90年代後半以降、不況が到来して意味の変わった言葉

今、当たり前のように使われている言葉で、90年代以降の長期停滞化の日本で意味が変わってしまっている言葉が多々あります。
元々どんな意味で使われていた言葉かを思い出して、マスコミと政府がいかに言葉をゆがめ世論を操作する力を持っているかを再認識し震えましょう(笑)

自己責任

元々は、規制緩和や自由化に伴い銀行(ひいては銀行に紐づく、企業)のリスクマネジメントがより強く求められるようになる。つまり単に(大手銀行や企業の)経営者に向けた行政の保護的な政策の限界(もしくは責任転嫁)を告げる言葉でした。

金融 1月(514) 全国銀行協会

産業構造の転換

元々は、80年代に日本企業が世界中に低価格高品質の商品を輸出してその国の地場産業を荒らしまわっていたので、世界中から非難が上がり、日本企業が輸出を自粛して、内需主導型の産業構造に転換するべしという意味でした。

前川レポート

改革

改革という言葉は、もともと上記の内需主導型の産業構造に転換し、企業が内向きの行動をとるように、規制を緩和し、政府が国債発行を増やしてその呼び水とするという意味でした。つまり国民の生活向上という名目で企業を国内活動に押しとどめるための行政や規制の緩和の事だったのです。

経団連会長・副会長,新年の課題を語る

グローバル・グローバリズム

グローバリズムつまり国際化とは、日本の産業が強すぎるので、他国の地場産業に配慮して、日本のみの経済拡大路線を自粛する、もしくは日本の技術移転を海外に対して推し進めるという国際協調路線を意味する言葉でした。つまり日本にとってはできない子に合わせるという意味だったのです。

商工ジャーナル 16(2)(179)

生産性

90年代以前は日本経済が世界で最も強い経済でしたので、あまりにも日本国内の物価が世界的にみて相対的に高いために、効率化もしくは輸入による市場原理?の導入によってモノの値段を下げるために生産性を向上するべきという意味でした。
(特に農業分野において安くせよという意味の生産性が強調されました。おそらく経常黒字縮小の為に農産物輸入が既定路線だったので、それを生産性の低い農家のせいにしようとした?)。

国民生活白書 内閣府

※1980年代に使われていたこれらの言葉の当初の意味を見ていくと、日本が現在かなりその通りになっていることにお気づきでしょうか?
日本の経済停滞が、国際協調の名のもとに計画立てられ意図して実行(つまり自粛経済の実現)されているんじゃないかという疑念が持たれます。

最後に優良企業という言葉の意味も知らず知らずのうちに大転換していることをご存じでしょうか?

優良企業(おまけ)

今は収益率が高く、分厚い内部留保を持っている黒字企業が優良企業と呼ばれていますが、90年代以前は借金が多い企業ほど優良企業と呼ばれていました。(本当です)

私は企業が借金を1998年以降の金融行政によって増やせなくなったことが日本経済の最大の問題だと考えていますので上記は特に重要な言葉の意味の転換かと思います。








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