都月すみれ

双極性障害(II型)で、緩いトランスジェンダー(MtF, MtX)な、ごく普通の物書き…

都月すみれ

双極性障害(II型)で、緩いトランスジェンダー(MtF, MtX)な、ごく普通の物書きです。 こんな私でもごく普通に生きられる、ごく普通の世界にしたいので、私も発信することにしました。 私の中核からどうでもいいことまで、等身大の自分を書いていきます。

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  • 竜とそばかすの姫の?を考えるマガジン

    細田守監督の最新作「竜とそばかすの姫」。何度も足を運び、その度に気づいたことや見つけた疑問について考えてみました。

最近の記事

悲劇鑑賞という、最高に傲慢な人の業

 人間は不謹慎なほど贅沢だ。悲劇を娯楽として味わうことさえあるほど。  幸せの絶頂にいる人間がその瞬間に死を迎えるような悲劇を描いた作品は思いの外数多くある。そして世の中にはそれを自ら進んで鑑賞する人たちがいる。そこに鑑賞する価値を見出し、自分のためになると判断しているらしい。  悲劇を見たときに湧き出るもの。同情や「可哀想」という思いくらいしか私には思いつかない。創作物によってこういったものを持つことに何かしらの意味があるのだろうか。ここがよくわからないのは、私に悲劇に

    • 幸せは死を厭い、不幸せは死を歓ぶ

       昨日書いたことに想うことがあるから、嫌気がさした仕事の合間、この時間この空間からの逃避に書こうと思う。今の私に集中力なんてない。  死ぬことを考えるのはひとつの分水嶺だ。死をどう感じるかでその人が幸せなのかどうかがわかる。恐怖に感じるなら幸せなのだろう。救いと思うのなら不幸せなのだろう。  今このときがずっと続けばいい。恋愛小説なんかで時折みられる一節だけど、今このときに死を感じたらそれは恐怖でしかないだろう。万が一死が訪れたら、それは最上級の悲劇になる。  世の中お

      • 何も見えない沼から少しだけ顔を出す

         こんにちは。はるか久しぶりのこんにちは。  最近ずっと何も見えない沼の底にいました。圧し潰され、燃え尽き、灰となって泥濘の底に沈殿しているような時間を過ごしていました。  この数か月、人生で4度目くらいのどん底を経験していました。自分がおかしいことをまざまざと実感させられ頭がおかしくなりそうでした。  いや、きっともうおかしくなっているのでしょう。もうずっと、おかしいままともいえるのでしょう。狂気の中からは狂気の中にいることを知覚できません。そういうものです。  窮状

        • NFTにまつわる環境問題記事の翻訳 その2

           Twitterにて教えていただいた、気になった記事を翻訳。多少おかしな表現が混じるかもしれないけれどご勘弁を。  なお、専門的な情報に関しては注釈を追加したり意訳したりしてます。元の記事が専門的なのでこの翻訳もわかりづらいかもしれません。  (以上、予防線) HERE IS THE ARTICLE YOU CAN SEND TO PEOPLE WHEN THEY SAY “BUT THE ENVIRONMENTAL ISSUES WITH CRYPTOART WILL B

        悲劇鑑賞という、最高に傲慢な人の業

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        • 竜とそばかすの姫の?を考えるマガジン
          5本

        記事

          NFTにまつわる環境問題記事の翻訳 その1

           Twitterにて教えていただいた、気になった記事を翻訳。多少おかしな表現が混じるかもしれないけれどご勘弁を。  なお、専門的な情報に関しては注釈を追加したり意訳したりしてます。元の記事が専門的なのでこの翻訳もわかりづらいかもしれません。  (以上、予防線)  翻訳するのは以下の記事。 HERE IS THE ARTICLE YOU CAN SEND TO PEOPLE WHEN THEY SAY “BUT THE ENVIRONMENTAL ISSUES WITH CR

          NFTにまつわる環境問題記事の翻訳 その1

          竜とそばかすの姫の?を考える 合唱隊としのぶから見た鈴

           この記事は「竜とそばかすの姫」のネタバレと考察と空想で構成されています。まだ観てない方は読まない方がいいよ!  それと作品を全力で肯定的に観ているので批評とか求めている場合は「思ってたんと違う!」ってなるよ!  まずは見出しでのネタバレ防止としての作品紹介。  「竜とそばかすの姫」は現在上映中の細田守監督の最新作。現実とインターネット上の仮想世界<U>を舞台に、とある理由で歌えなくなった女子高生・鈴(ベル)が巻き起こる数々の出来事のなか葛藤し、それでも未来へ進んでいこう

          竜とそばかすの姫の?を考える 合唱隊としのぶから見た鈴

          竜とそばかすの姫の?を考える ベルの竜への想いとは

           この記事は「竜とそばかすの姫」のネタバレと考察と空想で構成されています。まだ観てない方は読まない方がいいよ!  それと作品を全力で肯定的に観ているので批評とか求めている場合は「思ってたんと違う!」ってなるよ!(肯定する理由はこちらの記事に書いているのでよければぜひ)  まずは見出しでのネタバレ防止としての作品紹介。  「竜とそばかすの姫」は現在上映中の細田守監督の最新作。現実とインターネット上の仮想世界<U>を舞台に、とある理由で歌えなくなった女子高生・鈴(ベル)が巻き

          竜とそばかすの姫の?を考える ベルの竜への想いとは

          竜とそばかすの姫の?を考える 鈴の覚悟とその先の気づき

           連載みたいなタイトルしてますが各記事ほぼほぼ独立しているのでつまみ食いにどうぞ。  この記事は「竜とそばかすの姫」のネタバレと考察と空想で構成されています。まだ観てない方は読まない方がいいよ!  それと作品を全力で肯定的に観ているので批評とか求めている場合は「思ってたんと違う!」ってなるよ!(肯定する理由はこちらの記事に書いているのでよければぜひ)  まずは見出しでのネタバレ防止としての作品紹介。  「竜とそばかすの姫」は現在上映中の細田守監督の最新作。現実とインターネ

