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「知らない」と「知る」をどこまで楽しめるか

12月、私は疲れていた。

仕事がどうにもうまくいかない。
というか、会社が組織としてうまく機能していない感じがとても気持ち悪く、その状態に疲れていた。

こんな時こそ、本屋という、自分の好きなものに貢献したい。
仕事はうまくまわっていないけども、何かに貢献していると思いたいのです。

そして買ったのがこちら!はいどん!!

サグラダ・ファミリアの建設はゆっくり進む。
なぜなら、私のクライアント(神)は、完成をお急ぎではないからだ。
アントニウス・ガウディ

「Casa BRUTUS ガウディと井上雄彦」

ガウディ△!!

サグラダファミリアのような大きなプロジェクトを見て、自分を省みたのです。

こんな小さなことがうまくいかないからって、それに囚われていたら、もったいないですよね、ガウディ先生!!


小さなことがうまくいったり、いかなかったりを積み重ねて、実直にやっていくことが大事なのではと、雑誌をめくり、きれいな建築物に癒されながら思ったのです。

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私がこの雑誌を買ったのには、もうひとつ理由があって。
「ガウディとサブラダ・ファミリア展」が名古屋であって、行く予定をしていたからです。

う、うぉー!!

いつものごとく、全然何にも知りません。
美術館に入る前に、一緒に行った友人に「サグラダファミリアってどこにあるの?」と聞いたくらいです。
基本的に「よく知らないけど行く。てか、よく知らないから行く」なのです。
こちらが私の鑑賞スタイルになります。今回も近い動きをしています。

感想はこちらです。

・うわ、この建物かっこいい!!
・細かいタイルってきれいだな。
・展開図がきれいだけど、それよりも消しゴムの消し跡の方が気になるな。この消したものはなんだ?
・「ファクシミリ」って、あのファクシミリ??
・ここの家賃っていくらなんだろう?
・「グエル」はパトロンの名前。あれもこれもグエルのおかげだよ
・なんだこれ!!これが、え?あの形になるの?!ガウディどんな頭しとんの!?
・立体をイメージする力が低すぎて分からん!どゆこと?(友人に聞く)
・職人にも分かるって、おもしろ!めっちゃ大事!そうなんすよ、ガウディ先生!!
・これは収入印紙かしら?10セントって書いてある
・サグラダファミリアって、そういう意味なん!?ねぇ知ってた?(友人は知ってた)
・うわー!こんな建設現場、かっけー!めっちゃ景色いい!たくさんの人が働いているんだろうな
・建設って、夢みたいな世界を作ることもできるんだ
・え?あんなところに文字書いてあんの?!めちゃポップやん!
・降誕の正面の柱の下にカメがいる…あんなデカい柱の下敷きになって、苦しそう!
・マルコの塔かわいい!!!
・サグラダファミリア…これは行ってみたいなぁ!!!!!!

「ガウディとサグラダ・ファミリア展」まめよしの感想メモ帳より

今回、行ってみてわかったのは、あれほど大きなものを作るのに、ガウディは検証を繰り返していたということです。
検証を重ねて、アレをアレしてるわけです。たくさんの人の手によって。

出来上がっているものばかりに目がいきがちですが、そこには検証や計算など、構想を形にする術と、思想が詰め込まれているんですね。

当たり前のことだけど、人って何かを見たり、どこかで聞いたりして、初めて「知る」のスタート地点に立てるんだと実感しました。

今回見たくらいで知れたことなんて、全体のほんの数ミリみたいなものだけど、それでも、素人なりに「知る」ことができたことで、世界はどれだけでも広くなるのです。

素人って、やっぱり面白い。
知るって、やっぱり楽しい。

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美術館から外に出ると、とんでもなく清々しい!
今日見たことをちゃんと覚えてなくてもいいと思えるほど、自由な気分なのです。

なんなら忘れちゃって、またどこかでサグラダファミリアの映像とか見て「うわぁーすげー!!」って言ってるくらいがちょうどいいのです。

忘れたらまた知れるし、そんな楽しい堂々巡りなんてのも、いいかもしれません。

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