ハッジに行くから、早くおいで！

ハッジ？

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%83%E3%82%B8

聞き間違えでなければ、巡礼？なぜ？どこに？何ごと？

ほら、何してるの？メッカのハッジよ、カアバよ！早く！

え？今からわたしメッカ行くの？というか、わたしサウジ入れませんけど。

ん、もう。そうじゃないの、ご近所さんがハッジから帰ってきたからおめでとう！を言いに行くのよ。ハッジに行った女性達を囲んでおしゃべりするのよ。

ハッジ女子会ね！

そんな言葉があるか知らないけど、ここの場所じゃ毎回ほぼ女子会だけど。

もしかしたらこの会は日本でいうところの、お伊勢詣に行って帰ってきて土産話を聞くとかそういう感じなのかな？お伊勢さんには何度も詣でているわたしだけど、ハッジは未経験でこれからもないはず・・インシャアッラー。

リーマとその義母に連れられてすぐご近所の御宅にお邪魔した。今までのわたしだったら、そんな会に見ず知らずのわたしが行っていいの？ってなっていたのに、今となっては・・・そうね、じゃあ行こうか。ムバラク（おめでとう）言おうか！ってなっていることにはっと気づいてアラブ化の浸透具合に驚く。

義母はかなり太っていて、着物の羽織を買ってきてほしいと言われウエスト１５０cmだからと念を押されたけど案の定、日本で見つけられず普通のよりちょっと大きいのを持って行って小さすぎる！と言われたくらい小柄な大柄な人。膝も悪くて階段の上り下りもかなりきつい。わたしが家にいるときは

Wen Azusa?あずさはどこ？　

といつも呼ばれて手を貸し肩を貸し、段差や階段、車の乗り降りを手伝っている。今回訪問する家はこの家から見える見えるが小高い。わたしの出番も少なくないはず。手を肩を貸しつつ２分で着く家に１０分かけてこんにちは。

こんにちは・お元気ですか？　右のほっぺ、左のほっぺにキスキス。

一通り挨拶をし、奥の部屋を通されると、続々とご近所さんがちもやってくる。女子会というより井戸端会議ってところ。姦しいよりも騒がしい！

ジュース飲んで、甘いの食べて、フルーツもあるわよ。

次々に食べ物が飲み物が出てくる。

ハッジ、良かったわよー。それでね、お土産があるのよ。ザムザムウォーターよ！これ飲めば健康にいいから、あなたもいっぱい飲んで！さあ！

ザムザム？

ホーリーよ！ザムザムよ！メッカにある泉の水よ。貴重でしょ？

聞いただけで何かご利益ありそうね！

ザムザム、名前の可愛さの斜め上を行く、

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%A0%E3%82%B6%E3%83%A0%E3%81%AE%E6%B3%89

ホーリーウォーターをホーリーシティエルサレムで頂くありがたいなんてスペシャルな日なの。
イスラム教徒でもないわたしにありがたい貴重なお水をおすそ分けしてくれて、日本人のムスリマの友達に嫉妬されても仕方ないくらいのことじゃないの、これって！

＊

ちなみに、この水は飛行機の預け入れの重量制限にはカウントされないそれくらいの特別なホーリーウォーター！とはいえ・・・・
生水をペットボトルに汲んで聖地エルサレムまで持って帰る、そして冷蔵庫に入れているとはいえ数日経っている。

お腹大丈夫かな？ふと現実に戻るわたし。

小さいカップにアラブコーヒーが出されたのは京都でぶぶ漬けが出されたようなもの。

ヤッラ、コーヒーも頂いたことだし、さあ、行こうか？

義母は杖をついて大きな体をよっこらしょっと持ち上げる。 みんな一様にハグをし右に左にほっぺにチュッチュ。

本当にハッジおめでとう。神のご加護を。

これ、ハッジのお土産よ。それぞれ大きな紙袋を手渡された、そう全く関係ないわたしにまで。

え？わたしも？いいの？？

いいのよ、これがイスラームよ。

ザムザムの水を飲み、大きな袋の中には派手なバッグが入っていた。使うかな？これ・・・

と思いつつも、神様からの贈り物をありがたく頂くのだった。