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人間は何を知れるのか

「人間は何を知ることを許されているのでしょう?
この世界に生まれてきて、
それが何のためにかは知らず、
それは結局は分からない。
それはそうです。
理由などないのです。
唯物論的ですかね?
ヒトもただの物体です。
少し極論かもしれませんが。
ただの物体に精神が宿っている、それが人だと思います。
人とは神が泥から作ったデク人形です。
取れるポーズも決まってますし、
できることも限られています。
思考形態もあり得ていい範囲内から出ることはあり得ません。
それは当然です。
人間には限界があるからです。」
「そう言われれば当然だな。
限界は何にでもある。
その向こう側の世界に興味があるが、
どうせ知り得ない。」
「貴方は科学者ではないですね。
探求心がたらないのでは?
自分が生きた存在としていられなくても世界はあります。
それは当然でしょう。」
「ぬ?
何て言った?
科学だと?
科学なんてものは、ええと、ああ。
もういい。
それは捨てておけ。」
「はい。捨てます。」
「いや、お前に言ってない。
俺は俺に言ったんだ。」
「あ、そう。
それならそう言ってくれればいいのに。
まあ言ったか。」
「相変わらず盛り上がらない。
つまらない。
この様子じゃどうしようもないな。」
「人間として生まれたことを呪う訳ではないでしょう?
中にはそんな人もいるのかもしれませんが、
私はそんなことには関心はないです。」
「言葉が短くてだな。
面白くないのだよ。
ウンザリする。」
「三行は続けてみましょう。
そうですね。
つまらないですね。」
「その通りだな。
こんな命題は展開するまでもない。
孫悟空の世界か?」
「そうだね。
そんな感じかもね。
どうあがいても人間である限り、
この世界から出ることはできないよ。
宇宙には行けても人間は人間の世界から這い出すことはできないのさ。」
「ふーん。
そうか。
そんなもんか。
面白くもない。」
「その通りだよ。
全くつまらないことだよね。
何が面白いんだろう、こんな世界なくてもいいのに。」
「そこまで言わなくても。
でもそこまで言った方がいいかも。
禁止されてる訳ではあるまいしな。
だから何だと言われても仕方ないけど、
どうしようもないんだよな。
これも別の理屈で翻訳すると
別の表現に変えられるだろう。
だから哲学なんてそんなものさ。
自分はそう生きてきたと証明でも発行したいのだろう。」
「そうか?
そうなのか?
私にはよく分からない。」
「なるほど。
君にはよく分からないか。
でも俺には分かるんだよ。」
「もうやめとけ。
嫌になるぞ。」

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