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知っておくべき著作権

ここ数日、尾崎豊さんのファンの間で「著作権」という言葉が話題というか問題になっています。

著作権問題というのは非常にセンシティブ(←横文字かっこいい!笑 意味としては「取り扱いに細心の注意を要するさま」)なものですが、僕としては率直に喜ばしいことです。

尾崎豊さんの没後25年の年である2017年から「尾崎豊追悼企画」としてバンド活動を開始してから、最初にぶち当たった壁が「著作権」等の権利問題でした。一瞬は、もうバンド計画を辞めたくなるくらいとても大きな、難しい問題でした。2017年当時、ありとあらゆる著作権に関する専門機関や専門家に片っ端から電話をかけたりメールを送ったりして(数十件)、どういうふうに活動していけばよいか模索しました。そこで学んだことが、いま沢山の方が悩んでおられることに対してお役に立てばとても嬉しく思います。

ただ僕は自分の置かれている環境ゆえに勉強を重ねてきただけであって、法の専門家ではないですし、権利の問題は様々な事象が非常に複雑に絡み合っている場合も多くあり、ケースバイケースですので、ご自分で何か思い切った行動をされるときには著作権等を得意をされている弁護士にご相談されることを強くお勧めします。
原則として著作権等は「こういう考えです。」ということを僕なりの言葉で、大好きな尾崎豊さんの作品に当てはめた事例を中心にお伝えします。(お詳しい方、どしどしコメントください。間違いがあれば訂正いたします。)

そして、この記事では
「インターネットにおける著作権法の考え方」を中心にご説明します。

大前提として

インターネットに著作物をアップすることは

本来すべて著作権者に許可を得ることで

初めて可能な行為


疑わしきは行わず

だと思っています。

それでは、以下からそれぞれの権利について僕なりに解説していきます。

まず、著作権には大きく二つ

・著作権(財産権)
一番よく聞く名称です。そうです、著作物というのは、アーティストにとっては財産なのです。アーティストの作品が著作権によって守られていなければ、盗作とかし放題です。アーティストが命を削って創り上げた作品を簡単に横取りしてお金を稼ぐことができます。たまったものじゃありません。
尾崎さん関連では主に、楽曲そのものや歌詞、写真などが著作物の中心になります。写真については尾崎さんの写真を撮っている撮影者のカメラマンさんの著作物になります。
財産権というくらいですから、無許可で営利目的に使用してはいけない(←ココ大事!!)というのが主な意味になるかと思います。
ただし、極論みたいになりますが、無許可で営利目的に利用したとしても、それを知った著作権者が「お!私の著作物使ってお金儲けしてるやん!!ええよええよ!やってやって!」ってなった場合は問題ないです。
そこらへんが、ちょっと難しいところかなと思います。
でもやっぱり、疑わしきは行わずです
また、著作権とは別に、「著作隣接権」という権利もあります。それについては記事の後半Q&Aで触れますのでご覧ください。

ちなみに、2018年の法改正で、著作権の保護期間が著作者の死後50年から70年に延長されています。

・著作者人格権
著作物の創作者である著作者が精神的に傷つけられないよう保護する権利の総称です。アーティストの「名誉」や「作品への思い入れ」を守る権利です。
この権利は著作者の死亡によって原則的には消滅しますが、著作者の死後も一定の範囲で守られることになっているようです。
要するに、著作物を利用して名誉棄損になるような、アーティストの人格を著しく批判するようなことをしたらダメですよ(←ココも大事!!)
ということだと認識しています。

