マガジンのカバー画像

リノベーション体験談

17
一級建築士である自分が経験した自邸リノベーション について書いています。
運営しているクリエイター

記事一覧

我が家が全国紙デビュー!リノベ住宅がSUUMOから取材を受ける

戸建てリノベーション暮らしをして1年。 我が家が、全国紙に掲載されました。 嬉しいので、見てください。 掲載されたのは、SUUMOリフォーム2020年3月号。 全国の書店で、「暮らし」とか「ライフスタイル」といったコーナーに置いてあるはずです。 表紙がこんな感じです。 私の住む金沢の書店では、平置きされていたので、すぐに見つけられました。 そして、巻頭の「保存版 リフォーム大全2020」という特集で、実例として掲載していただきました。 実は、取材依頼の連絡はSNSでした

リノベーションEXPO JAPAN 金沢に登壇!話してほしいトークテーマ募集します

2018年5月、妻と思い立って「戸建てに住みたくない!?」という軽いノリで始めた家づくり。 要望や予算などの条件の多くを叶えられるのが中古住宅を購入して行うリノベーションでした。 せっかく建築士である私がリノベーションするのだから、家づくりをする人の刺激になって欲しいと、工事期間中にイベントを開催し、完成後はnoteを始めとしたSNSで情報発信をしていました。 そして先月突然のオファーをいただいたのが「リノベーションEXPO JAPAN 金沢」への登壇依頼です。 「古民家買

リノベーションがオシャレと言われる理由

築48年の戸建て住宅を購入し、リノベーションして暮らしている建築士の鶴見哲也です。 リノベーション体験談としてプロセスや技術的なこと、性能的なことについて書いてきました。 もっとライトな内容を書こうと思って、リノベ暮らしを始めてからよく言われる言葉「オシャレ」ということに注目しました。 なぜリノベーションがオシャレと言われるのでしょうか。 1.新築にはできないデザインができる1つ目の理由は、デザインです。 リノベーションといっても様々な方法があります。 既存の跡形もなく直

本当に快適な住まいを知る方法

一級建築士で、築48年の中古住宅をリノベーションして住んでいる鶴見哲也です。 今まで設計士として、また居住者としてリノベーションの体験談を綴ってきました。 私が実家でも親戚の家でもない中古住宅を購入し、リノベーションという選択ができたのには理由があります。 それは自分にとって本当に快適な住まいがどんなものか考える力があったからです。 今回は、その秘訣をお伝えします。 1.全ては選択肢であるということローコスト住宅、建売、高性能な住宅、マンション、賃貸と家と呼ばれるものは沢

リノベで気にした断熱性能

私は、築48年の木造住宅をリノベーションして住んでいます。 どんな雰囲気かは写真をご覧ください。 希望に対して新築だとコストが合わないので、リノベーションという選択をしました。 そこで私は、建築士としてまた居住者として断熱性能に強くこだわりました。 なぜそこまで強くこだわったのか、理由をご紹介します。 1.低断熱の住まいは、嫌なことだらけ夏暑くて冬寒い家は不健康になりやすく、ランニングコスト(光熱費)が高いのが特徴です。 私が最も嫌だと感じた特徴が、その環境下での活動意欲

リノベ暮らし8ヶ月で気付いたこと

築48年の戸建て住宅をリノベして暮らし始めて8ヶ月、寒い冬を越し、猛暑の夏を越し、これから秋へと移り変わっていきます。 正直言って、この暮らしは実験的な取り組みでした。 想像以上に良かったこと、楽観視しすぎて見落としていたこと、両方ともありました。 そんなことをいくつか紹介します。 どんな住まいかは、こちらのnoteにbefore-afterの写真を掲載しています。 1.良かったこと:予想以上の断熱性能で快適無断熱の住まいをスケルトンにし、Heat20G2基準(Ua値0.4

断熱性能って本当に高くできるのか?