          竜とそばかすの姫の?を考える 鈴の覚悟とその先の気づき

          竜とそばかすの姫の?を考える 鈴とベルにとっての歌

           連載みたいなタイトルしてますが各記事ほぼほぼ独立しているのでつまみ食いにどうぞ。  この記事は「竜とそばかすの姫」のネタバレと考察と空想で構成されています。まだ観てない方は読まない方がいいよ!  それと作品を全力で肯定的に観ているので批評とか求めている場合は「思ってたんと違う!」ってなるよ!(肯定する理由はこちらの記事に書いているのでよければぜひ)  まずは見出しでのネタバレ防止としての作品紹介。  「竜とそばかすの姫」は現在上映中の細田守監督の最新作。現実とインターネ

          竜とそばかすの姫の?を考える 鈴とベルにとっての歌

          竜とそばかすの姫の?を考える 最後から一歩手前の疑問

           この記事は「竜とそばかすの姫」のネタバレと考察と空想で構成されています。まだ観てない方は読まない方がいいよ!  それと作品を全力で肯定的に観ているので批評とか求めている場合は「思ってたんと違う!」ってなるよ!(肯定する理由はこちらの記事に書いているのでよければぜひ)  まずは見出しでのネタバレ防止としての作品紹介。  「竜とそばかすの姫」は現在上映中の細田守監督の最新作。現実とインターネット上の仮想世界<U>を舞台に、とある理由で歌えなくなった女子高生・鈴(ベル)が巻き

          竜とそばかすの姫の?を考える 最後から一歩手前の疑問

          創作物に触れるときは没入することに意味がある

           楽しみ方は人それぞれだから別にどうしようが知ったこっちゃない。だけど小説なり漫画なり映画なり、創作物に触れるときは没入することに意味がある、というのが私の意見だ。  少し前「竜とそばかすの姫」を観た後。映画館のロビーのソファのところにいたのよ、ネタバレ撒き散らしながら粗探して講釈垂れてる人たち。伏線回収できてないとか、どこそこが矛盾してるとか、それこれは現実的じゃないとか。  うるせぇ帰れ。  創作物はあくまでも創作物だ。現実じゃない。そこに矛盾があろうが無理があろう

          創作物に触れるときは没入することに意味がある

          「竜とそばかすの姫」観てきた。

           私は基本肯定的にしか書かないので、その前提でよろしく。「絶賛してるから観たのによくなかったじゃん!」とか言われても責任は持てないよ!  ネタバレは極力しないようにがんばる。少なくとも致命的なところは語らないようにする。  主人公の鈴は片田舎のパッとしない女子高生で、悲しい過去をもつとは言えごく普通の引っ込み思案な女の子(ただし天才でないとは言ってない。)その鈴が現実とは違うもうひとつの世界「U」で「ベル」という存在として花開くところから始まる。  ベルは歌で人を魅了し、

          「竜とそばかすの姫」観てきた。

          ただいま。

           定期的に書くことって難しいね、と思って。書きたいことがあっても旬を過ぎたり、疲れて構成作れなかったりしてしてずっと放置してた。  ただいま。  つい今さっき「竜とそばかすの姫」を観てきて、ちょっと書きたいことができたので復帰することにした。たぶん今書かないと鮮度落ちて書けなくなるのでがんばって書くね。  映画なんで久しぶりだなー、と振り返ると、前回観た映画も細田守作品「バケモノの子」だった。時間が経つのが年々速くなっている気がする。新しいことたくさんやらないと固く遅く

          ただいま。

          人の幸せを幸せに思えることを幸せに思う

           大学時代の後輩のこからこどもを産んだという連絡がきた。元気な女の子。母子ともに健康、安産だったとのこと。  その知らせを聞いて私はとてもうれしくなった。どれくらいうれしくなったかというと、久しぶりにクッキーを焼くための材料を買ってきたくらい。(まだ焼いてない。今週末焼く。)  この時世、彼女に送ることはできないので、遠くで勝手に祝杯をあげることにする。わーい。  最近陰鬱な中ででしか生きていなかったから、こんな連絡、うれしくならないわけがない。新しいいのちの誕生には祝

          人の幸せを幸せに思えることを幸せに思う

          何がために記事を書く

           「誰がために鐘は鳴る」は読んだことがない。残念ながら。Kindleには日本語版もないし。原書版は買ってはあるけど私は英語が苦手だ。  いつか読んだ「老人と海」ももうだいぶ忘れてしまった。そもそも最近は小説自体読んでいない。読むことができない、と言ったほうが正しい。  漫画は多少読めるけれど、悲劇が混じった瞬間読めなくなる。そういう時期なのだと思う。リハビリが必要だ。まぁ、この話は今日は置いておく。  本題は表題どおり。「何がために記事を書く」のか。この件について、最近

          何がために記事を書く

          隠れている精神疾患の問題

           現状、私は完全に抑鬱期にはいったようす。薬が若干増えた関係で思考が鈍っている。言葉がうまくまとまらない。  精神疾患は症状によって発生する数々の問題にばかりフォーカスされがちだけど、個人的にはそれに匹敵するくらい大きな問題がもうひとつあると考えている。  すばり副作用である。  副作用と一言で言っても幅はとても広い。頭痛や吐き気のように症状として現れるものからなんとなく体調が悪い、うっすら眠いというような潜在的なものまでさまざま。だいたい複数の副作用が同時にあらわれる

          隠れている精神疾患の問題