Terumin

リヴオンという死別を支えるグリーフサポート団体の代表をしています。Founder an…

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リヴオンという死別を支えるグリーフサポート団体の代表をしています。Founder and CEO of Live on, a charity in Japan supporting the bereaved. Ph.D researcher at Uni of Bath、

最近の記事

オンラインサロン始めます

来年2024年1月より、オンラインサロン「てるクロ」始めます。 一年ぐらいあたためながら、いつやろうか、いや、やっぱりやめておこうか、と悩んだ結果、最後はリヴオン創業メンバー越くんの仲間のひと押しで決めました! 「てるクロ」というのは「てるみんの苦労話をわかちあう会」を略した名称で、元々越陽二郎くんが「コシクロ〜コシさんの苦労話を楽しむ会」というオンラインサロンをやっていたので、きょうだい的に、名前を決めさせていただきました。 来年は法人としても大きなチャレンジの年であ

    • 記念日反応がようやく夜明けを迎える?

      記念日反応だと、認めることさえ嫌だったけれど、今年の誕生日前後はしんどくてびっくりした。でもやっとこさ、ちょっと抜けてきた感がある。 それもこれも、きっかけになったのは、昨日仕事のミーティングの時間。ゆりさん 岩橋 ゆりと話をしていて、チェックイン的に自分の調子を伝えようとしたら、するすると引き出されるかのように気持ちが出てきた。 「わたしはお祝いされたいんじゃなくて『ここまでよく生きてきたね』って本当に苦しいときを見てきた人たちに言ってほしいんだ。でもそれはわがままなよ

      • 正直な話をしよう 〜この一年の活動、経営を振り返る

        正直な話をしよう   2008年に母の日プロジェクトを立ち上げ任意団体設立から15年。 この1年はひたすら「届ける」ことに意識を向けて走り回っていました。 この1年で、コロナ本『コロナ下で死別を経験したあなたへ』は2,000冊を無償で届けてきました。累計で1万冊ほど無償配布をしました。 いのちの授業は23校、6600人の子どもたちに「自殺予防」と「グリーフ」の学びを届けました。 『グリーフケア基礎講座』はオンデマンド講座を通じて60名に、教科書を通じて240名の人たちに

        • 学び直しに必要なのは、描いている人生を生きられる「希望」のある社会

          今、巷で話題になっている、産休・育休中のリスキリングの件。 黙っちゃいられないなと思い、言葉を綴ってみる。結構まだ未整理な面もあるので、不完全さをお許しいただき、読んでいただけたら幸いです。 考える出発点はなによりもこれは「自分ごと」であった。 わたしは2018年9月に博士課程に入学し、2020年6月に妊娠がわかった。だからといって、博士課程をやめることもないし、現場も担うプレイングマネージャー的な動きをする経営者であることも変わりなく続けた。 経営者なので、制度的に

        オンラインサロン始めます

        • 記念日反応がようやく夜明けを迎える?

        • 正直な話をしよう 〜この一年の活動、経営を振り返る

        • 学び直しに必要なのは、描いている人生を生きられる「希望」のある社会

          20年の重たさを感じる

          昨日夜中になかなか寝付けず、うつらうつら考えていたことをここに書きこぼしてみる。 ※やや長文なのと、誰かにあてて読みやすい文章というより、自分の整理のための表現であるということ、そして、しんどい場面も若干描写しておりますのでご容赦ください。 わたしはおそらく、はたからみたらだいぶ「乗り越えた」人なのだろうと思う。ある意味では乗り越えてきたものもある。例えば、大学中退の危機とか、9年で3回も「乗り越えた」。でも、究極のところで、乗り越えることなんてないって思っている。そのと

          20年の重たさを感じる

          「継続する絆」の源流は日本のお寺にあり

          継続する絆、という概念を提唱したのは、アメリカ人のDennis Klass博士(宗教学)である。 Klass先生のインタビューがあり、いかにして、グリーフの世界で画期的なアイデアだった「継続する絆」を生み出したのかということが、具に書かれている。 そこで衝撃的だったのが、元々この死の分野にKlass先生が入ってきたのは、ご自身が当事者だったからとかではなく、博士課程一年生の時に、2歳の子どもとパートナーのお腹の中に赤ちゃんがいるにも関わらず生活費がなくて、そこに所属してるシ

          「継続する絆」の源流は日本のお寺にあり

          亡き人を語ること

          この一ヶ月の、研究における書かないといけないテーマが「亡き人と共にどう生きているのか」「どのようにして亡き人が存在し続けているのか」ということで、一番メジャーな概念である「継続する絆」(Klass 他、1997)を追いかけている。 ただ、Klass氏のこの概念が一番有名ではあるが、ちょうど同時期に、シンクロしてTony Walter氏もこの概念で語られていることと同じことを論文にまとめていた。 それは、Tony先生自ら、父親の死と、以前おつきあいされていた女性の死についての自

          亡き人を語ること

          背水の陣で、研究に復帰

          9月末から大学院の研究に戻りました。といっても、博士は授業があるわけでもないので、指導教官の先生とまずは話すことから。 わたしの指導教官はKate先生といいます。以下、普段読んでいるままに、略称Kateで表記します。 スーパービジョンの中で、日本に暮らしてながら、小さい子どもがいて、仕事、チャリティー(NPO)の経営をしてるというのは、ただでさえ博士の研究だけでも大変なのに、とんでもなく難しいことではないのか。あなたは本当にできるのか、と問われました。 やると決めたのだか

