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眠るとき君は死に 朝起きてよみがえる/奈倉有里さんのエッセイ「朝、ブリューソフ」日本経済新聞夕刊2023.12.6

 ロシア文学者の奈倉有里さんが日本経済新聞水曜夕刊で連載中のエッセイも今月で終わりかと思うと寂しく感じます。

2023.12.6は「朝、ブリューソフ」
〈泣くな 悩むな 過去など ない!〉
ワレーリー・ブリューソフ

 奈倉さんが詩に元気づけて欲しい時、応援歌のようなブリューソフの詩がいいよ!と紹介してくれています。

泣くな 悩むな
過去など ない!
愛想よく にぎやかに
光が とびこんでくる
眠るとき 君は死に
朝起きて よみがえる
無心で見よ 空の彼方を
永遠に続くは 望むもの
つらい思いは 失せる
絶えず 進めよ
前へ 前へ

 毎日思うようにいかず、苦しい毎日が続く場合も眠ってリセットしてよみがえり、無心で空の彼方を見て、前に進もう!というわかりやすい詩が妙に心に沁みます。

 詩と言えば、上田敏訳「海潮音」のカール・ブッセ「山のあなた」もその昔よく本で紹介されていたので好きな詩です。

山のあなた

山のあなたの空遠く
さいわい」住むと 人のいふ
ああわれひととめゆきて
涙さしぐみ かへりきぬ
山のあなたになお遠く
さいわい住むと人のいふ

 朝、駅を出て、高台から遠くの空を眺め、「いざ!今日も戦場へ!」と自分を鼓舞しつつ、とぼとぼ歩き出しましたが、おもしろい雲の形だったので、つい立ち止まってカメラにおさめました。
 空の彼方を見つつ、身近な幸福感を大事にしようと、奈倉さんの紹介いただいた詩とともにカール・ブッセの詩も思い出しながらとことこ歩き出しました。

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