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吉原遊廓

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吉原炎上

吉原炎上

今回紹介するのは明治の吉原遊廓を描いた映画『吉原炎上』です。

「男が通う極楽道、女が売られる地獄道」
『吉原炎上』ナレーションより

この作品は画家・斎藤真一が養祖母が吉原の花魁として過ごした半生と1911年(明治43年)4月に発生した吉原火災に基づいて執筆した絵画付き小説を原作に1987年、五社英雄監督、東映京都撮影所で制作・上映され、主演の名取裕子をはじめ二宮さよ子、藤真利子、西川峰子(現・

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100年前の関東大震災で被災した吉原遊女はどうなったのか?

100年前の関東大震災で被災した吉原遊女はどうなったのか?

私、渡辺豪が経営する遊廓専門書店カストリ書房(台東区千束3-21-14)では移転に際してクラウドファンディングを開催中です。以下ご覧の上、ご共感頂けましたら、是非ご支援下さいますようお願い申し上げます。

本日は令和5年9月1日、ちょうど100年前の今日大正12年、関東大震災が起きた。推定マグニチュード7.9の地震が関東地方を中心に襲った。死者行方不明者合わせて10万5千人、被害額GNP比37%。

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吉原花魁日記/春駒日記

吉原花魁日記/春駒日記

前回、前々回に引き続き吉原遊廓を舞台とした文学作品を紹介します。『吉原花魁日記―光明に芽ぐむ日』と『春駒日記―吉原花魁の日々』です。

著者は森光子(俳優とは同名別人)という女性で1905年、群馬県の貧しい家に生まれ、1924年、19歳の頃、吉原遊廓に売られ、「春駒(はるこま)」という源氏名で遊女として身体を売っていました。

『吉原花魁日記』は吉原遊女が自ら執筆した大変珍しい文学作品で遊女の生活

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大正・吉原私記

大正・吉原私記

前回に続き近現代の吉原遊廓を書いた本を紹介します。『大正・吉原私記』です。著者は吉原で生まれ育った波木井皓三(はきい こうぞう)です。

波木井皓三は1907年、吉原遊廓に生まれ、実家は吉原で大規模を誇る妓楼・大文字楼で角海老楼に次ぐ格式のある大店でした。その長男として育った波木井は家業に嫌悪を抱き吉原を飛び出し様々な経験を得て、戦後は舞台制作に取り組み大学の講師を務め、1992年に亡くなります。

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吉原はこんな所でございました: 廓の女たちの昭和史

吉原はこんな所でございました: 廓の女たちの昭和史

数多くの文学・芸術に大きな影響を与えた吉原遊廓。 1617年、幕府公認の遊里として現在の日本橋人形町付近に開設され、 振袖大火で浅草近郊に移転し1958年の売春防止法施行まで京都の嶋原、 大阪の新町と並ぶ「日本三大遊廓」の一つ、しいては日本を代表する遊廓として名を轟かせました。

吉原遊廓に関する資料、研究書は主に江戸時代を取り上げられていますが近現代の吉原の様子を記された書物の一つが『吉原はこ

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