見出し画像

余裕、ゆとりの大切さ


皆さんは毎日にゆとりがありますでしょうか?仕事、勉強、家事など、緊急かつ重要なことで埋め尽くされる私たちの日常。遊ぶ時間、整理整頓の時間、本を読む時間、運動する時間、窓の外をボーっと眺める時間がほしい。そんな切望を覚えることってありませんか?

行動経済学における、「欠乏」がもたらすメリットやデメリットを今さらながら学んで、反省して、こうやってnoteに記しています。「集中ボーナス」とは、時間があまりないときのほうが得るものが増えるという考え方。「期日」をもうけて仕事をすると効率と生産性がアップしてアウトプットの質もあがるというやつです。

一方「トンネリング」という概念もあり、集中する力は物事をシャットアウトするとして、ひとつのことに夢中になりすぎると、他のことを受け付けない現象を指すもの。トンネルの内側のものは鮮明に見えるけど、トンネルの外側は何も見えなくなる視野狭窄の状態です。

お金に無頓着なところがあり、特に学生時代はほんとにお金がなかった私。食費、家賃のことで頭が占拠され、給料日までの日数を指折り数えることが毎月でした。この欠乏感によって認知能力が奪われ、サッカーの試合とかデートのときとか、ここ一番というときに「上の空」ということが多々。多くのものを失ったと思います。

多忙な人は緊急で重要な課題に時間を使います。人は重要でしかも期限がすぐくる課題に取り組むとき、爆発的に生産性が上がるということは、皆さんのご経験からも明らかなのではないでしょうか。一方で多忙な人は、重要だが緊急でない課題を放置する傾向もあります。

オフィスが散らかって、モノの下に隠れている書類を見つけるのにやたら時間をムダにする。食事をファストフードなどで簡単に済ませていると、長い目で見て体によくないことは論を俟ちません。若いうちは何を食べても太らなかったのに、30歳を境にお腹回りが気になる。運動する時間を確保できずに、メタボが進行すれば心筋梗塞などのリスクを抱えることに。

ひとり」という欠乏感も、余計なストレスや緊張とともにミスを促します。プロバスケットボール選手のボウエンは2002年、フリースローを40%しか成功できなかった反面、スリーポイントシュートの成功率は44%でした。サッカーのスーパースターが、大活躍したその試合でPKを外し、悲劇のヒーローとして描写されることも少なくありません。

除草が作物の収穫高を劇的に上げることは、農業界では数千年も前から語られていること。ですが世界の最貧国層の農民たちは除草ができません。子育ては一貫性がなく、関係もうすくて愛情が乏しいように見受けられます。ダイエットも苦手です。貧しさゆえに思考の空き容量が欠乏。家賃、ローン、請求書を「ジャグリング」して頭がいっぱい、余裕がありません。いろんな意味で貧しいのです。

一世紀近く前、ヘンリー・フォードは就業時間と処理能力の違いを認識していたと言われています。工場労働者の就労時間を、週40時間に制限するという彼の決断は、大きな論議を呼びましたが結果、最高の成果をもたらしました。働きすぎによる処理能力の欠如。その弊害による損失を見抜き、労働者に余暇を提供した戦略的ソリューションでした。

人の豊かさは、気にしないでいられるものの数に比例する。真に有能な労働者は、一日が仕事でびっしり埋まっていることはなく、ゆとりとくつろぎのオーラにすっぽりとつつまれて仕事にぶらぶら歩いていく。

仕事、勉強、人生は、欠乏にどう対処するか次第で、成功もすれば失敗もする。そんな教訓を教えてくれます。ひるがえって私の日常はどうだろうか?アポで時間を埋めて仕事をした気になって、よくよく考えると生産的なこと何もしてない。そんな日はゼロではありません。

緊急ではないけど重要なこと。ゆっくりすること、余裕を持つこと、将来をみすえた投資を行うことに、時間的リソースを配分できるようにしたいです。皆さんはいかがでしょうか?

久保大輔




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?