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社会崩壊と杜甫

杜甫は、貧しさから社会に対する観察眼が磨かれていきました。

太平盛世を誇った天宝年間も、単なる腐敗政治の繁栄で、必ず内部崩壊を起こすことを予見していたと言います。
現代にも通ずるのは何とも皮肉なことです。

杜甫は、疎開させていた妻子を訪ねた際のことでした。
安禄山が反乱を起こしました。
宰相楊国忠が殺され、楊貴妃が自害し、玄宗は蜀に逃げた時代です。
唐王朝は崩壊していました。

この動乱の時代に杜甫をはじめとした多くの人々が巻き込まれました。
国は破れ、家も滅びるという残酷な社会を目にして、杜甫の詩の感性は一層磨かれます

題材は豊かになりますし、真実を映し出す技巧も進歩しました。

粛宗が即位した頃、杜甫は賊軍に捕まってしまい、長安に監禁されてしまいます。

逆境かでありながら、そんな長安の混乱ぶりさえも、詩の創作にとっては絶好の材料となるのです。

そこから命かながら長安を脱出し、鳳翔にいる粛宗のところにたどりついたのでした。

社会の混乱というのは、まさにいつの世もあるものです。
そこから、インスピレーションを見出した杜甫はその不幸を生かして良い作品を生み出したと言えましょう。
大変な時においても何かしら良いものがあるものです。
それを見出す目、見えない世界を知るとそういうものが得やすくなるものですから一緒に頑張りましょう。


これからも良い記事を書いていきます。