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【イベントレポート】「探究学習の最前線」第2弾「学校の枠を超えたWWL3年間の挑戦に見る探究学習の可能性」【探究学習の最先端校 立命館宇治高等学校 水口貴之先生登壇】

タイガーモブでは、これまで中学・高等学校をはじめ50を超える教育機関にグローバル探究カリキュラムを導入してきました。探究カリキュラムを通して、たくさんの生徒が自己変容を遂げ、アクションを起こし、社会を変えようとする姿を見つめてきました。
一方で 教育機関の方々や現場の先生方からは、探究学習の進め方が分からない、何をテーマにすればいいのか分からない、生徒を熱中させるのに苦労しているなど、戸惑いの声を聞くこともありました。

「探究学習の最前線 ~トップランナーの実践に見る、時代を切り拓く学び」は、
◉なぜ今「探究」なのか?
◉これまでどのような実践をしてきたのか?
◉探究学習をする中での子どもたちの変化は?
◉これからの授業はどのように実施されていくのか?
などなど…、実践者のリアルな声を聞きながら「探究学習とは何か?」を探るオンラインイベントです。

イベント概要

第2回目となる今回は、2022年3月23日(水曜日)に、探究学習の最先端校である立命館宇治高等学校でWWLの推進事務局を担当されている水口貴之先生をお招きして、3年間のWWLの挑戦から見えた「探究学習の可能性」や「学校にとらわれない再現性と持続性」についてお話しいただきました。

※アーカイブ動画は、タイガーモブTeacher’s Communityに参加していただくと、ご覧いただけます。コミュニティへの参加方法はこのページ下部のフォームよりお申し込みください。

【登壇者紹介】
立命館宇治中学校・高等学校
水口 貴之


・立命館宇治中学校・高等学校
・WWL推進機構事務局、IMコース担任
・岐阜県高山市出身。レスリング歴33年(ちびっこと大学の指導者)。スポーツ留学斡旋業の起業や文科省への出向経験を持つ。本校は母校で、全国にいる生徒の成長最大化を実現するために様々な企画をしている。

タイガーモブ株式会社 COO
中村 寛大


組織コンサルタントとして、採用活動、組織開発コンサルティング事業などに取り組み、エグゼクティブプランナーとして経営に参加しつつ、新規事業開発案件やM&A案件なども手がける。その後、ECベンチャー企業で執行役員として経営に参画。マーケティング、商品開発、財務・経理などを経験。
キッカケとなる体験・経験の価値を身をもって感じ、タイガーモブへジョイン。
タイガーモブでは、事業全てに責任を持つ何でも屋。クラーク高校での講師をはじめ、中学・高等学校のグローバル探究カリキュラムの設計、導入、コンサルティングを手掛ける。

イベント内容

第2回となる今回も多くの学校の先生や教育に関わる方々にご参加いただきました。

登壇していただいた水口先生からは、立命館宇治高等学校のWWLやコア探究の取り組みを中心に、探究学習に対する考え方や、探究学習を通じた生徒の変化、他の先生方と協働しながら学びを広げたり深めたりしていくためのコツなどについてもお話しいただきました。
その後、タイガーモブCOOの中村寛大のトークセッションを行い、実践的な学びを展開してきた2人の対談を通して、探究学習についてさらに深く掘り下げていきました。
最後は、参加者からの質問をもとに、これから実践していく上でのヒントになることをお話いただきました。



講演の中では、まず初めに「学校として」探究を進めていくうえでは、「より尖らせる」ことと「裾野を広げる」ことの両方が重要であるとのお話をいただきました。バックグラウンドの異なる生徒たちは、一人ひとり学びたいことや打ち込みたいことが多様であるため、特定の生徒だけが輝くだけにとどまらないよう、この両者のバランスを大切にしているとのことでした。



探究学習を通じての生徒の変化の一例としては、コア探究に取り組み始めてから、「将来の見通しがない、という生徒の数が激減した」とのアンケート結果もお示しいただきました。
また、これまでいくつもの表彰を受けてきた立命館宇治高等学校のプロジェクトについて、それぞれのプロジェクトを動かしている生徒は、決して初めからそのような力が備わっていたわけではなく、3年間の探究学習を通して、悩んだり壁にぶつかったりしながら、自分にできることを考え、支えてくれる人を見つけながら、徐々にプロジェクトを進めてきた、とのお話もいただきました。



FOCUS、FLAG、SURVIVE…水口先生が仕掛けてきた数多くの学びの場はどれもワクワクするコンセプトで、生徒が熱中できる本気度やリアリティがあることが印象的でした。
同じ地域で育ってきた生徒同士のみならず、他の地域の生徒達と混ざっていくことでより学びを深めていくことができるため、学校の中に留まらず、他校または企業と協働し、具体的なアクションを起こすことにこだわっているとのことでした。

そして、このイベントのサブタイトルでもあった「学校にとらわれない再現性と持続性」について、当初は「私立だからこそなのでは…」「立命館宇治だからできるのでは…」との見方もありましたが、他の学校でも取り組むことができる再現可能、またWWLの枠組みが終了しても続けられる持続可能性を大切にされており、そのための工夫がされていることがわかりました。

トークセッションの中では、参加者の質問に答えるような形で2人の対談が行われました。
中でも、「問いに対する共感や、プロジェクトをどのように自分ごと化するかということに苦心している」という参加者の声に対して、「社会課題解決」や「SDGs」といった大きな枠組みではなく、まず身近にある「違和感を感じること」に着目することから、それぞれのテーマ設定をすることを大切にしているとのお話をいただきました。

そして何より、「自分の学校だけが良ければそれで良い」ではなく、全国の高校生達に対して良い学びを提供できるように、まず取り組んでみて、そのわを広げていきたいとおっしゃっていました。
「企業や学校の大人を巻き込むときにお金がかかるのでは?」という疑問に対して、「志ベースで協力してくれる。想いを伝えることが大切。」とのお話がありました。まさしくこのように「日本全国の高校生に良い学びを!」という熱い想いがそうさせていることがよく分かりました。


参加者の声

・いかに教員を巻き込むかという最後のQ&Aのところが一番学びになりました。

・良い探究を行うためには、探究学習のファシリテーションが上手な先生が各学校にいらっしゃって、かつ、協働的な体制が築かれていることが重要なのかなと感じました。

・地域を見つめながら世界を視野に入れて探究を進めるのは、とても素敵だと思いました。

・教師も生徒も探究心を持って、相互に刺激し合う事が重要なのだと思いました。


まとめ

イベントにご参加いただいた皆様、ご講演いただいた水口先生、ありがとうございました。
水口先生のお話を聞いて、このような学びの場は決して「特定の学校だから」できることではなく、どこの学校でもそれぞれの強みを活かして再現可能であることがわかりました。また高校生の変化についてお聞きする中で、これからの探究学習の大きな可能性を感じることができました。


タイガーモブでは、これからも探究学習に関するイベントやプログラムを実施し、実践者からの学びの機会をご提供していきます。
アーカイブ動画は、タイガーモブTeacher’s Communityに参加していただくと、ご覧いただけます。コミュニティへの参加方法は下部のフォームよりお申し込みください。


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参加方法:

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