          背水の陣で、研究に復帰

          「あいまいな喪失」理論のあいまいさについて

          コロナの影響下で、身近な人を亡くされた方の中には、最期に思うようなお別れができなかったという方がたくさんいらっしゃいます。 グリーフの理論の中には「あいまいな喪失」といい理論があります。 これは「失ったことが不確かな状態」で経験する喪失のことで、理論を生み出したポーリン・ボス先生は、二種類のあいまいな喪失を紹介しています。 さようならのない別れ物理的に、遺体が見つからない、帰ってこない、戦争や災害などの状況での死別や、津波で故郷がなくなってしまった場合におきる喪失です

          「あいまいな喪失」理論のあいまいさについて

          NHKラジオ深夜便 聞き逃し配信 残り1日切りました

          NHKラジオ深夜便に取り上げていただいて、1週間。今日で、ラジオ深夜便の聞き逃し配信が終了です。(9/2 11時台、残り31分のところから聞けます) 30分もかけて『コロナ下で死別を経験したあなたへ』の本づくり、想いについて話させていただきました。テレビ・メディアや新聞メディアにはない、声のメディアだからこその、伝わり方があるのを実感しています。 「あいまいな喪失」「公認されないグリーフ」コロナ下で死別を経験するということがどういうことなのか、丁寧に聞いてくださりました。

          NHKラジオ深夜便 聞き逃し配信 残り1日切りました

          17年越しの・・・

          (結果を待っていてくださったみなさまには)お待たせをいたしました! デ デ ン!  免許とれましたーーーーーーー! 実はこの「免許を取る」という一見、世の中ではわりと当たり前のようにある経験ですが、わたしにとっては、とてもとても、特別なものでした。 というのも、私は母を亡くしたのが19歳、大学入学直前でした。亡くなるまでの半年、多くの人が免許をとる18歳の頃は浪人中で、母のうつ病から「死にたい」という声を毎日のように聞く生活をどう生き抜いていくかで必死でした。大学に入

          17年越しの・・・

          「問題の家族」 or 「家族問題」?

          近年イギリスの社会学者、社会政策学者の対話が進んでいるテーマが一つある。わたしの研究(「親を亡くしたヤングアダルトの社会経済的影響」)の中でも「家族」とは何なのかという根本的な面を考えることが求められている。 より具体的にこれについて話すと、社会的に見て介入が必要な「問題の家族」という視点と「家族はそもそも問題を抱える源」(「家族問題」)という視点について、改めて議論と考察が行われている。グローバル化が進み、一つ国の中に多様な民族、文化をもつ人が暮らすようになったことや、家

          「問題の家族」 or 「家族問題」?

          「記念日反応」を越えていく

          大切な気づきをひとつシェア。 「記念日反応」への理解が深まることがあったので、ここに書いておきたい。 「記念日反応」というのは、もともとグリーフにおける専門用語&概念で、死別や離別、喪失経験をした人が、その失った対象との間にある記念日(命日、誕生日、結婚記念日、離婚した日、運動会や成人式などの行事、年末年始 etc.)のあたりに、体調をくずしたり、心が沈んだり、グリーフの反応が起きることをさす。 でも「記念日反応」というと、どうしても、言葉のイメージが狭くて違和感があっ

          「記念日反応」を越えていく

          【イベント告知】世界に学ぶ「死」「葬送」「死別」の研究 〜国際カンファレンスに参加してみた!オンライン報告会〜

          死の研究の最先端を知り、つながろう。 遺族、グリーフケアに関わるNPOや団体の人、お医者さん、看護師さん、葬儀やさん、石屋さん、お坊さん、カウンセラー、ソーシャルワーカー、行政の人… 「死」「死別」「葬送」などに興味のある、研究者、実践者、民間の方々などがつどい、ともに学ぶ場を開きます。 昨年の夏、2019年9月4日〜7日に、イギリスで、Death, Dying and Disposal 略してDDDという国際カンファレンス(学会+α)が開催されました。 参加者は英国の

          【イベント告知】世界に学ぶ「死」「葬送」「死別」の研究 〜国際カンファレンスに参加してみた!オンライン報告会〜

          博士課程のマイルストーン〜Confirmation

          英国の大学院では(フルタイムの学生は)博士課程の1年が経過した時に、正式な博士候補生として認めてもらうために試験を受けなければいけない。 「試験」というと、みんなで一斉に受けるテストみたいなイメージを抱くかもしれないが、とっても個別的なもので、わたしの大学院、バース大学の社会・政策学部では、論文の1章とConfirmation reportという、論文の構成、概要、研究手法などについて記したものを提出し、口頭試問を受ける。それに加えて、倫理審査を通過しておかなければいけない

          博士課程のマイルストーン〜Confirmation

          回復の道程

          これまで大学院に入って何度となくしんどいと感じることはあった。修士のときには、修士のときのしんどさが。コースワーク(授業)と、論文を書き上げるのを1年でやるということや、はじめての留学で、生活をセットアップするのに、ほんまに苦労した。でも修士のときは、友だち(同級生)がいたのは大きかった。金曜になれば"It's Friday!"と陽気に、アフタヌーンティをしようと誘ってくれて、よくカフェにいっていた友人の存在にどれほどまで支えられたか。(※ちなみにここでいうアフタヌーンティは

          回復の道程