この次に大切なのが

・複製権
複製とは、作品を複写したり、録画・録音したり、印刷や写真にしたり(←今の時代、スマホが普及しているので一番多いかなと思います)、模写(書き写し)したりすること、そしてスキャナーなどにより電子的に読み取ること、また保管することなどを言います。
公式のもの、自分で購入した写真とか本を自分が見たり聞いたりできる範囲では複製権違反にはなりません。
昔から、買った音源をパソコンに入れて自分の好きなリストを作って自分だけのお気に入りCDを作る!みたいなのありますよね、そういうのはOKです。
(ただし…限定的な例外ですが、複製権は「個人的」または「家庭内その他これに準ずる限られた範囲」で使用することが「私的使用」とされていますので、会社でのプレゼンでの用意として複製することは、結果的にプレゼンを行わなかったとしても、複製した目的が「私的使用」とはならないので注意です。ムズっ!)
一応、私的使用のための複製について、元の条文の一部を掲載しておきます。

(私的使用のための複製)
第三十条 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。

・公衆送信権(著作権の一部)
不特定多数の人が見られる媒体で著作物を勝手に使ってはいけないよということです。この記事もまさにそうで、不特定多数の人が閲覧できるので、無許可で他人の著作物を掲載することは一切できません。
ですから、友人同士の立ち話などやSkypeなどでのネット通話(特定少数の場)で尾崎さんの著作物に関して話すことは著作権侵害にはあたりません。そんな、友だちと好きなアーティストの話もできないようなのは、危なすぎる社会です(笑)
今の時代にあてはめれば、公衆送信権というのは、「ネットには気を付けよう」。
そういうことだと思います。著作物に限らず、ネットというのは匿名で不特定多数の方から閲覧可能なので、不用意な発言や行為はトラブルの元です。
ネットが急激に発達してきているいま、著作物についてもそうですが、それ以前にネットリテラシー(インターネットを正しく使いこなすための知識や能力)について僕たちはもっともっと勉強して気を付けなければならないでしょう。

あと、知っておくべき言葉としては

・肖像権
肖像権というものの、法律で明文化された権利ではないので、ちょっと影は薄いです。
とはいうものの!!
本人死亡後の肖像権の存続期間については、制定法に基づく権利ではないため、通説的な見解が確立するには至っていない
です。
その分、著作権は保護期間が現時点では著作権者の死後70年と定められていますが、逆に肖像権は半永久的に権利が遺族に存続するといってもいいです。
肖像権にはプライバシー権パブリシティ権があります。
前者は著作人格権と性格が近く、後者は著作権(財産権)と性格が近いです。
有名人の完全なプライベートを撮影して晒すとか、勝手に営利目的で使ったりすることがダメです。(肖像権は有名人でなくても、全ての一般人に適用されます。それは、著作権・著作人格権においても同様です。)
尾崎さんの場合は亡くなっているので、前者は尾崎さんの生前に隠し撮りをしていない限り不可能ですから、基本的に後者に気をつければいいだけです。亡くなっていても、個人で撮った写真だったとしても(カメラマンの著作権に縛られていない画像)、有名人の肖像には強い集客力があるので、勝手にお金儲けに使わないでね、というお話。

”著作権侵害は犯罪”という認識をもつために知っておくべき言葉としては
親告罪
親告罪とは、告訴がなければ公訴を提起することができない犯罪です。
簡単にいえば、万引きなどは行った時点で窃盗罪が適用されますが、著作権侵害というのは親告罪といって、「主に著作者から申し立てが無ければ罪として成立しない」という内容になっています
昨今では、ネット上に多く著作権侵害の可能性が高いものも見受けられますが、罪として挙げられていないのは、親告罪であり、著作権者から著作権侵害の申し立てがないからです。
しかし、著作権侵害に関して国際的には日本以外で親告罪を採用しているのはドイツとオーストリアで、欧米各国では親告罪としている国は少ないです。ですから、そんな流れを受けて日本でも著作権侵害を非親告罪化する話し合いは進められているそうです。
やっぱり、著作権侵害に関しては今の内からしっかり勉強しておいた方がよいですね!

