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スキルとセンス、どちらが大事?

成果をあげる人は、数字と期日を厳守します。数値目標を掲げて、いつまでに達成するのかを明らかに。その前段として長期的な「ビジョン」を設定していますが、ビジョンはどうしても長期視点で抽象的になりがちなので、短期的、かつ具体的な数値目標を期日とともに自分に課すわけです。

また、営業の本質は「ソリューション」を売ること。アカデミックスマートな人たちは、数字、分析、理屈といったスキルで諸問題を解決しようとしますが知識が豊富なだけに、矛盾や不合理があたりまえの現場を正しく理解できません。勘やフィーリングを疎かにしがち、というか数値化できないセンスの領域が苦手。生々しくてみずみずしい現場を、無機質なスキルや公式、フレームワークにあてはめようとします。当然のことながら齟齬や葛藤が生じてしまう。それはあたかも、マイナスのネジをプラスドライバーで無理やりしめるようなものです。

顧客の無意識にあらわれる本音を、あなたの会社、製品やサービスがとらえているかどうか。何が顧客にとって有益で役に立って、課題解決に貢献するのかを見極めること。それは言語化できない暗黙知的なわかりにくさがありますが、いかに咀嚼して世の中に発信できるかは想像以上に難しいながらも重要なことに違いありません。

マーケティングリテラシーは、マーケティングに関する体系的な知識。そしてロジカルコミュニケーションは、理論的に考えて伝達する力。さらにストリートスマートとは、理論と現場を融合させて臨機応変に思考できる人を指します。知的成金のような薄っぺらい知識では消費者の信用を失う。そして現場主義だけでは結果に対する考察ができず、いつまでたっても再現性を担保できません。

顧客主義に徹すること。顧客の言いなりになるのではなく、顧客が大事にしたい価値を提供することです。それができる人は数字を作ることができますが、数字を作ることができなかったとしても「行動」は自分の意思で100%どうにかなるもの。現場に足を運び、何度も営業して顧客のニーズを洞察するのも行動です。そして、知識や教養を身につけることも、長い時間をかけて積み重ねる体系的トレーニングであり、個人の努力(行動)の賜物。

スキルとセンス。まとめると、この両方を上手くマネジメントできる人が成果を手にすることができるということ。どちらか一方に偏って反対側にいる人の粗探しをしている場合ではありません。どちらも重要。そしてどちらかが欠けるとうまくいきません。

久保大輔




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