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思いやり

横断歩道を渡ろうとして信号待ちをしていた。
用事があって急ぎ足で歩いていたため早く信号が変わらないかイライラしていた。

信号が青に変わる。
人がいっぱいいて追い抜ける状態ではなかった。
その列からそれて横断歩道より車道側に出て走り出す。
よし急ごう、夜だったので足元が暗かったために中央分離帯が見えなかった。
その中央分離帯の反射板のでっぱりに足を取られる。転んで怪我をした。
足を取られ倒れたことのことを思い出すとスローモーションのように倒れたのを思い出す。転んだ時、「ああやっちまった。」と一番最初に思う。
「ああこのまま倒れるのか。」まずいなと思いつつ。手を出そうと思っても、パーカを着ていてその上にコートを羽織っていてポケットに手を突っ込んでいたようである。ヘッドスライディングで顔擦りむく。
顔から血が出てショックだった。
その日はものすごく気温が低く寒かった。

「痛い。」と声が出る。
コンクリートの地面に顔がたたきつけられる。
大したことはないと思いながらすぐに立ち上がってその場を立ち上がろうとした。
恥ずかしさもあったのだろう。慌てていたようである。
「大丈夫ですか!」と声がかかる。
男性と、女性、二人が私の所へやってきて声をかけてきてくれた。
カップルのようでもある。
30代から40代ぐらいであろうか。2人で私の腕を抱えて起こしてくれた。
血の出ているおでこを抑えながら、「大丈夫です。」といった。
2人は笑顔で 
男性、「立ち上がれますか?」
女性、「気を付けてください。」
「ありがとうございます。少し血が出てますが大丈夫です。」
この2人が話しかけてくれたことで、焦る気持ちと、はずかしい気持ちは、和らいだ。
2人は笑いながら去って行った。

話してくれて助かったと思った。大きな大きな思いやりをもらった。
感謝の気持ちでいっぱいになった。

今度は自分が困っている人に思いやりを届けたいと思った。


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