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『ミルクコーヒー缶 on the 歩行者用手押し式信号機の黄色いボックスのやつ』

 今日散歩をしていたら、信号にある歩行者用の押しボタン(黄色いボックス お待ちくださいとか出るやつ)の上に”ミルクコーヒーの缶”が置いてあった。つい、「ナニッ!?」と声を出して二度見してしまった。
 自分が声を出してびっくりしたのは誇張ではなく事実だ。ホントは心の中で呟いてたのを口に出したとしているわけじゃない。実際に「ナニッ!?」と言ってしまったあと、信号待ちをしていた車のドライバーにめちゃくちゃ不審な顔をされたから事実だ。あの珍しいものを見たという表情は忘れられないから。
 なぜそんなに驚いたかと言うと当然缶が置かれているところが不自然すぎるからだ。横断歩道にある歩行者が押すあの黄色いボックス。あんなところにミルクコーヒー缶が置かれているのは人生で初めて見た。
 なぜあんな所に置かれたのか考えてみよう。
 一番もっともらしい理由としては、その缶が道端に落ちているのを発見した人が、そのままにしておくわけにもいかずとりあえず黄色い箱の上に置いたというところだろう。それでも、手押し式信号の黄色いボックスの上に置く説明にはならない。
 もしかしてのもしかしてなんだが、このミルクコーヒー缶は特別なものなんじゃないか? 例えば魔法のランプならぬ魔法のミルクコーヒー缶だったとかあるかもしれない。
 心優しい人がこの缶を見つけて、「おおなんとみすぼらしい缶だこと。これじゃあかわいそうだ。家に持って帰ってあげよう」そう言ってその人は家に持ち帰り、洗剤を使ってきれいに洗って、乾いた布巾でキュッキュと磨く、すると「ぽわわわ~ん」なんとミルクコーヒー缶から美川憲一が!
「そうよ、わたしはさそり座の女~」

 ……ってそんなことはないか。
 では、犯罪に使われているという線はどうだろうか。この缶を目印にして、深夜この場所で闇の取引が行われるんじゃないか?
 う~んこれもなんかしっくりこない。

 そもそも、なんでミルクコーヒーの缶なんだ?缶って黒か金のパッケージで、コーヒーのみって相場が決まってるじゃん。偏見かもしれないけど、そうだったらなんとなくどんな奴がどんな風にここに置いたのか想像ができる。
 日曜日に友人と自転車に乗って遊びに行く中学生がふざけてやっちゃったとか。日曜なのに仕事だということを嘆く職人がちょっとした社会への反抗心でやっちゃったとか。
 偏見だけど、黒か金のパッケージのコーヒー缶ならそういった説明みたいなのを与えることができて満足する。
 しかし、今回の事象はミルクコーヒー缶。茶色のミルクコーヒー色で白い文字で、ミルクコーヒーって書いてある缶。そんなTHE ミルクコーヒーじゃ犯人も動機も見当がつかない。もうわかんないよ。

 もういいや。なんかあほらしくなってきた。なんでたかが缶が黄色いボックスの上に置いてあるだけでこんな大騒ぎしてるんだ。何を考えたって道徳もくそもない変な奴がポイ捨てしたってことにはかわりないじゃないか。

 ポイ捨て反対! 以上!

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