短い

 唐突だが、最近の我が家は混乱続きである。父親の会社のM&Aによる家庭の経済規模の縮小、母親の詐欺未遂、母親の就職難、そして大学進学と一人暮らしによる支出の増加により家族の精神状態が不安定になっている。父と母の関係は不安定であり、私も無意識下でストレスがかかっている。そのような経験を通じて得た「経済的困窮による人間性」を探求していこう。

 よく、人間は経済的困窮を目の前にすると本性が出るらしい。金があれば余裕が生まれ、金がなければ他人に辛辣になると。しかし、私はこの表現は間違っているように思える。金がない、言い換えれば、生活が困難になる可能性に直面している状況で普段と同じように人と接するにはその人間の対応力がものをいうのだ。

 今の家庭はかなり厳しいところにある。労働環境の変化、新しい価値観への直面、ストレス下でのコミュニケーション、社会的な目といった要素が家族の心をかき乱している。それらの要素が派生的に他の問題に影響を及ぼす。家族全員が大なり小なり、人に悪辣な態度や無配慮の態度をしている。

 だが、それは本性ではないと思っている。本性ではなく対応力の未熟さなのだ。経済的に困窮するということは少なくても今変えることはできない。しかし、現実に対して家族で協力することはできる。人との関係性を変えることはとても難しいが。

 互いに心にあることを話し合って理解し問題に対して協力すれば、経済的ないし社会的に優れていなくても家庭円満で過ごすことができるはずだと思っている。ただ、本当はどうなのだろうか。母親の鬱憤は長期的なものであり、父親が今頃に変わるのは難しいのではないかとも思う。まだ、十分に話したわけではないが、少しの不安はある。

 いずれにせよ、これからの人生に向けて家族で協同するためにも、自分のストレスを整理し、母と父と勇気をもって話し合うことが必要だ。


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