白木 静 -Shizuka Shiraki-

尾崎豊さん没後25年、2017年4月25日に結成したThe es bandで歌っていま…

白木 静 -Shizuka Shiraki-

尾崎豊さん没後25年、2017年4月25日に結成したThe es bandで歌っています。 将棋や文学、絵画も好きです。

最近の記事

前橋汀子〜ヴァイオリンとカチューシャと〜

前橋先生のこと 僕が前橋先生のヴァイオリンを初めて聴いたのは、意外と遅く、3年前のことだった。 というのも、ヴァイオリンが好きでありながら、前橋先生のことはほとんど存じ上げなかったからだ。 そんな馬鹿な僕に先生の偉大さを知るきっかけを与えてくださったのが、同じくヴァイオリニストの農頭奈緒先生。そう、僕にヴァイオリンの奏法を教えてくれた先生。 農頭先生は前橋先生に師事された素晴らしいヴァイオリニスト。先日、兵庫県立美術館でのコンサートに行って「やっぱ先生、上手いっすね!」と言

    • アリス=紗良・オット

      ~ECHOES OF LIFE~いま、買ったばかりのCDを聴きながら、この文章を書き始めている。 ”ECHOES OF LIFE” 世界的ピアニストの一人、アリス=紗良・オットの新盤である。 アリスさんの言う通り、日本語訳するのが難しい。 「人生のこだま」が最も適切だろうと、彼女は言う。 彼女の音楽に対するアプローチは深く、また人生観もいつまでも瑞々しい。 だから、言葉にするには困難を伴うが、自分の備忘録のために、そして皆さんが彼女の音楽に触れるきっかけになればという思いで書

      • 老紳士との思い出

        今日はちょっぴり切ないことがあった。 1か月半ほど前、クラシックの演奏会が大阪のフェスティバルホールで行われて、僕はある老紳士と出会った。 見出しのイラストのように、ハットをかぶって上品なステッキを手にした方だった。 コンサートの休憩時間、ホールの物販で僕はCDを眺めていた。 隣でその日の演目が収録されたCDを探している老人がいて、 「これは、今日の曲かな・・・。」と独り言のように呟いていたので、 「いえ、これは今日の曲ではないですよ。このCDはシベリウスのヴァイオリン

        • 知っておくべき著作権

          ここ数日、尾崎豊さんのファンの間で「著作権」という言葉が話題というか問題になっています。 著作権問題というのは非常にセンシティブ(←横文字かっこいい!笑 意味としては「取り扱いに細心の注意を要するさま」)なものですが、僕としては率直に喜ばしいことです。 尾崎豊さんの没後25年の年である2017年から「尾崎豊追悼企画」としてバンド活動を開始してから、最初にぶち当たった壁が「著作権」等の権利問題でした。一瞬は、もうバンド計画を辞めたくなるくらいとても大きな、難しい問題でした。

        前橋汀子〜ヴァイオリンとカチューシャと〜

          村山聖 生死を超えて、宇宙の彼方へ

          昨日、8月8日は夭折のプロ棋士、村山聖九段の命日だった。 僕は、この日のために村山先生が平成七年に将棋の専門誌である『将棋世界』に寄稿された『彼方へ』という名文を、なんとかポエトリーリーディング(ポエトリーリーディングとは、広義には詩を朗読するアート形態そのものを指す)という形で作品にできないか考えていた。思い立ったのは、6月頃だったと思うが、レコーディングの大変さは今まで嫌ほど味わってきたし、何よりプライベートが多忙で、他にも疫病の蔓延や著作権の問題、メンバーの協力など、

          村山聖 生死を超えて、宇宙の彼方へ

          撮影 大淀の街

          今日は11/29、尾崎豊さんの生誕55周年の日にYouTube投稿する僕のバンドの次回作に使用する写真撮影のために村山聖先生の愛された街へ向かった。『路上のルール』のときにお世話になったカメラマン、ヒロイさんとともに。 実は、この直前まで撮影は淀屋橋あたりで撮る予定にしていたのだが、僕の頭のなかで突然、大淀の街が浮かんできて、ヒロイさんに無理を言って撮影場所を変更点してもらった。 村山先生が、師匠の森先生と何度も歩かれた道での撮影は少し緊張した。 森先生は「この道を紙袋

          将棋

          僕は将棋を指すわけではない。 だが、もちろんルールくらいは知っているし遊ぶ程度に対局することはできる。 こんな人間も、”将棋人口”として数えてくれるのだろうか。 打ち込みたいと思ったことは何度かあったが、今までの人生では他に色々とやるべきことがあって時間を割くことができなかった。 いかにも凡人っぽい言い訳だ。 さて昨夜午後7時頃、この話題はもうすでに日本中を席巻しているから皆さんも十分ご存じのことだろうが、稀代の俊英棋士、藤井聡太七段が屋敷伸之九段のもつ最年少タイトル「18

