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卒業生インタビュー(田村さん)

1年間お疲れ様でした。1年間を終えてみた感想を、ひと言お願いします。

田村さん:
楽しかったです。経験値として今までで一番学べた一年でした。

島食の寺子屋に入塾した理由を改めて教えてください。

田村さん:
将来、自分のお店を持ちたくて。
もともと入っていた飲食店だけの基礎だと足りないと思って、本格的な基礎を積む為に入塾しました。

以前はどんなお店で働いていたの?

田村さん:
和食がベースなんですけど、創作和食に近くて。働いていたお店のオーナーは、和も洋も広く浅くな感じで。寺子屋の鞍谷先生は洋のことは知らないけど、和のことは全部知っている位の知識と経験の深さがあるって感じです。

前職での料理イメージ

この一年でなにか意識が変わったことはありますか?

田村さん:
お客さんとかに「お店だしたら?」みたいなことを言われて流されちゃいそうになっていた時があったんですけど、一回ちゃんと厳しい場所に身を置かないといけないなって思うようになりました。

感覚的な感じなんですけど、自分がちゃんと納得いくようにしたい。
傍から見て「行けるよ」って言われても、自分自身の「行けるよ」って確信みたいなのが欲しくて。
たぶん技術が少し足りなくても料理を出せることは出せるんですけど、そこじゃなくてもっと根本的なプロ意識が欲しい。

前職のオーナーが、経営も料理も両方できるタイプで。
お客さんも大事にするし、従業員も大事にするし、みたいな良い関係性を作れるタイプで。でも、その人を目標にしていたら越せないし並べないじゃないですか。追い付け追い越せみたいにはならない。

前職での様子 お客様との距離が近い

オーナーはオーナーになるまで色んな経験を積んでいるのだから、私も色んな道を選んでみて、総合して追いつけ追い越せが出来るんじゃないかなって思って。オーナーはイタリアンでのきつい2年間があったからこそ、今のベースがあるって仰っていて。そのきつい2年間なりを私はまだ経験できていないかなって。もうちょっと他の料理人さんたちと比較して、もうちょっと厳しい経験を積むことができるかもしれないと思っています。

鞍谷常勤講師はどんな人?

職人っぽさはあるなぁと。
もともと18で料理の世界に入られているんで、めちゃめちゃ厳しい世界で過ごされてきたんだろうなって、タフさとか見ていて感じます。でも、私たちのような未経験の人に接するうえで柔らかく接してくれていることも感じます。

離島キッチン海士 営業中の厨房

そもそもに優しさが根本にあると思います。
例えば「イカを2cmで切って」っていう指示があった時に、私が少し大きめに切ってしまった時に、「大きいだろ」というただの注意だけじゃ終わらないんですよ。
「これだったら小学生だったら食べづらいだろう。だったら2cmにしないと」と言われた時に、「あぁ、確かに。自分の考えが至らないな」って思いました。

この1年で自分自身変わったことは?

田村さん:
「こうしなきゃ」って決めつけてしまう自分を変えたいところもあって、寺子屋に入ったところもあるんですよ。仕事上で何時までにこれを終わらせて、みたいなことは勿論やらなきゃいけないことなんですけど。
例えば何時間寝ないと疲れがとれないとか、かちこちな考えになってしまうのをなんとなく崩したいなって。

夜飲みに行って、「楽しいから延ばしちゃおうよ!次の日頑張ればいいじゃん。」みたいに次の日の自分に任せてみるって日々もちょっと良かったんですよね。

漁火を見ながら防波堤飲み

いつも、仕事が終わったら帰って寝て、次の日の仕込みを考えて寝て、任せられているものを考えてとか。ずっとそのことだけを考えるのもいいんですけど、なんかちょっとそれだけだとつまらなくて。畑とか自然に触れることでハリが出てくるというか。

山に入って筍掘り

料理人さんって遊んできている人もいるし、遊びを知っているからこそ人として厚みが出るというか。
それをお客さんも分かるし、というのは肌で感じられる。でも、ちゃんと料理はしてて。
遊びながらできるっていうのもいいなって思うし、料理ができる人ってそういう人が多いなと思って。

卒業後の進路について教えてください。

田村さん:
もともと働いていたお店が2店舗目を出すということで、暫く大変な時期になるからその間の3ヵ月くらいは前職のお店のお手伝いをしようと思っています。その3か月ほどを目処にお手伝いをして、そこから改めて就職先を探そうかと思います。

三重県の「朔」というところで働きたいと思っています。
他のお店で厳しそうなお店を探したときに、なにか圧迫感みたいなものがあって、怖気着いちゃうんですけど。

でもこのお店は厳しいんだろうけど、変な緊張感なく料理を学べそうだなって。そもそも1ヵ月先まで予約が取れなくて。そこのお店含めて、何店舗か回ってみて決めようかなって。自分のなかであと2、3年が体に無理がきく期間なのかなって思うので、早いうちに厳しい世界に挑戦したいです。

最後に。これから島食の寺子屋に入塾してくる方々にひと言。

田村さん:
地域の人から貰う情報が良い時も沢山あります。
岡村鮮魚店さんとか、みきやさんとか。自分から積極的に話しかけてみてほしいです!

ありがとうございました!

(収録:2024年3月14日 島食の寺子屋校舎前)