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やきものと歴史

やきものでも興味があるのは陶器の方です。地元が福岡県のため、昔から窯元めぐりにはついて行っていました。福岡県の産地といえば、上野焼(あがのやき)、小石原焼、高取焼、小鹿田焼(おんだやき)、一ノ瀬焼とたくさんあります。少し足を延ばせば、唐津焼、萩焼などへも行けるため、やきものファンにとってはいうことなしの場所です。

最近、唐津焼の本を読んでいると、これらの諸窯は、豊臣秀吉の朝鮮出兵により連れてきた朝鮮南部の陶工たちが発祥であることを知りました。彼らの技術は日本のやきもの文化に多大な影響を及ぼしています。この本の著者である中里太郎右衛門氏は13代目であり、初代の中里又七が窯を始めたのは慶長元年(1596年)とされています。

茶道と言えば千利休ですが、弟子で武将でもある古田織部は朝鮮出兵の時に唐津にも来ていますし、萩などにも来ていたようです。織部といえば織部焼の初期のものは唐津焼はよく似ていたようです。現代のような窯の特徴は時代が進むにつれて出てきたもののようです。

近頃、いろいろな規制などにより薪窯は減ってきていますが、昔ながらの素朴な風合いは捨てがたいものがあります。そんな伝統的製法による茶碗で古人の追体験ができることは貴重であり、みんなで守っていかなければいけない大切な伝統だと思うのです。

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