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『TENET』とノーラン監督

"クセがすごい"映画。
ノーランの癖まみれ。

◉ノーランは何をやりたいのだろうか?
・逆行装置→カメラ、編集、映像、映画
常に映画という物の枠組みを意識して、映像実験をし続けている人。

◉久しぶりに頭狂ってるなと思った。
特にカーチェイスシーン。見たことのない映像を撮ろうとする執念。アイデアが素晴らしい。
人間ドラマ的な物があまりなく、行動原理が薄い、という意見もすごくあったが、僕はそこが好きなのかもしれない。
というか、ノーランの好きな所はそういう所だ。
スーパーで買い物カゴを引いている人を見て、「逆行している・・・!」とか思ったり。

探究心、興奮、謎、問い、一見難しい話と一括りにされてしまいがちな事を、エンタメに昇華しているし、何より見ていて、単純に楽しい。画面がクライマックスと言うか。
案外設定が後付けの物でしかなく、画面を成立させるための背景だとしたら、それも凄く良いな、と思う。そういうレゴブロックで新しい世界を作り上げる興奮のようなものを、ノーラン映画は思い出させてくれる。

◉TENETの解説動画を見て、思ったのは、「すごくこういう話好きだな〜」という事だった。
予習動画みたいな物で、エントロピーがどうとか、時間とはこう進む、とか物理の話が主で、知らない話ばかりだった。
なんとなく、知的興奮をするという事自体を嘲笑う事があるので、素直に面白いなーと思えたのが嬉しかった。
これからは、そういう興奮も大切にして、なるべく素直に向き合えたらな、と思う。


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