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そろばん興国論:アナログエリートのススメ

昭和の特に初期・中期の生まれの方であれば、「読み書きそろばん」と言う言葉は必ず聞いていた事と思います。「三種の神器(教育編)」、と言った所でしょうか。

読み書きそろばん(英:Three R's; Reading, wRiting and aRithmetic)は、最近だと、「英語」「国語」「コンピュータ(読み書き)」位に置き換わっているのかも知れません。英語力もIT力も、覚束ない子供たちも数多い様にも思いますが、教育上の基本中の基本(い・ろ・は)です。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO82212390R20C15A1X12000/

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処が、コンピュータ産業が発展する前から、こと「そろばん」の重要性について口酸っぱく言ってくれる大人が少なくなっていたような気がするのです。

勝手な「憶測」で申し訳ないのですが、算盤に関して言えば、「皆頑張ってみたけど、出来なかったので、劣等コンプレックスを感じていた」と言う方が圧倒的多数なのだろうと思います。まあ、アレは確かに、教え手が下手くそであれば、中々上達しません。

私は、小学3年生の頃に算盤を始めています。最初、兄がやっていた事を聞き、「(通っている場所が浄土真宗のお寺に近かったので)鐘を突くための訓練をする事なのかな?」と言う様な頓珍漢な事をイメージしていました。まあ、実際やってみると、中々面白かったので、必死に喰らい付き、一年間で2級を取得しました。実際は、1年間で1級まで取れる位の猛スピードだったのですが、肺炎と骨折で3週間ずつ入院をしてしまったので、受験が出来ませんでした。結局、全珠連レベルで、珠算が2段、当時出来立てだった暗算検定で5段まで持っています。北海道の大会にも二回出ています。もう少しで表彰されていたのですけどね。

実は、珠算の検定の裡の「見取り算」「乗法」「伝票」レベルは、暗算を使っていました。暗算は確か3級で本格的に導入されるのだと思いますが、大体の方は、算盤のタマを思い浮かべるという様なことをせず、通常通りの暗算をしてしまうため、3級で挫折します。3級まで行ってあとダメ、と言う方々の圧倒的多数は、暗算で引っかかっていました。実は、此処に、「算盤の大切さが正しく日本に伝わっていない」根本が有るのだろうと勝手に解釈しています。

「算盤の訓練は、暗算をする為にある」

デジタル社会と言われる現在の世の中に、敢えて「アナログエリートのススメ」をしたいのは、「暗算の技法は、脳力を高める可能性が高い」事をご説明したいからです。

暗算が出来ると、色々メリットあります。先ず、私は高校の頃に化学で偏差値99.9を叩きだしたことがあるのですが、これは、「暗算の作法のたまもの」と言っても過言ではないのです。今でも、6桁位の計算は頭の中のみで出来ます。化学は、モル(mol)計算と、元素記号・周期表のマスターと、亀甲(ベンゼン環)の記憶、さえ出来ていれば、大多数は満点レベルを取れます。つまり、(少なくとも中学・高校)化学の成績を将来的にアップさせたいのであれば、暗算技法は「大きなアドバンテージになる」とすら言えるのです。

次に、算盤3級まで行くと、「応用算」を学びます。ハッキリ言えば、商業高校・商学部レベル。私、多分(やってはいないのですが)小学4年生で、簿記2級位楽勝で取れていたのでは。しかも暗算で出来るレベルなので、資格試験に困るレベルは一切ないです。こういう意味でも、暗算が出来るメリットはかなりあります。

そして、究極的には、「右脳(のうち特に前頭葉/大脳新皮質)が鍛えられる」事があげられると思います。実は、暗算が(タマをイメージで脳内で処理しています)右脳活性部位で行われているかどうかは、脳神経科学や脳科学レベルでハッキリしていない処もあると思うのですが、私は、「自信をもって」<関係性はある>と断言します。論理的思考の会話をしながら、計算や時間の測定が出来たりするんですよね、私。女性で出来る方も居るのかもしれませんが(これは単に脳梁の関係)、男性ではまず皆無です。出来るという事はつまり左脳と右脳で同時に作業を出来るという事に他なりません。これを知った時は吃驚しました。そして、ブラインドタッチもまた(意識的にやれば)右脳を鍛え上げたりするのですよね。

私は、小学生の頃(結局、小3ー小6)に算盤と出会い、そして、暗算を通じて「脳力を上げた」事に一切の後悔をもしていません。寧ろ、日本に生まれて良かった、これは私が誇るべき事だ、とすら思っております。

最近は、「FLASH暗算」なる技法もあるようです。脳が劣化したな、と思ったら、FLASH暗算やってみると良いかもしれません。そして、もし「算盤」を昔やった事のある方であれば、<パチパチ>の仕方をもう一度マスターして、暗算に是非トライしてみて下さい!きっと、右脳が鍛えられて、更に応用でブラインドタッチも楽に出来るようになるかもしれません!?!? 皆でやれば、国力アップも間違いなし!

少なくとも、インド式算数を子供に学ばせるよりも、効率的で効果的だと思います。iPadのアプリで、指の動きをモニタ上で察知したそろばんアプリ、位、すぐ作れそうな気もしますけどね! さあ、アナログ算盤で、貴方も、「アナログエリート」にチャレンジ!

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(画像は、Wikipediaより)

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追記:実は、算盤の圧倒的シェアを誇るトモエそろばんさん(というかダイレクトに藤本トモエさんとお話ししてます。営業電話で)に、東南アジアへの算盤技法の輸出を提案したことがあります。まさか当時自分が東南アジアをベースにするようになるとは思っていませんでしたけど(^_^)

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Tetsuya Kitahata(北畠徹也)

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