それでもし、著作権者から告訴があった場合…
犯罪なので、やっぱりそう簡単には逃げられません。
(でも、悪質でない限り、ほとんどの著作権侵害は「削除の申請」に留まると思います。申請があれば、きちんと謝罪したうえで削除しましょう。)
著作権者は「発信者情報開示請求」(←長い!理科で習った「初期微動継続時間」みたい!)などと言われる法的制度を使って違反者を追跡することができます。
潔く、申し訳ありませんでした。今後は致しません。と謝罪したうえで、請求された賠償金を支払いましょう。
なんとか逃げよう!と思って掲載した著作物やアカウントを消したとしても、著作権者の姿勢や証拠によっては「発信者情報開示請求」を用いてサーバーを追跡して住所等を解析することができます。
開示請求に対してはそれを拒否することもできますが、そうした場合、著作権者にとっては心象がより悪くなってしまうでしょう。そうなった場合、民事ではなく、刑事にまで発展してしまう恐れもあるので注意が必要かと思います。
「え…怖い…」と思われるかもしれませんが、本当に怖いものなんです…。
時代も令和となって、技術や法は益々発展し、そんなこともできるのが事実なので仕方がありません…。
※ただし、もちろんのことですが、著作権侵害として正式に違反者に削除の要請をしたり、賠償金請求や告訴ができるのは著作権者のみです。
第三者は注意喚起すること(
やめたほうがいいと思いますよ。等々)や、著作権者に通告・通報はできても賠償金請求や告訴をすることは絶対にできません。もし、著作権者でもないのに「賠償金を支払え!」なんて言ってきたら、それは詐欺です。十分に注意してください。
(また、犯罪行為を擁護した場合には、被害者である著作権者への侮辱として、場合によれば民法上の不法行為とされる可能性があるようです。ご注意ください。)

引用
たまに、というか、けっこう勘違いされているのが「引用」です。
「出所と著作者名を明示すれば歌詞や写真を載せても大丈夫」とだけ認識されている方もいますが、そんなに簡単にはいきません。


著作権法 第三二条で
公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

とありますが、難しいですね・・・。
僕が認識している限りでは、たとえば論文とか、自分の主張したいことに関して本文があり、それを具体的に補填するために一部著作物の出所と著作者名を明記して、あくまで補助的に使うこと。だと思っています。
ですので、
「尾崎豊の歌ってイイよね!」の一文に
写真をドン!!!!
なんてのは、「引用」にはなりません・・・(笑)
文より写真がメインになってますからね。

うーん・・・ややこしいですねえ・・・なんだか考えていると頭が痛くなりますねえ・・・特に現代はネット上に情報がゴロゴロ転がっていますから、何を信じていいのかも難しいものです。

信じろと言ったり 信じるなと言ったり
尾崎豊 『COLD WIND』より

尾崎さんの言うように、そうやって人の世は難しいものです。


↑これが「引用」です(笑)


これくらいを押さえておけば大抵は大丈夫かなと思います。


以上を踏まえて、僕は著作権法の在り方についてはかなり賛成寄りです。

とにかく

名誉棄損になるようなことをしないこと

無許可で営利目的で使用しないこと


この二つは最低限押さえておかなければならないでしょうね。


著作権法がアーティストの邪魔をして、作品が広まらなくなるということはほとんどないと思います。そんなネガティブな法ではなく、ポジティブな法だと思います・・・。また、著作権法を「大人の事情」と一言で片づけるのも、あまりにも安易すぎると思います。
著作権については世界的にベルヌ条約制定など、19世紀、1800年代後半頃から本格的にフランスなどで大きな動きがあったようですが、そのフランスの大文豪である『レ・ミゼラブル(1862年)』を制作したことで知られるヴィクトル・ユゴーは今年で死後136年経ちますが、彼の作品群は今も尚、世界中で愛されています。ユゴーの他にも死後何十年、何百年経っていても世界中で愛されているアーティストはたくさんいます。
尾崎さんの作品群が、著作権法によって忘れ去られることなんてないと思いますよ・・・。
逆に、アートが好きなのに、「著作権法なんて知ーらない」という態度の方が恐ろしく、尾崎さんの作品群に対して無責任で、ファンとは呼べないんじゃないかとすら思ってしまいます。ちょっと言い過ぎかもしれませんが、僕自身、尾崎さんに絶対に迷惑をかけたくない、クリアで居たい(著作物に関して社会に迷惑をかけるということは著作者に迷惑をかけるということ)と思ってがんばって法を調べて守ってきた人間からすると、そういう方々に対してあまりにも腑に落ちないというか、悔しささえ覚えてくるときがあります。マトモに活動してるのが馬鹿々々しくなっちゃうときがあります。ちょっと愚痴っぽくなってごめんなさい。


