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人間が使っていない物を価値に変える「持続可能な放牧酪農」

先週あたりから、急に秋めいた気温になってきましたね。

さて、今回はコンパクト農ライフ塾第7期
第5講座『コンパクト農業~畜産編~』の紹介です。

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講師を務めて頂いたのは、森を大きく活かす小さな酪農家 森林ノ牧場代表 山川 将弘さん。森林ノ牧場を通して、「田舎に暮らす」をつくるという事を大切にされている山川さん。「牧場で取れる牛乳や乳製品はもちろん、牛がいる牧場の景色やその周りの自然も含め、まるごと楽しんでもらいたい。」そういった想いから、牛が牛らしく自然に近い状態で生活できる放牧酪農を那須で実践されています。最近では、無印良品で販売中の「素材を生かしたアイス」に森林ノ牧場のジャージー牛乳が使用されるなど全国でその味が楽しめるようになっています。


一般的に畜産や酪農と言われると、牛舎でつながれた状態で並ぶ牛たちの姿やその側を通った時の異臭を想像してしまい、あまり良いイメージがないという方もいるのではないでしょうか。当然、牛たちにとっては生涯狭いコンクリートの空間で過ごすのはストレスが溜まります。また牛舎の場合、餌は人間がすべて与えないといけないため、一日に必要な飼料の量は莫大です。その飼料を生産するためには、広大な農地と水などの資源が必要になります。これを踏まえると、現在の日本の畜産は動物にとっても自然にとっても持続可能なものではないと感じます。


自然環境と共生した「コンパクトな畜産」とは?

では、コンパクト農ライフ塾が推奨する「コンパクトな畜産」とは一体どんなものなのか?自然環境を活かした放牧酪農をしながら、しっかりと商品開発と流通開拓に力を入れて、小規模でも収益性の高い畜産を展開できる方法について学んでいきます。

講座内で「人間が使っていない物を価値に変えるのが、人間と牛の関係性であり、畜産や酪農の本来の魅力。」と話していた山川さん。牛舎での酪農と比べると、放牧酪農は効率は悪い。だからこそ搾乳~加工~販売まで一貫して自分たちで行い、ミルクやアイスになるまでの背景も含めて食べてくれる人とコミュニケーションをとっていくことがコンパクトな酪農家のポイントだと教えてくださいました。

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山川さんたちが”牛がいる田舎の景色”を守り、そこでのびのび育った牛のミルクから作られるアイスを来てくれる人が買う。そのサイクルを継続していき、それぞれが役割分担しながら牛がいる美しい森の景色を皆で支え続けていきたいものです。


次回は、地域をまるごと耕す仕掛け人 株式会社Chus代表 宮本 吾一さんに担当頂いた第6講座「革命的ブランディング」の紹介です。Chusで販売されている「バターのいとこ」をご存じの方は多いのではないでしょうか?牛乳からバターを作る際に大量にでる無脂肪乳を原料としたお菓子です。安価な値段で販売されるのが通常だった無脂肪乳を、もっと価値を高めて販売することはできないものか?という発想から生まれた商品。「コンパクトに価値を最大化して成功するにはどうすればいいのか?」という問いとしっかり向き合える構成になっています。次回もお楽しみに。

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