いで承認してくれ」
日本企業「いつもと違う仕入れ内容は、みとめられない」
半導体メーカー「売り切れました」

要は、柔軟でスピーディな仕入れが必要だったコロナ禍において、日本の伝統的な企業文化はそれらに対応できず、ほとんどの領域で海外諸国に先を越されてしまったと 

そして、これをきっかけに日本産業の遅れも加速したと

まったく、俺が留年して引きこもってる間にとんでもないことになっちゃってんな

で、こっから日本が巻き上げるにはなにができるのか

日本の伝統はどこから切り崩して、いやモダナイズしていくべきなのか

コレがおれたちがいま考えるべきテーマであると、著者はおっしゃってますがな

「買い負ける日本」

ネガティブなタイトルに反して、構造的にこれまでの日本を教えてくれ、今後なにをしていくべきなのかを考えさせてくる本

読み終えてひとこと
買い負けるなよ、日本

おれたちの底力は凄いぞ
賢いし真面目だしルールは守るし、勤勉だ

ついでに著者によると、日本のビジネスパーソンは
フィジカルの交渉力、断られてもめげないタフさはほとんど持ち合わせていないらしい

逆に言えば、ここが抜きん出るビジネスパーソンは今後きっと重宝されるだろう

これに関してはおれもそうなるべく、日々邁進するのみである

まあ話は逸れたが調達と購買、
さらにはビジネスのスタンスまで学びの多い本だったので以上を感想文とする


アディオス^_^





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