韓国車の『ヒュンダイ』が『ヒョンデ』として『現代』の日本市場に舞い戻ってきた件
木曜日は、オヤジのクルマ談義を。
GWで京都に帰省する直前の4月最終週、名古屋駅KITTEの吹抜けスペースで、電気自動車3台が展示されていました。
ええ歳こいてクルマ好きのオッサンですので、迷わず立ち寄り、食い入るように眺めます。
すかさずコンパニオン風の女性が歩み寄り、『ヒョンデの新型、電気自動車です!』と…
ボンネットに輝くは、懐かしの『ヒュンダイ』のエンブレム(ちょっとホンダに似ていると物議を醸した過去もある)。
『ヒュンダイだよね?』
『はい、2020年に世界標準でヒョンデに改めました!』
そうなんですね。
あ、あれか。昭和世代の『カルチェ』が今では『カルティエ』になった感じ?(笑)
お酒の世界でも、『バカルディ』が『バカディ』とか、『クロバゼ』が『クルボアジェ』とか、『グランマルニエ』が『グランマニエ』とか、いろいろあったなぁ(もうええって!)
韓国の現代自動車といえば、全盛期にはヨン様ことペ・ヨンジュンを広告に起用して日本で2,000台超を売ったこともありながら、その後、日本市場から撤退したはず。今回、社名変更(英文表記は Hyundai Motor Company のまま読み方を統一)を機に、日本市場に捲土重来を図るということですね。
日本市場では確かに一旦失敗していますが、世界中で見れば年産450万台とホンダと同等規模を誇る中堅メーカーではあります。日本市場に返り咲くに際して、通常のレシプロエンジンだけでは差別化が難しいとみて、電気自動車と水素電池自動車に絞り込んでリリースしてきました。
いろいろ訊いてみると、この春に全国の主要ターミナルでこうした実車展示を行い、5/2(水)から公式サイトで注文を受け付けているようです。
リアルな販売店舗(正規ディーラー)はありません。
東京・虎の門や神戸にショールームを設けてはいますが、近日中に横浜に本格的なショールーム&サービス工場(カスタマー・エクスペリエンスセンター)を開設するようです。ただ、あくまでネットでの定価販売のみとし、ショールームは実車試乗や対面での説明の為の施設となりそうです。
展示車両は、IONIQ5 の2WDと4WD。
車名が電子タバコ(IQUOS)や、歌手・伊藤ゆみの旧芸名(ICONIQ)に似てますね(苦笑)
ベースグレードで車輛価格479万円ですが、装備により519万円・549万円(総革内装)、そして4WDで589万円という設定。ファミリーカーとしては高く、高級車としてはエントリーレベルという、絶妙なところに持ってきました(電気自動車ですので何某かの補助金対象かと思われます)。レクサスでいうと、NXクラスですかね。
ボディサイズは全長464×全幅189×全高165cmというミディアムサイズ。
レクサスNXが全長466×全幅187×全高166cmですから、やはりそのクラス狙いかもしれません。
フロントマスクやリアビューは、長方形のLEDを用いて近未来感を演出。ちょっとクセありますが、台数さえ売れればすぐに見慣れるかもしれません。
ただ、ボディシェイプに既視感が…
なんだろう?
確かに昨今のSUVブームの中でこのサイズのデザインはどれも似たり寄ったりになりがちですが、何か懐かしいイメージを感じる。
もしかして、大きさは違うけど初代ゴルフ?
と思いながらカタログを眺めていると、次のような表記を発見!
なるほど、ジウジアーロですね。
それで、初代ゴルフや、いすゞ117クーペやピアッツァの匂いを感じるわけです。そのジウジアーロデザインを今風かつ電気自動車として解釈し直した、素晴らしいデザインだとは思います。
その他いろいろ特徴がありますが、1つは完全にフラッシュサーフェス化された『オートフラッシュドアハンドル』。
レンジローバー等でも採用が進んでいる形状ではありますが、もはやドアハンドルではなく、ドライバーが近づくと握りバーが出てくるタイプ。確かに近未来的ではありますが、デザインと空力優先で、慣れるまでちょっと扱いにくい(苦笑)
もう1つは、運転席の2枚の巨大なディスプレイパネル。
テスラが上陸した時に、iPad並みの巨大なタブレット型ディスプレイが話題になりましたが、こちらは12.3インチカラーLCDディスプレイを2枚並べてあります。
もはやメーター等の計器類はなく、パソコン画面を見ながら運転する感覚ですね。
という訳で、5月に日本国内でのネット受注が始まり、7月にデリバリーが始まるヒョンデの電気自動車。
輸入車といえばドイツ車崇拝が強く、隣国韓国との関係がなかなか難しい日本市場で、どのくらいの旋風を巻き起こせるのかがちょっと楽しみではあります。
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