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親以外の大人ができる、子育て未満のこと

先日、両親なしで、甥っ子と一緒に甲子園球場に旅行にいった話を2回に分けて書きました。

私はアラフォーで子どもがいませんが、叔母歴は10年以上になります。

甥っ子・球児くん(仮名)が生まれた頃から、保育や教育に少し興味があって、何冊か本を読みました。

その中で思ったのは、子どもは親だけで育てるんじゃないんだなということです。

何十万回とこすられた言葉ですが、実態はこの言葉通りになっていないというのが、本を読んだ感想でした。

だから、微力でも甥っ子姪っ子と接してみようと、小さい時にはよく一緒に遊びました。最初はアンパンマンの絵を描いたり、折り紙を折ったり、外で遊んでみたり。

仕事の疲れが溜まった土日に、子どもたちが遊びに来て、げっそりすることも正直ありました。

小学生になったり、コロナの影響でなかなか遊びに行けない時期もありましたが、その頃からぼんやり思っていたことがありました。

何か小さくてもやったことないことを経験させたい。

最初、夏休みの甥っ子たちに、私のうちまで電車で来てみてはどうだろう?と提案しましたが、やはり心配とのことで実現しませんでした。

それなら、私があげるお年玉全額を自由に使わせてみたい。
買い物も私が付き合って、いつもは買えないものを買ってみる経験はどうだろう?と提案しましたが、これも実現しませんでした。
(ちなみに、これはちきりんさんが毎年正月に提案しているものです)

そりゃ、私は単純に「経験」ということだけでいいかもしれませんが、親となると、いろいろ考えが複雑にあるので、仕方のないことです。

そこに今回の甲子園旅行の話が持ち上がったのです。

今まで考えてきたことを、やってみる絶好の機会でした。
そして、それは思った以上に、甥っ子・球児くんの成長ぶりを見られたわけです。
(詳しくは、「甥っ子と甲子園に行った話」を読んでみてください)

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旅行を終えて思ったことは、親ではない大人だからこそ、子どもたちにできることがたくさんあるんじゃないかなということです。

今回球児くんは、自分で新幹線の切符を買いました。
これは家族旅行では、なかなか難しかったと思います。

球児くんは3人兄弟の長子です。
もし、家族旅行で同じことをやろうとすると、下の兄弟たちも「自分のやりたい」となります。
これ、旅行の初っ端に何か起こりそうな予感が出てきません?

連れていくだけでも体力使うのに、3人それぞれに切符を買わせることは容易ではないと想像できます。券売機激混みになるし、違うボタン押しちゃうかもしれない。
(ネットでやってもらうという手もありますね)

また、両親だと常に一緒にいるので、きっと手を出したくなってしまうんじゃないかと思います。その子にやれそうなことを、よく知っているから。

その点、離れて暮らしていて、時々会う大人にとっては、何ができるのかよく分かりません。だから、簡単に本人に任せられる気がします。
子どもも、べったり頼れない緊張感みたいなものもあるかもしれません。

子育てとまでいかないこと。
でも、親じゃない大人だからこそできること。

それが、今回の旅行には詰まっていたんじゃないかなと。

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家族と離れてどこかに行くって、きっと大冒険なんですよね。

私がこう思うのは、自分の経験からです。
30年以上前、小学校1年生の夏休みに、ひとりで飛行機に乗って、石垣島の祖父母のところへ行ったことがありました。

今でも強烈に記憶に残っている出来事です。
(これはさすがにオオゴトですが、近い経験をしたら、きっと球児くんは面白いことになるんだろうなと、根拠のない自信があったんです)

そして、私のこの経験を最初に薦めてくれたのが、他でもない「親ではない大人」だったのです。(当時、両親が勤めていた会社の社長の奥さんでした)

それを知った時に、もしかしたら私にも、同じことができるんじゃないだろうかと思いました。そして、ワクワクしました。

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子育ては大変そうだなと、妹や友達を見ていて思います。
でも、子育て経験のない人が、「みんなで育てよう!」なんて言っても、おこがましい気がして言えないのです。
ここに、子どもがいる人といない人の間に溝があるんじゃないかなとも。

人によっては今回の旅行を「子育ては、そんな楽しいばっかりじゃない。親以外の大人と行くなんて。」と思うかもしれません。
なんなら、「普段のお世話の大変さは味わわずに、美味しいとこどり」と皮肉を込めたくなる人もいるかもしれません。

こどもは、命が懸かっています。
子育ては、にわかでは済まされないかもしれません。

それなら、「子育て未満」と位置付けて、子どものいない人たちがもっと子どもと関わることもありなんじゃないかなと思います。
もちろん、全ての家庭がそれをできるわけではないし、機会の不平等と言われればそれまでなんですが。

無責任に言えば、大人が子どもと触れ合う機会がもう少しあればなと思います。子どもが大人と触れ合う機会、ではありません。

私は今回の旅行で、球児くんを旅行に連れて行ったという感覚はありませんでした。一緒に楽しんで、なおかつバリバリ成長する姿すら見られたわけです。
大人にとってもいい刺激になるはずです。

異次元の少子化対策ならぬ、小次元の子育て対策。

あなたのまわりに、子どもたちはいませんか?

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