見出し画像

映画レビュー:ジョジョ・ラビット

【ジョジョ・ラビット】
★★★★☆ 

画像1

予告編でチラッと記憶していましたが、こんなに心がきゅんとするなんて。
きゅん、というのは単なるときめきではなく。

辛く悲しい現実を目の当たりにしながら、未来を切り開いていくのは若い二人。
最後は祈りたくなるような、そんな気持ちでした。

様々な要素がぎゅっと詰め込まれているのに、見てて混乱しないのがすごい。
政治、戦争、差別、生と死、恋愛、親子愛、友情。

画の美しさ、音楽センスもさる事ながら、ユーモアセンスもたっぷりで、戦争中の人々を観てるのに何度も顔が笑ってしまう不思議。
ここは不思議の国なのかしら。

ジョジョの表情豊かな演技、ホントに可愛らしくて、少しずつ男らしく顔つきを変えてくるのが見ていていとおしい。
制服を脱いだ彼は、キャンプは脱落したけど立派な男になっていたよ。

そして親友のヨーキー!!ほんとにチャーミングで、彼らが仲良くしてるの見てるだけで幸せな気持ちになれる。
2人が遊んでる映像だけずっと流してくれててもいいくらい癒された。めろめろ。

さらには、スカヨハの圧倒的な存在感。
あたたかくて大きくて、しなやかで可愛らしくて、なんと美しい母親なのだろう。
ファッションも素敵だったな。

そしてまさかキャプテン・Kに泣かされるとは…!序盤はひたすらふざけた感じがしてたのに、彼も懐が深くてかっこいい人だった。

10歳の男の子が、現実と妄想の間をさまよう中で蝶に出会い、大人への道にいざなってくれたような。
常に死が隣にある設定の中で、見ている方が麻痺してるみたいに、美しい絵本を読んだ後の様な気持ちになります。

リルケの詩を、私も書き留めておこう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?