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一日一妖

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ほぼ一日につき1つ妖怪や伝説、不思議な話をUPしていました。 自分自身もしらなかった話を紹介できるようにしています。
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記事一覧

堀田様のお人形

堀田様のお人形 江東昔ばなし  ある家に江戸時代から伝わる人形があった。  これは堀田様のところで働いていた、何代も前のおばあちゃんがいただいてきたものだという。金太郎とも赤ちゃんと呼ばれかわいがられた。  この人形は生きているといわれ、留守になると時折場所がかわるなどした。  色がわるくなって人形師に手入れを頼むと、夜泣きするからと返された。

ゆりこみ堂

ゆりこみ堂 『郷土の民話』中播編  一人の虚無僧が大山の地蔵堂で一夜を明かすことにして旅装を解いた。夜気の中、尺八を吹いていたが、いずれ眠気が来て、眠りが訪れた。ふと気配に気づき、そちらを見ると月明かりの中に、障子を通して女性の影が見えた。障子を開けると一人の娘が立っていた。 「わたしはこの近くに住んでいる者ですが、あまりに美しい尺八の音を聞きましたので、家を出てきてしまいました。もう一曲お聞きしたいのですが、申しあげかねますので、このまま帰ります」と娘は言った。 僧は深山

氏神さんの唐獅子

氏神さんの唐獅子 琴南町誌  氏神さんの唐獅子は、犬に姿を変えて氏子を守り抜くという。  唐獅子の雄は、氏神さんの御命令があればすぐにも駆け出せるように待機している。命あるとすぐ走りだし、大事な氏子の危機を救う。  雄の後から、雌もすぐに駆けて行く。弁当を持って走る雌は、丸い団子をいつも口にくわえている。

火の玉小僧

火の玉小僧 参陽新報 明治34年2月2日 信州のある寺で、刈った草を燃やそうとしたところ、火が燃え広がった。 怒った村人により、小僧は石を積んだ塚の中に顔だけだして生き埋めにした。 小僧は 『この村を一軒残らず焼き払わん』と言い残し亡くなった。 その後、一件の家を残し、村は全焼した。 それから小僧は火の玉小僧と言われるようになった。 残った一件は、小僧が閉じ込められたら際に、密かに水を与えた家であったという。 それからも数年ごとに村は焼けたという。

軍事天狗

軍事天狗 東京平仮名絵入新聞 明治八年十二月二十八日 京都の鞍馬の山で、毎夜大きな火ノ玉が出た。 京のうわさによると、朝鮮出兵に黒田さんが連れていくために訓練しているためという。 黒田さん:黒田清隆。薩摩出身の政治家、軍人。明治9年(1876年)に日朝修好条規を締結し、同10年(1877年)の西南戦争では熊本城の解囲に功を立てた。

茸狩の話

茸狩の話 北国新聞 明治36年9月23日 70あまりになる茸狩の名人と呼ばれる松田老のはなし。  妖怪などにあったことはないですが、魔所といわれるところでは油断しないものでした。  ある時、上の方から石が投げられるコトがあり、見てみるとその石はこのあたりでみないものでした。これは誰かのいたずらであろうと思いました。  しかし、こういう時には『しばし、ここを貸してください』と声かけすれば、おかしな事は起こらなくなるものと伝わっています。  声をかけると石は落ちてこなく

死する人たち

青森県の怪談 旧暦の正月16日の夜12時、誰にも気づかれないように屋根の上から見ると、その年のうちに亡くなる人が死に装束を着て墓に向かっていくのでわかるという。

本姫さま(書籍姫)

本姫さま  youkai shoot the breeze    江戸時代は何となく、本とか沢山出回っていた印象があるけど、やはり今に比べて本は高価だったわけです。  貸し借りもあったわけで、藩で運営したり、中にはお寺で貸してくれる場合などもありました。  その一つ、四谷の全勝寺というお寺の墓地の一角に小さなお堂がありまして、玉心院経蔵という名で本を貸してくれる文庫となっていました。  全ての人では無いですが、返す時は別の本を一冊添える事になっていて、それによって維持されて

夢告地蔵尊

夢告地蔵尊 現地の説明板  江戸時代にコロナで亡くなった人を供養するもので、延命地蔵尊と呼ばれ、信仰を集めた。  その後、火災と廃仏毀釈により、堂は取り壊され、仏像は埋められた。  大正八年のこと小柳丈之助という人は夢を見た。  地蔵尊は、地上に出たいと望んでいた。  埋められたらと思うあたりを町民一体となり掘り起こした。  三日後、掘り起こされ、夢告地蔵尊と命名された。 https://twitter.com/tikutaku/status/1784124389929

開かずの箱

開かずの箱 岡山の怪談 吉川八幡宮にあるという箱。 この社を作る時にひとりの大工が来た。大工がひとりなのを人々は不安がった。 大工はどこからともなく持ってきた木を刻みはじめた。それが終わると、ひとりの小僧が作業に加わり、見事に宮はできあがった。 最後に大工は長持ちを一つ残した。 「これは神意のこもったものが入っているから神のそばにあった方がいい」  小僧は人形であり、大工は飛騨の匠あったという。

お化けしるこ

お化けしるこ 郵便報知新聞 明治八年八月二十五日 赤坂田町辺りで、毎晩深夜二時から三時に悲しき声で『しるこーや しるこ』という物売りの声が聞こえるが誰も来ない。 そんな事があり、人が集まったという。

予言の子

予言の子 東京絵入新聞 明治13年4月6日 熊谷近くの葛和田村で生まれた子は、生まれながら弁舌巧みで、今年もコレラが流行る。それに抗うためには、餅をつき天道様へ一週間備えたものを食せと話した。 その後、自らは人民を災厄から助けるために胎内を借りた神だと語って亡くなった。

青炎の女

青炎の女  開花新聞 明治16年4月17日 米国艦艇が太平洋航海中、日没となったときに、空中から大いなる火ノ玉が轟然と現れ、忽ち破裂して、消滅したのを見た。 青白き火炎の形が、女のものとなり、次第に伸びて雲の中へ消えていった。 太平洋を航海する船がときおり会うという。

手長化

手長化 八潮市史調査報告書 5 八潮の民俗資料2        ババ池と言う池があり、この池の淵に榎の大木があり、その木のまたから手長化(てながばけ)が出ると、子供のころ、親に聞かされた。