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2歳児のテレビ視聴のやめ方

子が2歳半のころ、機関車トーマスが大好きで、放っておけばいくらでも静かに見続けていた。集中力すごいなと思って1日1時間くらい、朝晩のご飯の準備の間に見せていたのだけど、ある日保育士にこう言われた。

「なにしてるときもトーマスのこと考えちゃうみたい。自然の中でも歩いているときも、水遊びでもトーマスのこと話そうとしてる。」

わー。と思った。

いま4歳半になって、やっと、なにがリアルでなにが非リアルか、少しずつ区別がついてきた感がある。2歳の子たちのあのテレビへの食いつきっぷりは見ていて清々しい程だけれど、それは、刺激的な偽リアルを、世界にどんどん取り込めるからこそなのだなと思う。

保育士に言われて、それはなんかすごくわー!という気持ちになって、その夜、テレビのコンセントを抜いた。そして神妙な面持ちで、子に伝えた。

『テレビ、壊れちゃったんだ。』

子は、え!?という顔をして、なんとテレビの主電源ランプを確認した。赤でも緑でもない、真っ黒。光ってない、ほんとだ、壊れてる。試しにリモコンの電源ボタンも何度か押して、納得したようだった。

『こわれてる』
と一言。

その後、しばらく毎朝起きると主電源ランプを確認していた。こわれてる。と呟きながら。


やめてみて気づいたのだけれど、テレビがないと諦めがつけば、子どもはなにか勝手に遊び出す。
確かにテレビの時のような静かに座って画面を見つめ続ける様子とは違うけれど、それでも「いまお母さんはご飯作っているから手が離せない」ことは理解しているようで、なにかしら、勝手にプラレールを出したりミニカー動かしたり、enjoy himself、な様子だった。

その後、3歳を過ぎて平昌オリンピックを観たい親の気持ちとともに、ある日テレビは直った。少し大きくなった彼に説明してみた。

「テレビさ、あんまり観るとまた壊れるみたいだから、お風呂あがりにトーマスひとつだけ見よう。」

そこからずっと、成長に伴って理解は変わってきたけれど、自分でテレビを消せるようになった。

子どもをエンターテインしていないと不安な親の気持ちなんか通り越して、子は成長するものなんだなと感動した。

いけない気がするけどいたしかたない、と思い込んでいることって意外と多い気がする。

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AI EHARA | 運動を科学するヒト

School of Movement®️ で様々な運動関連職種の指導者に対して身体運動の科学を教えています。 理学療法士、修士(東京大学大学院総合文化研究科身体運動科学、学位<学術(バイオメカニクス)>))。https://text.themedia.jp/

生まれた子どもと家族を作る

家族って自然にできるものなのか?と常々疑問に思っています。少なくともそこには、構成員の様々な事情や性格やそれを取り巻く社会の様子というものがあるわけで、そこが多種多様な以上、家族は「作る」ものなのではないかと。その過程の葛藤を文章にしたくて。
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