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スルサル、活動開始。

ごあいさつ

こんにちは。影山レオと申します。
このたび、芸術活動をおこなう拠点として、芸術連盟「THURSAR(スルサル)」を設立いたしました。
スルサルでは、主にコンピュータを介したデジタルアートの制作を起点として、古今東西の芸術作品の紹介・共有など、さまざまな芸術に関連した活動をおこなっていきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
ウェブサイト

設立について

ようやく、という言葉が一番しっくりくるかもしれません。
長い間ずっと山の奥で眠り続けていた後のような感覚があります。
というのも、もともと、僕は世に溢れる芸術という芸術が大好きな人間であります。
小説を読むのも、映画を観るのも、音楽を聴くのも、絵を観るのも、詩を読むのも、とても楽しいと感じます。
小説が書きたくて大学に行って勉強したり、ゲームを作ってみたくてプログラミングゼミに飛び込んだり、映画が好きで映画の学校に入学して映画を作ったりもしました。振り返ってみても、やりたいと思ったことは常に積極的にやってきたと思っています。

しかし、6~7年前頃から、僕は仕事や人間関係のプレッシャーで精神的にがんじがらめでグルグルになってしまい、芸術と向き合う時間が疎かになってしまいました。
何かを見たりしても聴いたりしても、それは表面的で形ばかりのものになってしまい、自分と向き合って本当にやりたいと思ったことは何一つ実現できずにいたのです。
そして、ある時、遂に心身を壊してしまいました。

それから、人生初の大きな休みを摂りました。
幸いなことに、コロナ禍にも関わらず身近な人の多大な助けがあり、徐々に生き方を変えることができました。そして1~2年ほど前から、少しずつ自分のペースでやりたいことにも取り組むことができるようになってきました。

いざ動き始めてみると、長い間に貯めていたアイデアが自分でも意外なほどたくさんあることに驚きました。何時間もかけて綺麗な写真を撮ることも、慣れないツールを触って絵を描くことも、試行錯誤して数秒程度の3DやVRの映像を作り上げることも、コストや手間がかかること以上に、苦労して物を作り上げる楽しさを確かに掴むことができ、これが僕のやりたいことなんだと思い出すことができました。

本当は、体調を崩す以前に、そうした活動をおこなうためのウェブサイトも立ち上げが構想されていました。一度は頓挫してしまったその計画ですが、手助けしてくれる仲間の協力もあり、今ここにスルサルとして改めて立ち上げることができました。とても感謝しています。

名前の由来

ところで、もしかしたら「この連盟の名前の『THURSAR』とは一体なんだろう」と思われるかもしれません。
この名前は、古ノルド語(古アイスランド語)で「巨人たち」を表す言葉“þursar”に由来しています。
北欧神話における巨人は、原典の中でさまざまにその姿形を変えて物語に登場し、時として獰猛な怪物として描かれることもあれば、神に仕える賢者であったり、世界の運命を定める神々として恐れられることもあります。
僕は、善悪を超えた大自然の力強さを象徴する巨人たちの姿を芸術と重ね合わせ、「自分の視点から美しく力強い芸術を見つけたい」と考え、この名前を命名することにしました。

もう一つの由来

さて、名前の由来はその通りなのですが、僕が巨人に興味を持ったのにはまた別の理由があります。
昨年の夏、僕は何気ないきっかけでアニメーション監督である高畑勲さんの作品を頻繁に観るようになりました。
もともとは、やはりというべきか『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『ハウルの動く城』などの宮崎駿監督の作品が大好きで、「スタジオジブリ作品といえば宮崎駿作品」という風に考えている節があり、高畑勲監督の作品はあまり観てはいなかったのです。
しかし、夏の休暇のある日、「そういえば、スタジオジブリの作品でも見ていないものが結構あったな」と思い返し、弟と一緒に未見のジブリ作品を観ることにしました。弟の観ていなかった作品も合わせて、『魔女の宅急便』『ゲド戦記』と鑑賞していき、その流れから『平成狸合戦ぽんぽこ』を観たのです。

『平成狸合戦ぽんぽこ』は1994年の作品で、僕は間違いなくずっと昔に観たことがあるはずです。しかし、ストーリーを知っていながらも、その描き方と語り口にすっかり心を掴まれてしまいました。「どうしてこの作品はこれほどまでに面白いのだろう」と不思議な感覚になり、スタジオジブリ以前の時代から遡って、高畑勲監督の作品も順番に観ていくことになったのです。
各作品の感想はここに書ききれませんが、作品を知れば知るほどに、高畑勲さんの膨大な取材量と緻密な描写、こだわり、さらには作品を作る者としての気迫や人としての愛情がはっきりと感じ取れて、僕はすっかり圧倒されてしまいました。

そんな高畑さんの監督デビュー作『太陽の王子 ホルスの大冒険』に、巨人のモーグが登場するのです。
岩男の巨人モーグは、若き宮崎駿さんのアイデアを高畑さんが採用したことで実現し、物語の中でも大きな役割を担った重要なキャラクターとなっています。
しかし、キーキャラクターということ以上に、まだ何の実績もない一介の新米アニメーターの提出したアイデアを拾い上げて作品をブラッシュアップさせる、高畑さんのクリエイターとしての意思の強さがこのモーグにも顕れているような気がしました。
役職や肩書きに捉われず、自分の目で相手を見て、徹底的に意見をぶつけ合い、より良いものを見つけようとする。その姿勢の重要性を何よりも象徴していると感じられたのです。
そのため、この“巨人”というキーワードは、僕にとってとても重要な意味を持つようになりました。活動拠点を“巨人”としようと思ったのはそれが理由です。

これから

僕たちが作った巨人は、まだ中身ががらんどうで何も持っていません。しかし、これから広い世界を見て、多くのことを学び、たくさんのものを得て強く大きく育っていくと信じています。僕も仲間たちと力を合わせて、色々な活動を通じてこの巨人を立派に育てていきたいと思います。気長に見ていていただければ幸いです。

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