ぴゃ〜ちゃん

七転び八起きの園芸日記。

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最近の記事

ルリタマアザミ

ここに越してきて最初に地植えをしたのはエキノプスだった。 エキノプス。和名はルリタマアザミ。アザミというとよく空き地やコンクリートの隙間からたくましく生えている雑草に近いイメージがあるが、ルリタマアザミはたくさんの小さな花が球状にかたまって薄紫に咲く花で、アザミとは仲間だと思うがより鑑賞価値の高い園芸品種なのだろう。 植物にハマり出した当初は鉢植えだけに甘んじていたが、徐々に物足らなくなり地植えをしようと思い立った。何を植えようかと色々と探している中にルリタマアザミを見つけ

    • ハナモモ 2

      この春、晴れてアスピリンから解放された。検査は定期的にするが薬はもう飲む必要はないといわれたのだ。 ところがその診断を受ける直前に全く別の病気にかかってしまい、これまでと全く別の科に通い、全く別の薬を数ヶ月飲むこととなった。まるで薬、または病気がリレーでもしているようだ。ヒトの体でまったく迷惑な話だ。 虚弱体質というわけではないが、この十年でそれぞれ関連のない病気で三回も入院しているし、同世代の人に比べると病気の多い人生かもしれない。 症状も軽く、先生に仕事はしていいと言われ

      • ススキ

        つい先日の話。 その日、昼はラーメンを食いに行こうと決めた。妻が出社日なので、昼食は自分で調達する必要があった。 昼の十二時を過ぎたので家を出た。目当てのラーメン屋までは自転車で十五分。途中、丘陵地帯特有の小さな丘が三つあり、緩やかだがそれなりに長い坂を三回登って降りてを繰り返さねばならない。電動自転車といえどラーメンを食うにしてはなかなかの身の削りようだが、それほどまでに好きなラーメン屋だった。 一つ目の丘を超えたあり、幹線道路沿いの交差点で赤信号をぼーっと待っていると、

        • 冬の水やり

          今年初出勤の日、新年の挨拶メールを何通か送り終わると喉が広範囲にわたりピリピリしていることに気がつく。「あ、ヤバ」と思いすぐに自宅に戻ってリモートに切り替えることにした。帰路、みるみる体調は悪化し、駅に着くころには自転車も漕げないほどに衰弱し、徒歩十分の道のりが途轍もなく長く、そして寒かった。 帰宅するやいなや測った体温は三十七度後半を示し、発熱の旨会社に伝えるとすぐに寝室に飛び込んだ。翌日病院へ行き検査の結果コロナの陽性であることが判明し、かくして隔離生活が始まった。 寝

          あんず

          今年の六月頃の話。 福岡に住む友人のMくんからダンボール一箱分のあんずが届いた。奥さんの実家宮古島で沢山獲れたので送ってくれたのだ。ダンボールを開けると土臭く且つ爽やかな柑橘系の香りが途端に広がった。 事前にラインで知らされていたので、あんずの活用法はジャムと酒にしようと企てていたが、よくよく調べるとあんず酒は漬け込む期間が想像以上に長く、馴染みもないし興味を持続させる自信がなかったので、すべてジャムにすることにした。 遠方の友達から届いたあんずで作ったジャムを毎朝トーストに

          トケイソウ

          去年の夏、トケイソウの苗を買った。 以前から気になっていたので、園芸店で見つけた時、すぐに買うことに決めた。苗を手に取ると、つる植物なので伸びた茎が隣の苗に絡みついており、うまく持ち上げられなかったので、店員さんを呼ぶことにした。レジ近くに店員さんを見つけたが六十代と思しき女性客の接客をしているところだった。しばらく待ったがなかなか話が終わらないので、牽制の意味も込め「すみません」と声をかけると「どうしましたか」と見覚えのある男性の店員はすんなりこちらに来てくれた。それまで

          トケイソウ

          皇帝ダリア 2

          一年ほど前に皇帝ダリアにまつわる投稿をした。 冬越しに失敗し死んでしまった皇帝ダリアのすぐそばに丁子草の仲間であるアムソニアを植えたが、皇帝ダリアは死んでおらず芽を出し始めた。共生するにはあまりに距離が近いので、どちらかを破棄するか、植え替える必要に迫られどうしようか迷う。という間抜けな話だ。 その後の皇帝ダリアに動きがあったのでまた投稿する。 皇帝ダリアとアムソニアの関係に悩んだぼくは、結局何も対策を施さなかった。というのも、皇帝ダリアは根が張りすぎて植え替えはほとんど

          皇帝ダリア 2

          アネモネ

          先日こんなことがあった。 ゴミを捨てに行こうと、エレベーターで地下に降り、ゴミ捨て場のほうに続く扉を開けた時のことだった。向かいからぼくより年配であろうおじさんが歩いてくるところだった。扉を通り抜けた後、このままぼくが手を離すと、扉はおじさんとすれ違う直前で閉まってしまうタイミングだったので、気を使いそのまま扉を手で押さえ続け、おじさんが通るよう促した。 するとおじさんはどういうわけかその場で止まってしまった。 ほんの一瞬扉を手で押さえれば済む間合いだったので、前に進む勢いを

