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博士課程のマイルストーン〜Confirmation

英国の大学院では(フルタイムの学生は)博士課程の1年が経過した時に、正式な博士候補生として認めてもらうために試験を受けなければいけない。

「試験」というと、みんなで一斉に受けるテストみたいなイメージを抱くかもしれないが、とっても個別的なもので、わたしの大学院、バース大学の社会・政策学部では、論文の1章とConfirmation reportという、論文の構成、概要、研究手法などについて記したものを提出し、口頭試問を受ける。それに加えて、倫理審査を通過しておかなければいけない。(※イギリスにおける倫理審査については、とても興味深いので別途書きたい)

さて、この試験というのか、プロセスの名前が"Confirmation"という。日本語にすると「確認・確証」というところか。

「この学生は、ちゃんと博士課程の学生として、研究するレベルにありますよ」ということを内外に確証するもの。

大学によっては、"Upgrade"とか、"Transfer"とかいろんな呼び名がある。

いずれにしても、このプロセスを経なければ、フィールドに出ること、調査を開始することができないし、落ちれば、中退ということになる。

わたしは今回、倫理審査はなんとかギリギリ間に合って通過し、Confirmationに臨んだ。結果からいうと、口頭試問が終わった段階で、審査の先生たちが協議の末、6〜9ヶ月以内に、再度Confirmationにチャレンジということになった。理由はいくつかあるが主に「2カ国の比較研究を現在のテーマ設定で行うことは、博士の研究として、範疇を超えているので修正せよ」というところである。

「落ち込む」のは半日で終わり、スーパーバイザーのKate先生の全面的なサポートによって、次のステップについて検討することがすでにはじまっている。(confirmationは9日で、10日にスーパービジョンの時間をとってくれた)

中退でなくて心から良かったと思うし、改めて自分のアカデミアにおける未熟さや、能力不足(批判的に先行研究を読み解く力や、実行可能性をふまえた上での研究計画を行う力)を痛感した。でも、確実にやり遂げられる研究にしていきたいし、本当に自分が何年もかけて追求するテーマは何なのか、再度考える良い機会をもらった。

ここから半年で、次のConfirmationなんとしてでも、通ってみせます!

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