町野泰弘

読んでくださった方から「面白かったですよ」といわれる文章が書ければ良いなと思っています…

町野泰弘

読んでくださった方から「面白かったですよ」といわれる文章が書ければ良いなと思っています。お世辞にも褒められると、書いてよかった、とうつむいて喜びを噛み締めます。(笑)週末はネット単位でニンニクを食べます。千葉県船橋市で「まちのキャンピングカー屋さん」という会社を経営しています。

最近の記事

♬座席に見る本心ーT高校管弦楽部同期6人の場合ー♬

私はこう見えて、【謙虚】な人間だ。 (「謙虚な人間がそんなことを言うのか?」という議論は今無視してください) 謙虚な人間に特徴的なのは 【1・約束の時間前には必ず行く】ということで、 嵐の日に行われた「T高校管弦楽部同期6人会」の40分前に私は店の前に到着し、大雨が降っていたのでお店の方にお願いし、30分前に入店させてもらった。 謙虚な人間にありがちなのは 【2・早めに行き過ぎるから会場に誰もいない】ということ。 そして、【3・席のチョイスは下座、末席の一択】ということに

    • 鼻毛カッターモニターへの応募文

      先日、酔っぱらって家に帰ると嫁がパソコンに向かってウンウン唸っていたので、何をしているのかと思って覗いてみると、 「パナソニック製『鼻毛カッター』のモニター」 に申し込むための文章を考えていた。そして申し込むにあたっては、「どれだけ鼻毛に困っているか」を書く必要があるのだという。 「どれどれ、見せてみな」 酒臭い息を嫁に吹きかけながら、嫁を押しのけパソコンの前に座り、嫁の文章を読んでみる 嫁の文章(原文) 「うちの旦那の鼻毛には困っています。正直、みっともない。  

      • ♬念願叶う喜び ー日本の詩歌全集ー♬

        このコロナ禍、念願叶って買ったものがあってそれは「日本の詩歌」という中央公論社から出ていた全31冊の全集だった。 私は高校生の頃から詩が好きで、友達に見つからぬようこっそりポケットに忍ばせた高村光太郎や中原中也の詩をつぶやきながら歩くような学生だった。学校の勉強こそ全く頭に入らなかったが、与謝野晶子の短歌などは結構な数覚えたりするド変態で、そしてそれは一人暮らしになった大学生になっても続き、ますますドップリ詩の世界にのめり込んでいった。その時のバイブルとして出会ったのが「日

        • 【星野源と新垣結衣、愛の滝修行】

          星野源と新垣結衣が結婚した。 あの二人は年齢も近いし「逃げるは恥だが役に立つ」で共演もしているから想像もつきやすい。すごくお似合いのカップルだと思う。 ただ、少し驚いているのは星野源の見かけによらないその【度胸】で 「星野源はよく共演女優を口説く気になったなぁ」 と感心している。というのも、私の周りで演劇を経験したことのある男は共演した女性を好きになってしまう輩が多く、結果、現実と虚構の境を見失い、とんでもない失敗をしているのを散々見てきたからだ。 恋愛ものの舞台をしたり

        ♬座席に見る本心ーT高校管弦楽部同期6人の場合ー♬

          【桜のある景色③ -葉桜を抜ける毒リンゴの風-】

          「町野先輩。大学にはこれだけたくさんの女子がいるのに  いったいぜんたいどうして僕には、彼女ができないんでしょう?」 入学式の桜の下。 明るく晴れやかな大学1年生の行列に向かって大声を張り上げテニスサークルへの勧誘プラカードを持った後輩が振り向いて私に言う。彼は大学2年生、私は3年生に進級した。意表を突いた質問と彼の言い方がおかしくて思わず 「残念だけど・・・お前の顔と性格だと一生彼女はできないだろうな」 「なんで・・・・・なんでそんなこと言うんです?」 「悪いことは言わ

