出鼻を挫かれたのと、挫かれなかった場合の話
「今さらなんですけど、カプチーノやらないのって拘りですか?」
昨日、常連さんが恐る恐る尋ねてきまして。
この店主はどこに地雷があるのか分からないと思っているのかな。
僕が怒る事なんて滅多にないのに。
(遠い目)
「言われたら作るよ」
なんの拘りも感じられない返事をしたら、じゃあなんで。という話になり。
「カプチーノとラテの違いって知ってる?」と、聞くと、意外や意外知っていたせいで、僕は出鼻をくじかれたのです。
だから、これからifの話を書こうと思います。
知らないでしょ?
でも、カプチーノという言葉は知ってるでしょ?
だから訳も分からずカプチーノを頼む人が一定数いてね。
なかにはラテとカプチーノで延々と悩みだす人がいるのよ。
でも、原材料は一緒でさ。
ミルクとエスプレッソのみ。
違いは、泡の量だけ。
だから、その二択で悩んでる人を見たら、ちょっとかわいそうというか。
双子のどっちがタイプかを悩むようなもので。
この例えはちょっと違うか。
そこに拘る人ってどれぐらいいるんだろうと考えると、きっと少なくて。
それなら選択肢を減らしてあげたほうが親切だと思ってさ。
あとね、カプチーノはミルクを温めないと作れないから、ホットしかないの。
それでね、前の職場では夏に注文が入るとわざわざ聞く事があって。
「カプチーノはホットのみですけど大丈夫ですか?」と。
このやり取りが嫌いでね。
知ってるお客さんは馬鹿にされてると感じるかもしれないし、知らないお客さんも少し恥ずかしいでしょ。
あと、心のどこかで「知らないのに頼むなよ!」と、悪魔が囁くんよ。
すると、天使が「そんな事は言わないで、お客様は神様よ」と。
そんな話はどうでもいいか。
カプチーノがどうしても飲みたい人はメニューに載ってなくても頼んでくる。
多分、ラテと原材料が変わらない事を知ってるから。
だから、載せてないだけだよ。
俺もカプチーノに対して思い入れがある訳でもないしね。
エスプレッソドリンクを提供しといてこんな事を言うと、同業者に何を言われるか分からないけど。
ただ、同業者の評価はどうでもいいからな。
でも、フラットホワイト。
あいつはいけねえ。
知ってる?
知らないよな。
俺もちゃんとは知らないんだよ。
自分が経験してきてない事で、これが美味しいという分量も分からないから、作れないんよ。
なのに、たまにくる「俺、コーヒー詳しいから」という人の中に、言ってくる人がいてさ。
「フラットホワイトで」と。
そもそもメニューに載ってないものを頼むなよと思うし、カプチーノを頼む人には感じられない何かが鼻につくんだよね。
そんな人にさ、
「どういったものか教えてもらってもいいですか?」
と、聞くと、
「いや、ちゃんとは分かりません」
と、答える人がほとんどでさ。
分からないものを雰囲気で頼むな!と、一喝する事があったり、なかったりね。
以上、ifの話でした。
常連よ、出鼻を挫くな。
あれは知らないと言うべき所だったぞ。
知ってても間違えるのが優しさだったりもするんだぞ。
何の話だっけ。
カプチーノが飲みたい人は、お気軽にどうぞ。
フラットホワイトが飲みたい人は、近隣店舗をご紹介します。
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