          スイセン

          「スイセンには毒があるでしょうか?ないでしょうか?」 仕事も納め休みに入った去年の暮れ、家でぼーっとしていると小学一年の娘が突然背後からクイズを出してきた。 「スイセン?え、毒なんてないでしょ。ない」 「ブー、不正解です」 「え?ホント?てゆうか何見てるの?」 娘が持っていた本をつまみ上げると、図書館で借りてきたと思しき「街の危険生物」的な子供向けの図鑑だった。開かれたページに毒のある植物が載っており、ここから出題したようだった。 全く知らなかったが、読んでみると確かにスイセ

          ねこじゃらし

          去年の秋頃のこと。 ある日自宅で仕事をしていると、娘のキッズフォンから着信があった。 「Mくんが道路のほうに行っちゃった!とにかくきて!」という。 娘は学校から帰るとマンションの向かいの公園で仲のいい二人の男の子と遊びに出かけていた。 Mくんはそれらの子と別の名で僕の知らない子だった。 何事かと思いすぐに行ってみると、公園と道路を挟む歩道に娘を含めた見覚えのある三人がいた。そこから少し離れたところに、公園と隣接するマンションに続く、少し高まった植え込みに一人の少年が座りこんで

          ねこじゃらし

          玉神木

          大晦日から新年の二日まで実家に帰省していた。 去年の十月に母の納骨式のため一人では来ていたが、妻と娘を連れて帰省するのは一昨年の正月以来ちょうど二年ぶりだ。 一昨年の帰省から東京に戻った二週間後に母から病状を聞かされ、その一月後に母は亡くなった。それからコロナの騒ぎが大きくなっていった。 二年ぶりに実家に戻り、父親、三兄弟それぞれの家族と卓を囲むことで改めて浮き彫りになった母の不在感は、亡くなって二年経つが新鮮なことだった。 「あー、死んだんだな」と、ようやく得られた実感

          三尺バーベナ

          今年の早春、庭に宿根草をいくつか植えたが、そのうちの一つに三尺バーベナがあった。 クマツヅラ科クマツヅラ属の多年草。学名はバーベナボナリエンシス。一般的に三尺バーベナだったりヤナギハナガサと言ったりするらしい。 数年前とある園芸雑誌に載っていたのが印象的でずっと気になってはいたのだが、なかなか園芸店でお目にかかる機会もなく数年経ち、今年たまたま見つけたのだ。 事前調査で得たいくつかのサイトの触れ込みをまとめると、三尺と名前にあるようダイナミックに草丈を伸ばした先に、濃い紫の小

          三尺バーベナ

          アキレア

          フォローさせていただいている方の投稿で、誕生花の存在を知った。 365日、何かしらの植物が割り当てられているという。 さっそく家族の誕生花を調べるとぼくと妻の誕生花は低木で、マンションの専用庭では育てられないので記憶にも残らなかったが、娘の誕生花がアキレアだったのに驚いた。ちょうど次の春に植えようと思っていた花だったからだ。 キク科の多年草で、和名をノコギリソウという。 草丈一メートルほどで小花が皿状に固まって咲く素朴な花だ。 よく覗く園芸ネットショップで印象的なオレンジが目

          一年草

          インスタを見てたらフォローしている園芸ショップの投稿で「パンジービオラの入荷始まりました」というのがあった。あ、そうか今年もそういう季節か、とそれを見て思うのだった。日々草や、ペチュニアともそろそろさよならか。 我が家の庭では今、ペチュニア、日々草、マリーゴールド、アゲラタム、ルドベキアなどの一年草があるが、どれもおしなべて元気がない。元気がないどころか、日々草意外ほとんど花を咲かせていない。寒くなってきたからという訳ではなく、梅雨明けに切り戻してから、盛り返すことなくテン

          ひまわり

          槇原敬之の曲に『ひまわり』という曲がある。 恋人との別れの曲。 寂しく始まって、最後ちょっと元気にして終わる、マッキー節炸裂の名曲だ。 この曲はシングルにもなってないし、あまり有名じゃないと思うが、マッキーの曲の中でも特に好きな曲だ。 この曲だけでなく、槇原敬之の曲を聞くとどうしてもよく聴いていた実家に住んでいた頃のこと、特に母親のことを思い出してしまう。 小学四年の頃、通っていた塾の夏合宿でのカラオケ大会で『彼女の恋人』を歌わされて以来、僕は槇原敬之のことが大好きだった

          エキナセア

          台風一過のある日、妻と娘がお義母さんの家に泊まりに行くというので、夕飯は自分で調達せねばならなかった。 稀に訪れる一人の夜を有意義に過ごそうと思案した結果、自転車で15分ほどのところにあるラーメン屋に行こうと決めた。 帰宅後は早めに仕事を切り上げ、酒を飲みながら映画でも見ようと胸を躍らせた。 時間も金もない自分にはささやかながらも贅沢なご褒美だ。 午後5時半。一旦仕事を切り上げ、いざラーメン屋に向かう前に庭に出た。 昨晩の暴風雨で今朝の時点で我が家の植物たちが甚大な被害を被

          エキナセア