走り続けていないと走れなくなる。ビジネスでも同じこと。
私はランニングが趣味で、フルマラソン30回弱、ハーフマラソンや30キロの大会は50回以上走ったことがあります。
もちろん素人ランナーで、箱根駅伝に出るようなアスリートではありません。
先日、マラソン大会のあとに、大学時代に陸上部で長距離をやっていた、という人とお話をする機会があって、いろいろ教えていただいたですが、その際に印象に残ったことの一つが、
「走り続けていないと、それもそれなりの水準で走り続けていないとダメです。間があくと、簡単には以前のように走れません」
ということでした。
当たり前だろ、ということかもしれませんが、我々素人ランナーとはレベルの違うアスリートは、そもそも鍛え方や素質が違うのだから、少し間があいても影響は少ないだろう、という思い込みがあったのです。
やはり、走り続けていないとダメなんですね。
ところで、この話について色々考えてみると、それはランニングだけでなく、仕事・ビジネスでも同じことではないか、「第一線で走っていないと、走れなくなるのでは」と思い当たったので、まとめてみました。
身体能力
走る能力は、やはり足腰、筋肉や骨格、また心肺能力によって決まってきます。練習すると、これらが刺激され強化されることによって、速く長く走れるようになるのですが、走るのをやめてしまうとその刺激がなくなるので、身体能力が衰えて、スピードが上がらず、疲れやすくなります。
ビジネスでも同じように、常に高い目標を追いかけ、第一線で走っていると、そのスピード・品質で仕事をすることにより得られるインプットが刺激となり、知識・スキルがレベルアップしていきますが、新しいこと、ハードな仕事、スピードが要求される仕事を避け、気楽なルーティンばかりしていると、そうした刺激となるインプットがなく、能力が劣化していきます。
頭のCPU、メモリ、解像度が低くなり、同じ回転ができなくなるのです。
ギア・ツール
また、ランニングにしてもビジネスにしても、道具やツールは日進月歩ですから、しばらくブランクが開くと手持ちの道具は古くなり、身体能力の低下を増幅します。
周囲・社会
また、影響が大きいのが家族・友人など周囲の目線です。
ずっと走っていて大会などにも出ていると、自然とランナーのコミュニティに入り込んで、「大会に一緒に行こう、終わったら打ち上げで飲みましょう」などと一緒にマラソン大会に出かけたり、ときどきあるリレーマラソンや駅伝など「タスキ」をつないで走るようなイベントに誘われたりするようになります。
ところが、しばらく走らなくなりご無沙汰すると、「走る仲間」として認識されなくなります。すると、ランニングイベントにも誘われなくなり、疎遠になっていきます。
ビジネスでも、ワクワク・ヒリヒリするような仕事をしていると、「そういうビジネスパーソン」として認識され、大変だけど面白い仕事、急ぎでハードだがやりがいがある仕事などに取り組むときにチームメンバーとして誘われるようになりますが、逆にそういう仕事から遠ざかっていると、人々の認識が変わり、そのような機会から益々遠ざかることになります。
気持ち・習慣
最後に、身体能力がおち、ギアも時代遅れ、周囲の人たちの認識も変わってしまうと、気持ちの面でも元に戻すことが大変です。モチベーションも上がらず、惰性でそのままになってしまいがちです。
こうして、益々遠ざかる、ということになり、その間「走り続けている」人達とは大きな差がつくことになります。
もちろん、走らない代わりにたくさん本を読む、アートを見る、ボランティアをする、など、別の有意義な時間の使い方をしている場合もあるでしょうし、ルーティン仕事にすることで仕事以外に活用できる時間を確保し、他の時間の使い方で人生を豊かにしている人もいるでしょうから、「走らないこと(物理的に、あるいはビジネスで)」が必ずしも悪いこととは限りません。
でも、「走る人(ランニング、またビジネスでも)でいたい」と思うのであれば、少しきついときも継続して頑張りましょう、ということですね。
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