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『農テクノロジー×ストーリー』で自分なりの”文化”をつくる

今回はコンパクト農ライフ塾第7期
第7講座『持続可能な農テクノロジー論』の紹介です。


講師を務めて頂いたのは、世界初アグリバレー構想の仕掛人 こゆ財団 代表理事・AGRIST 株式会社代表の齋藤潤一さん。宮崎県新富町農家さんがつくるライチを「一粒1000円ライチ」としてブランド化するなど地域商社として活躍しながら、ハウスの隣に開発ラボを設置し最新テクノロジーを駆使したスマート農業の開発にも力を入れています。本講座では、人手不足をテクノロジーで解消するというような発想ではなく、自然環境を活かしつつコンパクトでより良いものを創り出して流通させていくためのテクノロジーについて学んでいきます。

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講座冒頭に齋藤さんが見せてくれた『896』という数字。
皆さんは何を表した数値が分かりますか?

これは今後消滅すると言われている自治体の数です。全国には1700程の自治体がある中で、その半分が少子高齢化や都市への人口集中によって将来的に消滅する可能性があると言われています。農業分野に関してだと、今後ますます耕作放棄地の増加や後継者不足が深刻化していくと懸念されています。


では笑顔とお金のバランスがとれた持続可能な社会を実現するためにどうしたらいいのか?講座の中で齋藤さん話して下さったポイントをいくつか紹介します。

1.『農ビジネスのポイントは、つくることよりも見つけること』


単にライチを食べたいという理由で一粒1000円ライチを買う人よりも、その周りにある「買って誰かに贈る」や「買って感想を写真と共に載せる」という”体験”を目的にして買う人の方が多いのではないでしょうか?1000円ライチの味が最高に美味しいことは大前提として、販売する時に大切なのはライチが出来るまでのストーリーや背景を辿り、見つけること。それこそがマス向けではなく、自分が届けたい人にきっちり届け、コンパクト農家として成功するポイントだと語ってくださいました。


1粒1000円ライチ

2.『テクノロジーはあくまで”手段”、根本にあるビジョンを常に意識する』


こゆ財団でのプロジェクトを通して色んな農家さんと関わる中で、齋藤さんは労働力不足や高齢化によって不可かかっている現場を沢山見てきたそう。そこでAGRIST 株式会社では、他の農業ロボットより安価に購入でき、収穫など人手がいる大変な作業を一部補えるような農業ロボットを積極的に開発しています。このようなロボット開発に力を入れる理由の根本を辿ると、そこには齋藤さんをはじめとするこゆ財団の方々がこれまでずっと大切にしてきている『100年先も続く農業を実現する』というビジョンがあります。自分たちのビジョンや目的達成のために、手段としてテクノロジーを最大限に活用することが大事だと教えてくださいました。

他にもシェアしたいポイントが沢山あるのですが…長くなってしまうので今回はここまで。続きが聞きたいという方は次回齋藤さんが登壇される際に、コンパクト農ライフ塾を受講してみてくださいね。


次回は、アスリート系NEW農村リーダー 河野 健児さんに担当いただいた第8講座『サスティナブル兼業農家論 』の紹介です。アルペンスキーのレーサーとしてナショナルチームでも活躍した経験をもつ河野さん。現在は地元長野の野沢温泉村で、一日一組限定のTREE CAMPやSUPツアーを企画一し、年を通して自然の中に身を置き、アウトドアスポーツの魅力を発信されています。山奥の小さな農村で、メインビジネス、サブビジネス、地域社会活動を同時並行させるプロの農ライファーから、仲間や家族と心豊かに生きていく術を学びます。

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