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“メイドインジャパン”ってなんだ?

メイドインジャパンに対する概念が変わった、
気温37度の夏の今日。

お世話になっている尾州の匠、足立さんの車で移動中の会話。車内に射し込む夏の真っ白な光に眩しい顔をしながら
「服作りって本当に果てしないですね」
と呟いた私に、
「把握できないほど沢山の人が関わっているなあ」
と足立さんは答えた。続けて、
「メイドインジャパンなんてのは、俺はないと思うんだ。」
と言った。

テキスタイルが出来上がるまでには、糸の原料から始まり、糸を作る人や染める人、デザインをする人に布を織る人、整理加工をする人など、多くの工程がある。そこから製品になるまでには更にパターンや縫製の工程があり、付属品を作る人たちだって存在する。果てしないほど長い道のりを経て服は成り立っている。

その中にはきっと海外の人も働いているだろうし、海外から材料の輸入もしている。100%日本で作りました、なんてことが言えるものなど存在するのだろうか。確かにそう考えると、完全なるメイドインジャパンはあり得ない、そもそもそこにこだわる必要があるのか?とさえ思えた。

メイドインジャパンこそ至高。価値があり、そこを目指すべきだ。日本の人たちで日本の中でものづくりをすれば良いじゃない、と浅はかに考えていた私にとって足立さんの言葉は目からウロコであった。

もちろん自国のものづくりに重きを置くことは素晴らしいことであるし、怠るべきではない。今日気づいたのは、ものづくりはそうシンプルなものでは無い、ということだ。

多くの人が関わり、時間と手間をかけて生み出される衣服に想いを馳せることで、メイドインジャパンが全てではないことが分かるのではないだろうか。

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