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マネーミュールにされた可能性があるときどうすればよいでしょうか?

 あなたは詐欺被害を受けた方ですか? 被害中に誰かからお金を振り込まれた経験はありますか? それは投資の儲けかもしれません。あるいは詐欺師が「返してくれた」ことになっているお金かもしれません。しかしながら詐欺師はあなたからお金を奪うことはあってもお金をくれることはありません。もしそのような経験をしたならば、あなたは「マネーミュール」(お金のラバ、つまりお金の運び屋)にされたということになります。

 この記事は、SCARS(Society of Citizens Against Relationship Scams)の記事を一部日本人向けに改変してこちらに掲載するものです。
https://romancescamsnow.com/dating-scams/if-you-are-arrested-victims-or-money-mules-are-being-arrested/

海外では詐欺被害者が逮捕されている!

米国では現在、何千人もの詐欺被害者やマネーミュールが毎年逮捕されています。もちろん、詐欺​​被害者の誰もがこのような危険にさらされているわけではありません。しかしながら近年増加している投資型詐欺では利益の一部として個人からお金の振り込みを受けるというケースが少なくなく、「マネーミュール」にされるという事態に巻き込まれることは今後も増えてゆくと思われます。

海外で警察による逮捕につながったケースは以下のようなものです。

マネーミュール

  • マネー・ミュールの口座に一定のお金が残っていることで、その理由が何であれ、マネー・ミュールが利益を得て犯罪に加担しているように見なされる。

  • 犯罪行為への関与を警察から疑われたときに、マネーミュールがお金を受け取るのをやめなかった場合、たとえ犯罪と知らずに警察の要求に従わなかったのであっても、責任を問われる場合がある。

  • 無効な小切手や偽造小切手を使い、その小切手が正式に決済される前にお金を引き出した場合、詐欺行為とみなされる可能性がある。(無効な小切手や偽造小切手は詐欺師が「返してくれた」お金である場合もあり。

  • テロ組織、またはテロ組織のフロントである多国籍犯罪組織への送金も犯罪とみなされる。

  • マネーロンダリング – ほぼすべてのマネー ミュールが定義上これに該当

  • 電信詐欺 - 上記の 1 つ以上の一部として。

  • 薬物の運び屋 – 被害者は犯罪者が要求した場所を(恋人に会えると信じて)訪れますが、相手には会えず、自分の国または別の国に何かを持ち帰るように求められる。この依頼物は違法薬物やその他の密輸品で、被害者はドラッグミュールにされる。日本でもオーストラリア人の国際ロマンス詐欺被害者が2023年2月に成田空港でドラッグミュールの疑いで逮捕されている。

詐欺被害者

  • 理由を偽って他の人からお金を借りたりもらったりして、貸主がそれを詐欺犯罪として告訴する場合がある。

  • 無効な小切手や偽造小切手を使い、その小切手が正式に決済される前にお金を引き出した場合、詐欺行為とみなされる可能性がある。これは詐欺の利益のためではないが、たとえば詐欺師が「返してくれた」お金が無効な小切手や偽造小切手である場合、小切手詐欺として重大な犯罪となる。

  • テロ組織、またはテロ組織のフロントである多国籍犯罪組織への送金も犯罪とみなされる。

  • 被害者が犯罪者の国にいる恋人を訪問すると、誘拐やそれ以上の危険な状況に陥ることがよくある。それだけではなく、被害者が外国で知らないうちに犯罪者の活動に巻き込まれる可能性もある。

上記のすべてのケースで、海外において被害者やマネーミュールは逮捕され、有罪判決を受け、投獄されています。

マネーミュールにされたことが判ったら警察に届け出ましょう


 米国とは異なり、現在のところマネーミュールにされた詐欺被害者が犯罪者として逮捕されたというケースは報告されていません。しかし、近年、日本では詐欺被害を受けた方やその方のお金を取り戻すために手続きを勧めようとする弁護士などを通して、お金が振り込まれた先の口座名義人を探してお金を支払わせようという動きがみられるようです。
 もちろん、マネーミュールにされた被害者の方々にとってはこれは不本意なことではあるのですが、実際のところ犯罪に巻き込まれてしまったということになります。
 事態の複雑化を避ける最善の方法は、マネーミュールにされた被害者の方が、そのことを地元の警察に直ちに届け出るということです。確かにこの種の犯罪に疎い警察官が担当する場合、「利益が出たのでしょう、それが何の問題なの?」と言って取り合ってくれないこともあります。しかし警察にそう言われたからと放置しておくと、後にあなたの口座にお金を振り込んだ別の被害者から警察への届け出があり、あなたが犯罪者として疑われるという事態に発展するかもしれないのです。自分が無実の被害者であるという宣言を確立するために、警察に届け出ることは重要です。
 ほとんどのマネーミュールにされた詐欺被害者は、犯罪を通報しないことで自分の状況がどれほど危険になるか理解していません。報告しないことで、被害者が犯罪者を幇助しているかのように思われる可能性があります。詐欺師とは異なり、マネーミュールは誰からも何からも隠されていないので、最終的には法執行機関が発見する結果になります。まず犯罪を報告して状況をコントロールすることが常に最善です。

地元の警察に通報する際に必要な事柄

  • 最初の項目で挙げたいずれかに関与していると思われる場合、まず資格のある弁護士に状況について話し合うことを強くお勧めします。

  • そして地元の警察に報告し、あなたがそのような事件に巻き込まれた証拠として警察に届け出てください。この段階で相談番号などがあるのであればそれを控えておいてください。

  • 報告書は完璧である必要はありませんが、送金した金額や受け取った金額、または犯罪者を助けた可能性のあるその他の方法を正直に開示してください。

  • 必要に応じて、弁護士に陳述書を作成してもらったり、警察まで同行してもらってください。

もし逮捕され起訴された場合

これは最悪のシナリオですが、海外では実際に起きています。自分に起きたことを正直に報告しましょう。警察の指示に従っていれば問題ないと思われますが、犯罪の被害者であることを訴えるためには、弁護士の協力を得ることも考慮に入れる必要があるでしょう。

自分が何の罪で起訴されているかを理解してください。そして、その種類の事件に適した弁護士を見つけることが非常に重要です。すべての弁護士が、関係する可能性のある特定の法律についての経験があるわけではないため、弁護士と面談する際には、必ずこの情報を含めてください。


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