一級建築士である私が、写真家の妻のスタジオを併設させた住まいを手に入れるために選択したリノベーションによる家づくりについて、その経験談とプロとしての知識を織り交ぜて書いているnoteです。 今回は「リノベーションでも本当に断熱性能って高められるのか?」について書きたいと思います。 1.断熱の重要性断熱が必要な理由については、以前書きました。 要点としては、冬寒い家はヒートショックによる心筋梗塞や脳梗塞などの健康に害を与える可能性が高くなること、断熱性能が低い家は冷暖房費

プロの私が失敗したこと

一級建築士の私が築48年の中古物件を購入して、リノベーションした体験談について書いていますが、今回は思い切って失敗したことについて書きます。 プロだってクライアントの立場に立つのは初めてで、分からないこともあります。 特に失敗したのはお金のことでした。 1.ノリと勢いではじめた家づくりまず、今回のプロジェクトはノリと勢いではじめたと言って過言ではありません。 そのため「アパート暮らしが嫌だなー」とか、「妻がフリーで写真の仕事はじめたし、スタジオなんかあったほうがいいでしょ!

無理に間取りを変えてはいけない理由

このnoteでは一級建築士で住宅の設計をしている私が、中古住宅を購入してリノベーションした体験談を書いています。 プロだからこその選択、決断、それらの理由についてなるべく詳しく書いて、これから住まいを手に入れようって方に新築以外にも快適な住まいを手にする方法があることを知ってもらうことを目的としています。 1.どうして間取り変更するのかリノベーションではよく大幅に間取りを変更するイメージがあるかと思います。 それは昔の住宅のつくりが、現代の生活に合致していないため、生活動線

現場見学会とDIYワークショップを取り入れた理由

このnoteでは一級建築士で住宅の設計をしている私が、中古住宅を購入してリノベーションした体験談を書いています。 プロだからこその選択、決断、それらの理由についてなるべく詳しく書いて、これから住まいを手に入れようって方に新築以外にも快適な住まいを手にする方法があることを知ってもらうことを目的としています。 1.リノベの工事過程はわからない今回の工事で現場見学会とDIYワークショップを合わせて6回行い、100組近い方に見ていただきました。 2018/9/9:解体後現場見学会

床の間をあるものにリメイクした話

このnoteでは一級建築士で住宅の設計をしている私が、中古住宅を購入してリノベーションした体験談を書いています。 プロだからこその選択、決断、それらの理由についてなるべく詳しく書いて、これから住まいを手に入れようって方に新築以外にも快適な住まいを手にする方法があることを知ってもらうことを目的としています。 1.今までのおさらいこれまでを簡単に振り返ってみると、まずは一級建築士の私がなぜ新築住宅ではなく中古住宅を購入してリノベーションをしたかについて書きました。 答えは簡単

散歩型の設計手法で最良の空間を目指す

一級建築士で設計の仕事に従事している私が、中古の一戸建てを購入し、リノベーションして住むまでの一連の流れについて振り返る記事です。 前回でやっと中古物件の売買まで書きました。 過去の記事はマガジンでご確認下さい。 さて、今回はこの中古物件に出会ってから、着工するまでの3ヶ月の設計期間に考えたことを振り返っていきたいと思います。 思い立って1週間で物件を見つけたが、ローンの仮審査やそのための概算、基本設計を終えるのに1ヶ月、手付金を払って移転登記等の期間で2ヶ月でその期間中に

耐震補強と断熱補強のこと

前回は設計で意識した思考の仕方について書きました。 新築とリノベでは設計の思考の仕方が異なっていて、今回の住まいは「実家感」というコンセプトを活かすために、散歩のように場当たり的に物事を柔軟に決めていく設計手法をとりました。 家を建てる時に気になることとして、耐震性能と断熱性能がある。 特にリノベーションとなると、地震に耐えれるのか? 古い家って寒いけど、断熱性能とかって大丈夫なのか? 新築だったらどこの住宅会社も耐震等級だったり、ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)だった

スピード勝負!物件を見つけてから売買契約するまで

<前回のおさらい>建築写真の記事ばかり書いていたので、少し期間が空いてしまいました。 前回は中古物件をどうやって探したかについて書きました。 その際のポイントとしては、以下の2点だとまとめました。 1.中古物件が得意な不動産屋さんにいち早く相談する 2.建築の専門家に同行してもらって内見する 好みの不動産を見つけたことだから、どうやって手に入れるかについて書こうと思います。 <不動産は早い者勝ち>土地も建物も不動産売買は早い者勝ちが大原則です。 不動産屋さんは売買時の仲介