あとは、皆様から頂いたコメントや見かけたコメントを、お名前を伏せて一問一答形式でいくつかご紹介します。

(いくつかって言ってもけっこう多い!)

・Q.替え歌なら大丈夫でしょうか
 A.友人同士の面と向かっての会話とか、ネット通話など特定少数の場なら大丈夫です。営利目的、名誉棄損にあたるようなら、もちろんアウトで、判例もあります。Twitterやブログ等不特定多数の人が閲覧できる場に替え歌を発信すると公衆送信権に触れます。

・Q.Twitterも含めて、相当の方が歌詞や写真を無許可で載せていますが、それはダメな事例ですよね。もし、ダメだとすれば日本中の人が違法者だらけですよね?
 A.もちろんダメです。そして、その通り、違法者だらけです。アートが好きなのであれば、知識をしっかり身につけなければなりません。知識を身につけることがアート業界においてファンの道徳とすら思います。
恋人同士だってそうですよね、「好き」だけではいけません。色んな社会での知識を身につけて、道徳や倫理を学んで、大切にしないとダメですよね(偉そうなこというな笑)。
多くのアーティストもそういうファンとの温度差に苦悩している部分もあると思いますし(といっても著作権とか知ってもらうの大変・・・)、これからの時代は益々、「芸術を好きになる入門」として著作権等についてファンが学ぶべき時代だと思っています。
芸術に対して認識の高い世間になっていくためには、やっぱり一人一人の意識改善、草の根の運動かなと思います。

・Q.そのうち会話の中で歌詞を口にするだけで、著作権侵害に当たるから金を払えなんてことになるんでしょうか。
 A.なりません。他と重複してしまいますが、公衆送信権としての問題が大きいです。不特定多数の人から見たり聞いたりできない場所でのファン同士の会話まで抑制されるなんて、あまりにも危険な世の中で、著作権法にそのような力はありません。あくまでも、名誉棄損にならないこと、無許可での営利目的で使用しないことが大切です。井戸端会議的な会話であれば何の問題もありません。
著作権法も大切ですが、同時にネットリテラシー(インターネットを正しく使いこなすための知識や能力)も大切です。

・Q.天国の尾崎豊さんは著作権法によって縛られることを望んでいるのでしょうか。
 A.死人に口なしですので、誰もわかりません。
ただ、尾崎さん本人は、弁護士であるお兄様が舌を巻くほど著作権法に詳しかったというお話を聞いたことがありますし、何より音楽業界に実際に身を置いていたプロのアーティストですので、著作権法についてはかなり詳しく、あまり異論はなかったのではないかと、僕自身の勝手な憶測ではそう思います。