          優しい陽射し

          疲れました。トップの画像の尾崎さんは写真に見えますが、天才人物画家ならかよこさんの作品です。騙されないでください。 動画の編集作業というのは、限りなく追い詰めてきます。 だって、企画から始まって、日程調整、練習、練習、練習、レコーディング、Mixの調整、そこに来てまったく別ジャンルの映像編集(映像ではないけれど)という作業。 とにかく歌詞打ちに本気を出します。 歌詞のコンマ数秒のずれで映像の感じが変わってくるんですね。 今回は、緊急事態宣言のためバンドで集まることができませ

          人生の意味

          ずいぶん月並みな言葉だけれど、今日だけは「人生の意味」としか言いようがない。 人は誰もが生まれては死んでいく。 その中で一体何を得るべきなのか、僕たちは一生懸命に捜して行かなければならない。たぶん、それを忘れた時、人間が人間ではなくなる。 人生を終えるとき、人は自分が歩んできた道のりを振り返ってどんな景色をみるんだろうか。 そして未来に、どんな理想を描くんだろうか。 今日は、僕の人生にとっては間違いなく、大きな節目になるに違いない。 人生の苦しみが顔をのぞかせたときから

          啄木

          お久しぶりです。 僕にとって大変な4月25日という尾崎豊の命日を目前にして、ヘトヘトになっています。 今夜はちょっと息抜きに文章を書きますね。 あ、僕のnoteをフォローしてくれてたAさんという方、「A」とかテキトーなアカウント名つけてる変な人なんかなーと思ってたら、あのお方ですやん!!笑 すごいお方ですやん!!笑 言ってくださいよ笑 さてさて、今日4月13日は『一握の砂』の作者、石川啄木の命日です。 尾崎豊と同じく26歳でこの世を去った天才的詩人です。 尾崎豊の父、健

          天使とデート

          金曜日、もちろん音楽紹介もしていきますが、映画紹介もしていこうかなーと近頃考えていました。 少し前に、イラストレーターの三宅さんと話をしていて、「僕は音楽・絵画・文学はどうしてもアートとして捉えてしまうから、映画は唯一ある種の娯楽として楽しめるものなんです。」って会話をしたことがあります。 年に何度かやってくる映画モードのときは月に30本近く観るときもあります。 まあでも、9割は息抜きに観てますけど、1割は無意識にアート的な面で参考にはしてると思います。追悼企画でやってる

          桜と雪柳

          今年も雪柳の花が咲いております。 今年は暖冬で桜の開花が早かったですが、例年は桜とともに美しく咲く雪柳の花が咲いております。 昨年は思い返せば恥ずかしきことの数々、僕は反省の日々を過ごしております。 ~寅さん風~ 桜はもちろん大好きだけども、雪柳の美しさが世論では埋もれてしまっている様な気がして気に食わない。 花言葉はいくつかあるけれども「愛嬌」がしっくりくる。 「やっぱり女は愛嬌やで!」って嘱託のおっちゃんがいつも言っている。 おっちゃん、僕もそう思う。 桜は花見

          エイプリルフールですね。写真の鬼灯(ホオズキ)の花言葉は「偽り」らしいです。ホオズキかなりおしゃれですけどね。フウセンカズラとか。 エイプリルフールは午前に嘘ついて、午後にネタバラシっていうのが本流?(本流ってなに笑)みたいです。 ものすごく意外に思われることが多いし大抵は信じてもらえないんですが、僕は”常に堅い空間”というのが苦手なので、というよりも少しでも面白い空気にしないと気が済まないタイプなのでせっかくエイプリルフールだしなんかかまそうかと思いましたが特にそんな場面

          今更ながらわがままな私に さだまさしさん作詞作曲で山口百恵さんが歌ったことで有名な『秋桜』の一節です。 トップの写真は僕らのバンドに力を注いでくれたMichi Tomitaさんによるものです。 今更ながら有村架純が可愛いなと思っている僕は唇を噛んでいます。 もしもお目にかかることができたら、「川西能勢口までよく遊びに来られてたんですよね!」ってローカル話で花を咲かせたいなと思ってます。 すぐに枯れるかもしれませんが。 僕は小さい頃から花が好きで、小学生の時からホーム

          死の夢

          最近、なんとも言えない妙な夢を見た。 それはほとんど”幽体離脱”のようなもので、自分の”心”とか”生命”みたいなものが完全に自分の身体を離れていって、残されたその”自分の身体”をただ見ている夢。 ただ、その時僕が見ていたものは、はっきりとした身体ではなくて、とても抽象的なものだった。目を凝らしてみてもはっきりは見えなかった。 黒い、というより光が無くてただその物体を見れなかっただけかもしれない。ぼんやりと見えるそれは捉えようのない歪(いびつ)な形をしていて、常に形を変化させ

          エメラルドグリーン

          わたしの手を握るあなたの力の健康さよ 僕はこの一節を知った時の感動を今でも鮮明に覚えています。 この神がかった詩を生み出したのは、画家・彫刻家・詩人などマルチな才能をもったアーティスト高村光太郎です。 収められているのは、かの有名な『智恵子抄』※1のなかの一つ、彼の最愛の妻であった智恵子さんが病床に伏し、息を引き取る寸前から死の瞬間までをその稀有な才能の眼(まなこ)を通してみつめた詩歌『レモン哀歌』です。 死の寸前、弱りきった身体で、夫である光太郎の手を握る様を、その

          エメラルドグリーン