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がんの養生

がんの養生について、先生はまず心も身体もリラックスさせて、楽しみながら養生してくださいと言った。がん患者にとって、「楽しみながら」というフレーズは少々違和感を感じる。


がんの養生で重要なことは3つ。

1) 解毒のための生活改善と薬膳

2) 虚弱を補うための薬膳

3) 症状を改善するための薬膳


解毒には、まず十分な睡眠を取ること。私達の身体は、寝ている間に解毒され、体の作り変えが行われるという。夜は9時には就寝し、10時間くらいの睡眠を取ることを先生は勧めた。


また、解毒効果を上げるために、適度な運動によって、気の巡りを良くすること。先生は、自宅でも簡単にできる八の字体操を紹介してくれた。八の字体操とは、立って両腕で大きく天に向かって八の字を描き、次に自分の前で両腕で八の字を描き、次にスクワットした姿勢で地面に向かって両腕で八の字を描く。これを自分の好きなスローテンポの曲に合わせて行う。1曲5分くらいとすると、汗ばむくらいの運動量となり、下手に散歩するよりも効果的という。


途中、先生は私達をリラックスさせるためかフルートの演奏をされた。がん患者には、頑張り屋が多いことを知っている先生は、治療も養生も頑張りすぎないこと、笑うことも大切だと言った。


食事については、中医学では、食材を薬効により分類していて、熱を取る食材は「清熱」、解毒を促す食材は「解毒」、利尿を促す食材は「祛湿、利湿」、虚弱を補う食材は「補気、益気」、血を作る食材は「養血」、血流を良くし血の停滞を防ぐ食材は「活血化瘀」、痰を取る食材は「化痰」などがある。そして、これらの食材を用いて料理をするのが薬膳だ。また、解毒にはタンポポ茶がお勧めなど、様々ながんの漢方も紹介してくれた。漢方と薬膳の違いは、がんの治癒というゴールに向かって行く場合、普通列車で行くのが薬膳で、特急列車が漢方というイメージだそうだ。


その他、体の毒になるような食材は避けること。特にがんの炎症を助長するトランス脂肪酸(お菓子に使われるマーガリンやショートニング)やオメガ6系油(ひまわりや菜種油)を摂らないこと。


また、食事の摂り方については、グルコーススパイクを防ぐこと。グルコーススパイクとは、食後の血糖値の急上昇と急降下のことで、血糖値が上昇するとがんが増殖しやすくなるという。血糖値を急激に上げないために食事の順番は、野菜→肉や魚→ご飯→フルーツの順番が良いという。


最後に、先生は「がんは生活習慣病」と言いきった。生活習慣病であれば、生活習慣を改善すれば、がんも治るということになる。そして、がんが治った事例について、それぞれどのような生活習慣が影響していて、どのように生活習慣を変え、養生されたかを説明された。中には、月2回鳥取の三朝温泉に通い、三朝温泉病院で泥湿布をされている乳ガン患者の話があった。その他、半身浴、温泉、岩盤浴、びわ温灸、お灸なども、血行を改善し、解毒代謝力を高めるのでお勧めだという。


3時間の講義はとても有意義で、私は、がんは治る病気だという希望と期待に包まれた。私は、先生にぜひ診てもらいたいと思い、講義終了後に先生のところに駆け寄った。先生が私のがんのステージを聞いてきたので、私がゼロステージだと言うと、先生は「え?」という反応を示した。私は、乳ガンのゼロステージはまだ浸潤していないがんの初期の状態であることを告げると、先生は「あー、それなら養生で治りますよ」と言った。先生はこの後予定があるとのことで、後日電話で詳しく相談させていただくことになったが、取り急ぎ乳ガンの食事について、卵、乳製品、砂糖を避けるように言われた。私は、ケーキやクッキーなど甘いお菓子が大好きで、毎日のように食べていたが、即座にこれらを経つ決心をした。


この「がんの中医学養生」講座が開催された薬膳学院には、学院長が数年前に執筆された「防がん・抗がんの薬膳」という本が置いてあり、私はその本を購入して帰った。これから、がんの養生生活が始まる。

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