          【桜のある景色③ -葉桜を抜ける毒リンゴの風-】

          【桜のある景色② -しだれ桜を見上げる犬-】

          虫にやられて今はもう無くなってしまったが、山口県下関市にある祖父母の家には小さいがしっかりとしたしだれ桜が一本あった。母が生まれる前から私が幼いころまであったから樹齢は7・80年だったろう。女性的ないでたちで、春になると華奢な姿に趣のある花をつけて家族を楽しませた。 その桜の下には頑丈な瓦が一枚置いてあり、そこには拙く「ポチのお墓」と彫られていてそれは私の母と叔母が小中学生の頃に飼っていた白い雑種犬の墓だった。ポチがいたのは昭和30年代だから放し飼いも許されていたのどかな時

          【桜のある景色② -しだれ桜を見上げる犬-】

          【桜のある景色① -桜下で幸せを舞う-】

          小学校低学年の春休み、山口県の祖父母宅に帰省していた時。 スーパーからの帰り道、祖母に手を引かれて川沿いの桜並木を歩いていると不意に桜を見上げて祖母が立ち止まり、 「やっちゃん。良いことを教えてあげる。  舞い降りてくる桜の花びらを、地面に落ちるまでの間に連続して5枚取ってごらん。  その年はきっと、良いことが沢山あるよ。」 そう言われて桜を見上げ、 「ホント?」 目を輝かせ、桜の舞う中を花びら相手に、 「はっ・・・ほっ・・・やっ!」 一生懸命に挑戦した。桜の花は

          【桜のある景色① -桜下で幸せを舞う-】

          矢沢、和牛です!

          会社員時代。 お得意先として懇意にさせていただいていた某大手建設会社の人から呼び止められた。 「町野くん、残念だったな。先週の忘年会に出席できなくて」 仕事の都合でやむなく辞退した忘年会の話を、その会社の人から聞いた。 「どうしたんです。なんか面白いことでもあったんですか?」 「いや、別に普段通りの忘年会だったんだけど、X部長がモノマネやって、  それがすごかったんだよ。モノマネが、本物を越えたね。」 X部長は「矢沢永吉」に雰囲気がとても似ていて渋くおしゃれな人で、と

          矢沢、和牛です!

          ♬ マギー司郎の思い出 ※ご存命です ♬

          先日。電車に乗っていると前にいた若い男性二人の会話が聞こえてきて 「デートの最中、女の子と会話に詰まった時の空気ってイヤじゃね?」 言っていた。聞きながら、若いなぁと思いながらも、でも確かに私もそういう時のためにその場しのぎの話題を準備していた時期があったことを思い出した。私の場合、それがどれだけ意中の相手でどんなに美人であったとしても、話が盛り上がらなければそれはもうご縁がなかったですねと簡単にあきらめる性質なので、沈黙は全く気にしないがただもしそんな状況になれば、新た

          ♬ マギー司郎の思い出 ※ご存命です ♬

          ♬ 熟女の高枝切バサミ ♬

          今さっきまで。 船橋のスターバックスでコーヒーを飲んでいたのだが、三人掛けの後ろの席に座っている三人のおばちゃん(60過ぎ?)の話題が約一時間、ずーーーーーっとブレずに、 「ホームセンターで買った高枝切バサミ」 だった。 今、そのおばちゃん達は帰って行ったのだが、聞いていてちょっと感心したので、以下、話の流れを章立てにし、その会話を中心に要点をまとめておく。 【序章】 「それがさ~、この間ホームセンターで買った高枝切バサミが結構良いのよ」 「へぇ~」 【第一章】

          ♬ 熟女の高枝切バサミ ♬

          壮絶男飯「ジャーマンスープレックスライス」

          来週末。 山口からいとこ二人が法事のため上京し、私の家に寄る。 嫁が、 「晩の食事は外食がいいのかしら?」 と心配するので電話して確認してみる。 「おお、昴生(仮名)?・・・・今度ウチにきた時の晩飯は何にするよ?」 昴生は40才。 彼は根性型で、親の期待にも応え、勉強もスポーツもできる優秀な男だ。 でも、普段はおっとりした性格だから、私が飯の質問をしても 「いや、やっちゃん兄ちゃん(私のいとこは私をこう呼ぶ)、  何でも良いよ。気を遣わないで」 答えにならない答えに終

          壮絶男飯「ジャーマンスープレックスライス」

          今井美樹(似)の爆笑出産!!

