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スーパーカー(いしわたり淳治)と木村豊さんに宛てるラブレター

いちばん好きなアーティストは?と訊かれたら、真っ先に「スーパーカー」と答える。
スーパーカーのB面も好き。でもその好きな曲名で検索しても、私と同じくらいの熱量で語ってる人がいないのが悔しい。本当は、スーパーカー、というより、いしわたり淳治の描く世界観が好きで好きでたまらない人が、いっぱいいるはずなのに。

■スーパーカーとの出会い
青森で生まれた人ならわかるけど、東京で生まれ育った人のような豊かさとか娯楽の豊富さなんて、田舎の高校生にはどこにもない。
そんな田舎っぺな私の唯一の楽しみは、ブックオフで一目惚れしたCDをジャケ買いすることだった。
今でも鮮明に覚えているが、やることがなくボーっとするだけの日曜の夕方、気晴らしに自転車に乗ってブックオフに向かった。
特にお目当ては無かったけど、なんとはなしに目についた真っ青なジャケットに心を惹かれて、アルバムを買って帰ったのが私のスーパーカーとの出会いだった。
creamsodaが流れた時に走った、雷のような衝撃をずっと覚えている。
もし、木村豊さんが、スーパーカーのスリーアウトチェンジのジャケットを作っていなかったら、今もこうして(酔っ払った勢いだけど)スーパーカー、いしわたり淳治への想いを綴ることはなかった。
(木村さんに憧れてジャケットデザイナーになりたいと思っていたが、叶わなかった。今は普通のサラリーマンだけど、いい夢を見させてもらったように思う)


■Life goes on

絶対だけは当てにしないほう。
嘘を慎しんだほう。
なぁなあだけど頑張ってるほう。

私の生き様そのもののように感じる。言葉としては前向きなのに、悲壮感が漂っている気がするのはなんでだろう。そういう、どこかやるせない空気感が漂っているのが、たまらなく好きです。


■DRIVE

仲の悪そうなスーパーカーの、数少ない(?)一緒にいるシーンを集めたMVが私は大好き。
夢に疲れただけだよね?って諭してくれる歌詞と、ミキちゃんの歌声も好き。
疲れただけで、諦めたわけじゃないんだよ。ただ今は、ちょっと立ち止まりたいだけ。そんな歌詞に何度救われたんだろう。
……どうかバンド復活だけはしないで欲しい。解散したままでいてほしいと思うのはなんでだろう。

■Love song
シンプルなギターにミキちゃんの歌声。DRIVEにちょっとだけ似てるのかもしれない。
「もう僕に合わせなくていい」それが究極の愛なんじゃないかなって、この曲を聞くと思っちゃうところがある。

■Baby once more
この頃から、スーパーカーの曲調が変わりますね。でも、あくまでこの曲の好きなところは、聞こえない歌詞です。
「今度はよりかからないで愛そう」
愛するとは、相互の自律が前提ですもの。

■Happy Talking
仕事が終わらないとか、考えごとして夜眠れないとか。
そういう時に限って映る深夜番組って、なんか切ない感じがして。
真夜中の、周りが寝静まっているのに自分が一人だけ取り残されたような、あの寂しい感覚を、この歌では慰めてくれる気がする。

「このままいっそ朝になっちゃえば」


誰かは、スーパーカーに歌詞はいらない、とか言ったかもしれない。
でも私は、いしわたり淳治が紡いだ言葉たちに救われてきた。
スーパーカーは、いしわたり淳治の歌詞があって始めて成立する。
「絶対だけは当てにしない」とスーパーカーは歌うけど、いしわたり淳治の言葉が私を救ってきたことは絶対なんだよな。

いっかいきりを生きるのに、私はスーパーカーに出会えて良かったなぁと心の底から思います。

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