・Q.ある曲について「曲名」そのものをTwitter等でつぶやくのはどうなのでしょう。またSNSでは、たとえばアーティストの「〇〇さんの〇〇という曲の〇〇っていう歌詞、素敵ですよね」といった話題をだしてはいけないのでしょうか。
 A.「曲名」は固有名詞ですし、曲のタイトルには著作権はありません。曲のタイトルに著作権が認められてしまうと、極端な話、「明日で高校も”卒業”なんだよね」という一般的な文言すら違反になってしまいます。また、「歌詞にも著作権がある」と書きましたが、それは”歌詞を歌詞のまま、歌詞だけをネット上に書く”ということに対してで、「”世間知らずの俺だから”、まだまだ仕事で失敗が多いんだよね」という文をTwitter等で書いたとしても、著作権法違反とはあまりにも考えづらいです。
仮に親告罪として著作権者が、「それは私の作品の歌詞にあるから使用しないでくれ」と告訴してきたとしても、「社会通念上、一般に使用される言葉である」と判断され、かなり高い確率で、著作権者は負けます。
でも、「バンド名とか作品名が同じだ」ということで訴訟になった話は聞いたことがあります。特にアメリカなどは訴訟社会なので結構あったりするようです。

・Q.YouTubeは、アーティストのカバー弾き語りとかアップしても問題ないですが(YouTubeがカバー動画OKの理由は最後の質問に詳しく書いてあります。ご参照ください。)Twitterはどうしょう?
 A.YouTube・ツイキャス・TikTokはJASRACと包括契約しているのでOKで、Twitterはダメです…。ただし、OKの3媒体からのTwitterへのURL引用は大丈夫です。(YouTube等でも、動画そのものが違法である場合はもちろんURL引用も違法です。)
それでもどうしてもTwitterに直にカバーをアップしたい!という場合は最後の手段があります。「JASRAC」に楽曲使用料を支払うという手段です。非営利と営利目的で値段が変わってきますが、一曲あたりいくらと決まっていて、一連の手続きを済ますと正式にTwitterにあげられます

・Q.加工して投稿した写真などもダメなのでしょうか?
 A.そもそも、記事で何度も触れている通り、著作物にあたる画像をTwitterなどにアップする行為は「複製権」と「公衆送信権」という権利に違反しますが、写真を加工した場合には、"著作物の改変"として「同一性保持権」(いっぱい権利あってややこしい…)という権利に違反してしまいます。
画像を加工してアップするのは場合によれば更に悪質性が増す可能性があるので注意してください。

・Q.雑誌の表紙やCDのジャケット、ポスターをアップするのはどうでしょうか?
・A.結論的には、基本的にはやっぱりダメです…。
ただ、この場合は大事な一つの概念があります。
それは「表現上の本質的な特徴が同一」というもの。
ちょっと難しいので、例を載せます。

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僕が今年の尾崎さんの命日に撮った写真です(プライバシー保護のためモザイクを入れています。)。
左は僕の飼い猫(可愛いですね~)、右が尾崎さんのポスターです。
「表現上の本質的な特徴が同一」というのは、僕なりに簡単に言うと、「そっくりそのまま載せること」だと思います。
この僕が撮った写真の本質は「尾崎豊のポスターをそのまま載せること」ではなくて、「猫がポスターの尾崎さんと同じポーズをとってるよ!」っていう「景色」ですので、表現上の本質的な特徴が同一とはあまりにも考えづらいです。だから、ポスターを飾った自分の部屋の写真とかも、写真の本質が「自分の部屋」なので大丈夫です。
もし、どうしても、雑誌の表紙やポスターをそっくりそのまま載せたい!という場合は、方法は二つあるかと思います。
一つは、出版社に問い合わせて、写真を掲載しても良いか尋ねて許可を得ること。
もう一つは、公式サイトのURL引用や、Amazonなどの販売サイトからのURL引用です。少しだけ手間ですが、しっかりクリアに掲載するためにはそれくらいの手間は惜しまなくてもいいかなと思います…。

