本当のたすかり

昨年4月頃のこと。住んでいる所から程近いバス停で、ある男性から声をかけられました。

『兄ちゃん。住む場所なくて困ってんねん。泊めてくれへんか?』

ホームレスの方でした。どうにかしたい!とは思いながらも、当時は寮住まいだったので、その頼みを受け入れられませんでした。

『ほんなら食べ物分けてくれへんか?来月なったら住む場所もお金もいけるねや。また返すから頼むわー。』

それくらいのことなら、と僕は自分の持っていたラーメンやパン、お菓子などを持って来てその方に渡しました。すると態度が凶変して、

『うん。ほんならもう帰っていいで。』

その変わりように少しモヤモヤしましたが、人助けが出来た!とほんのり余韻に浸っていました。

その件も忘れかけた数ヶ月経った頃、通りかかったそのバス停で声をかけられました。

『兄ちゃん。住むとこなくて困ってんねん。最悪、食べ物分けてくれるだけでもいいわ!頼むわー。』

その方でした。僕は驚いたのと同時にとてもショックを受けました。僕が助けた、と思っていた人が全く同じ状況で、同じ言葉を口にしているのです。

僕はその方を助けた訳ではなかったことに気付きました。ただ自分は人を助けたんだと、少し思い上がっていただけだったようです。

本当のたすかりとは心がたすかること

そんな言葉を聞いた事があります。僕が差し出した食べ物は、一時的にその方の空腹を満たしたかも知れません。でも、その方の本質が助かった訳ではなかったのです。

この時の経験から、人を助けるってどういう事だろうと考えます。僕が思っている以上に、大変で深刻な事なのかも知れません。

まだ答えは出ていませんが、色々と思案を巡らせたいと思います。ご意見聞かせていただければ嬉しいです。

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