          数年前、大学時代の後輩の嫁さんが子供を産んだ。元気な女の子。 その奥さんには何度か会ったことがあるが、歌手の今井美樹さんに顔も雰囲気もとてもよく似ていて、おっとりとして柔らかい素敵な女性。話を聞くと、 「私、中学時代から今井美樹さんに憧れていて、服装とか真似してたら  『雰囲気が今井美樹さんに似てるね』っていわれるようになったんです。  それから高校大学と家でポスター貼って毎日ずっと今井美樹さん見てたら  『顔も似てるね』  って言われるようになったんです」 「遺伝子」を

          今井美樹(似)の爆笑出産!!

          ♬それは神の仕業か遺伝子の仕業か♬

          若い頃に読んだ、遺伝子研究の教授が書いた本に 「人間は、遺伝子の箱にすぎない。  人間が生きるのではない。  遺伝子が生き残るため、人間の体を利用しているだけだ」 という一節があって、そんなものなのかなぁ、とその時は分かったようで分からない気がしていたが、だんだん年を取るつれ人間には確かにそういったところがあって、私には間違いなく両親の血を引いた肉体的特質やらどうにもならない性格があることが自覚されてくる。 だからこそ、目の前で年老いていく父の姿を見ていると人生の逆算を見

          ♬それは神の仕業か遺伝子の仕業か♬

          ♬ 新米で松田優作と小栗旬が千尋にタニタ ♬

          毎年、新米が出るたびに美味しくてビックリする。 口に入れただけですぐにわかる芳醇。思わず茶碗に入ったご飯をリビングの明かりにかざして眺め「太陽にほえろ」の松田優作ばりに 「なんじゃぁこりゃ!」 叫びたくなる。みずみずしくてつやがあり、一粒一粒が茶碗の中で立っている。もちろん、昨日までのコメも確かにつやがあり、茶碗の中で立っていた。ただ、昨日までのコメとは明らかに違う。新米を食べてしまうと、昨日までのコメはコメにあってコメにあらずと感じる。 そこで気づく。 「【旬】ってい

          ♬ 新米で松田優作と小栗旬が千尋にタニタ ♬

          ♬ Dream ー当たるまで、危篤を繰り返せ!ー ♬

          「父さん・・・・・。大分の爺さん、危篤らしい」 私が電話口で言うと、 「そうか・・・まあ親父ももう年だからな。覚悟は出来てるよ。」 受話器の向こう父が静かに答える。・・・元気がなかった。 若い頃から「不死身」と言われた祖父だが、父の言葉を聞いて思わず「あの爺さんもいよいよか」と私も覚悟した。なんだか、寂しい気持ちになった。 3日前の話だ。 今年で85歳になる祖父が危篤になるのは、これが初めてではない。10年前に初めて危篤になってから【3年ぶり5回目の危篤】だ。 これを人に話

          ♬ Dream ー当たるまで、危篤を繰り返せ!ー ♬

          ♬ こちら千葉県幕張運転免許センター前陸橋 ♬

          私は千葉県の東船橋でキャンピングカーのレンタル会社を経営しているが、ウチはキャンピングカーに初めて乗るお客さんにはできるだけ試乗をお勧めしている。それは、これまで普通の車しか運転したことのないお父さんが、初めてのキャンピングカーでも家族を後ろに乗せて安心して旅行に出られるようにという想いからだ。 というのも以前。 ウチの1階にあるケーキ屋さんにケーキを買いに来たお母さんと幼いお嬢さんが、帰りにウチのキャンピングカーを見て 「こんな車で旅行してみたいね~」 盛り上がり、そ

          ♬ こちら千葉県幕張運転免許センター前陸橋 ♬