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ペット薬膳

薬膳とは、中医学の理論に従って、適した食材、生薬を用いて、健康の維持・増進、病気の予防・治療・回復を目指す食事のことです。

薬膳は、食事による健康法なので、人間のみならず、ペットにも適用できます。ペットには、ずっと元気に長生きして欲しいと思うのは、全ての飼い主さんの願いだと思います。

今日は、私の飼い猫ソフィアを例にしたペット薬膳をご紹介します。

スコティッシュフォールド
15歳♀
最近、足腰が弱くなり、高いところにジャンプできなくなった。食も細くなり痩せぎみ。寝ていることが多く、ぼんやりした目をしている。口元に出来物ができた。

【弁証】
猫の足腰が弱くなり、ジャンプ力の低下は老化によるもので、腎の精気が弱っています。腎は、身体の成長・発育・生殖能力を促進する働きがあり、腎の精気から髄が生成され、骨を滋養し、丈夫にします。腎の精気は腎に良い食物を摂取することで補強することができます。

また、足腰が弱っているのは、筋肉・筋・関節を司る肝が弱っています。肝は全身の気の巡りを司り、精神・情緒を安定させ、安眠、血液循環・臓腑の働き、水の代謝を正常にします。また、肝が血量を調節することにより、目は良く見え、筋肉・筋・関節は円滑に動きます。目の状態から肝血が盛んか衰えているか分かるので、目に精気があることは元気な証拠なのです。

食が細くなってきているのは、脾が弱ってきていますので、脾を滋養してあげる食物によって脾を増強します。

口元の出来物は、良性か悪性かによって、ただの出来物か癌に分かれます。ただ、良性か悪性かは手術をして出来物の生体検査をしないと分かりません。手術には、全身麻酔が必要で、高齢の場合そのまま麻酔から目覚めないこともあるので、心配です。まずは、解毒によって出来物が小さくなるか見てみます。

【ペット薬膳の作り方】
ペット薬膳と言っても人間の食事のように調理はできませんし、食べてくれるかどうかも分かりません。そこでオススメなのが、味にクセや匂いのない生薬をいつものご飯にプラスすることです。


スギナ
腎と肝を滋養するには、スギナが効果的です。以前、「スギナの驚くべき効能」にも書いていますが、動物にももちろん効果的です。スギナを乾燥させ、粉状にしたものをいつものご飯に混ぜます。

はと麦
はと麦は、ヨクイニンという生薬名で、脾、胃、肺に作用し、健脾除湿作用があるので、食欲減少に効果があり、清熱排膿作用によって、皮膚の化膿症やイボや出来物に効果があります。はと麦は茹でたものを細かく刻んでいつものご飯に混ぜます。

鶏肉のささ身
脾、胃に作用し、脾胃虚弱、食欲不振、下痢に効きます。ささ身は、茹でて細かく割いてご飯にトッピングします。

クコの実
肝、腎、肺に作用し、肝と腎を滋養し、足腰の痛みやだるさを取ります。また、クコの実は目を滋養し、目のかすみ、視力減退を防ぎます。クコの実は、刻んでいつものご飯に混ぜます。

その他、肝を滋養し、目に良い食材としては、レバーがあります。以前、ソフィアにフォアグラをあげてみたら、今まであげたどんなものより喜んで食べていました。猫も美味しいものは分かるんですね。


スギナ風呂用に煎じたスギナ茶を洗面器に入れてバスルームに置いていたところ、ソフィアがそれを飲んでいることに気づきました。それから、夕食時にスギナ茶をあげてみたところ、毎晩喜んで飲んでいます。猫がスギナ茶を飲むとは驚きですが、動物は自分の身体に何が必要か知っているのかも知れません。

このようなペット薬膳をソフィアにあげて、1ヶ月後、早速効果が現れています。スギナ茶は、利尿作用があるので、オシッコの回数が増えました。驚きは、以前ソファのひじ掛けにジャンプしようとしてずり落ちてしまってから、すっかり自信を失っていたソフィアが、椅子の上にジャンプできるようになりました。足腰も強くなり、軽快に歩いています。口元の出来物は、萎んでなくなりました。また、ご飯も完食するようになり、目にも精気が溢れてきました。

この世に生まれてから私達の身体を私養うのは、毎日の食事です。全ての創造主である神様が与えてくださる全ての食物には、それぞれの効能があり、私達人間のみならず、動物も養い、癒す力があります。

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