 Q.カラオケで歌った音源や動画を載せるのはどうですか?
 A.「カバー音源についての質問」でお答えしたように、JASRACと包括契約を結んでいる媒体でのカバーはOKですが、「カラオケ」に関してはカラオケ音源に著作権とは別物の「著作隣接権」(また新しいやつ!!)という権利があります。
「著作隣接権」とは、著作物の創作者ではありませんが、著作物の伝達に重要な役割を果たしている実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者に認められた権利です。カラオケ動画投稿は音楽の著作権以外に著作隣接権が絡んでくるため、インターネットへのアップは原則できないのです。ネット上にはおびただしい数のカラオケ動画が出回っているため勘違いしてしまいますが、カラオケ機器メーカーの第一興商は1年間でYouTubeだけで12万件の削除要請をしたりしてます…。
ただし、カラオケメーカーによっては、カラオケ店から正式に配信できるサービスを行っているところもあるので、どうしてもカラオケを配信したい!となった場合はそういったサービスを利用するとよいでしょう。

・Q.ではでは、鼻歌はどうなんでしょうか…。
 A.鼻歌はなかなか難しいところです。
著作権法第22条によって「著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として上演し、又は演奏する権利」を有していますが、鼻歌は聞かせることを目的としている、と考えるのは非常にまれなケースだと思います。
「俺の鼻歌を聴いてくれ!!曲は、尾崎豊の『15の夜』!」(どんな状況)、と不特定多数に聴かせる目的で披露したり、それでお金儲けをしたりするとダメになっちゃいますね…。
そんな状況はまず無いと思いますから、鼻歌に関してはそんなに身構えなくてもいいのではないかなと思います…。


・Q.え、僕ってネット(YouTube)にカバー動画あげてますよね。著作権的に大丈夫なの?(自問自答形式です笑)
 A.グーグルが運営する動画共有サイトYouTubeは、社団法人音楽著作権協会(JASRAC)と楽曲に関する包括的な利用許諾契約を締結しているため(JASRAC以外の音楽著作権管理事業を行っている会社としてはNexToneなどがあります。)、原則、楽曲のカバーと歌詞の表示に何ら問題はありません。
ですが、JUSRACが管理していない楽曲については難しく、僕はカバーの度にJUSRACのサイトで管理状態を確認しています(確認方法が知りたい方はご連絡ください。)。
むろん、ご本人の音源や動画アップは違法です。また、カバーであっても、写真には音楽以外の著作権が発生しているため、カバー作品に尾崎さんの写真を使用することは許されません。
イラストなど、二次的創作物に関しては悪質なものでない限り著作権法での取り締まりは極めて難しいです。


最後に、やっぱり、著作物を扱うときは著作権者に許可を取ることが大切で、前提だと思います。本当に年々厳しくなってきています。
著作者の中には、自分の著作物が無断で公開されていても、それに賛同してくれる方もいらっしゃいますが、許してくれたり賛同してくれたりしても、それは結局、結果オーライでラッキーなだけです。
「でも、著作権者が亡くなっていて、今誰に権利があるのかわからないし・・・」など著作物の利用許可が得られない場合には、「供託」という”通常の著作物の使用料に相当する補償金を預けておいて、適法に利用できる制度があります。「供託」を検討される場合は、「著作権者不明等の場合の裁定制度」に関して文化庁に問い合わせてみてください。


ああ…
著作権、というか法律っていうのは本当に複雑で難しいものですね…。
でも、犯罪は「知らなかった」では済まされないことがほとんどですから、時間をかけて勉強していきましょう。僕ももっと勉強していきます。
見慣れないものや馴染みのないものは、最初は理解に苦しんだり受け入れるのに抵抗があったりしますが、長く気にかけていると段々と慣れてくるものです。
好きなことや生きがいと長く平和的に寄り添っていくためなら、努力を惜しむことではないと思います。


長くなりましたが、音楽を愛する方々、尾崎豊さんを愛する方々の音楽LIFEのお役に立てる内容になっていれば幸いです。重ねて、有識者の方々に間違いや追加すべき情報などがあればご教示いただけると幸いです。
尾崎豊さん、I Love You
(曲名が二つ出てきたけど、オッケーやで笑)

※このnoteにもコメントできますので、何かご質問がある方はお気軽にコメントくださいね。僕のわかる範囲でお手伝いできればと思います。


令和3年9月4日作成
同年9月12日改訂



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