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「どんぐり子豚」の怪

皆さんは、イベリコ豚をご存じですか?


イベリコ豚についてはど素人の私、「スペインあたりでどんぐりを食べて育てられた霜降りの美味しい豚」程度の知識しかなかったのですが、今回改めて調べてみると、どんぐりを食べないイベリコ豚の方が多いんですってね・・・


さて、我が家には義両親が数か月に一度というぐらいの頻度で遊びにきて何日か滞在していくのですが、その度にかなりの確率でイベリコ豚のスライスを買ってきてくれるんですね。


うちの近所ではあまり出回っていないため普段イベリコ豚を買うことはあまりないのですが、義両親のお陰で毎回野菜たっぷりの美味しいイベリコ豚鍋を堪能させてもらっています。


ある時子供たちがおしゃべりしている時に「どんぐりこぶたがナントカ・・・」と聞こえてきました。「えっ、どんぐり子豚ってナニ?」とすかさず子供たちに聞いてみると、「なんかねえ、外国の豚さんでどんぐりばっかり食べてる豚さんがいるんだって」と。


ははあ、恐らく子供たちの中では最初に「イベリコ豚」を教えてもらった時に、妻かばぁばからかわかりませんが、例によって「どんぐりを食べて育った美味しい豚さん」とでもインプットされたのでしょう。


ところがその時に、「イベリコ・豚」ではなく、「イベリ・子豚」として認識され、それが印象的などんぐりの話から「どんぐり・子豚」となってしまったのでしょうね・・・


黒澤家には小学1年生と年中さんの児童がいますが、2人の間で「どんぐり子豚」が通じていたことからすると、見事な類推というか、子供たちなりの言葉遊びなのだなあ、と、お父ちゃんは静かに感心してしまいましたよ。


日常の子供たちの会話に耳を傾けるのは本当に面白いですが、彼らの記憶力は超一流!たまに「えっ、こんなこと知ってるの?」とか「こんなこと覚えてたの?」とギョッとしてしまう場面もありますので、その度に少なくとも子供の前での言葉遣いには注意しなきゃと襟を正して汗をかいている次第です。


そんなわけで、今日は豚に関するアネクドートを読んでみました。


Ребе видит еврея, пожирающего свинину, и возмущается:
- Если еврей употребляет в пищу свинину, то это не настоящий еврей!
Тот спокойно отвечает:
- Если еврей кушает свинину, то это не настоящая свинина...

anekdot.ru

ребе:ユダヤ教の聖職者 | еврей:ユダヤ人 | пожирающий:がつがつ食べている | свинина:豚肉 | возмущаться:憤慨する | если:もし~ならば | употреблять в пищу:食用とする | настоящий:本物の、真の | спокойно:穏やかに、落ち着いて | отвечать:答える、応答する | кушать:食べる、召し上がる

豚肉をむさぼり食うユダヤ人の男を見てラビが憤慨する:
「もしユダヤ人が豚肉を食用とするのなら、それは真のユダヤ人に非ず!」
男は落ち着きはらって答える:
「もしユダヤ人が豚肉を食べているのなら、それは真の豚肉に非ず・・」

黒澤たけし 拙訳


・・・いかがでしたでしょうか?この類の言い訳?の手法は他の場面でも使えそうだな、なんて思ってしまいましたよ。


ヨーロッパで独身貴族をエンジョイしていた若かりし頃、各地の有名な教会や寺院を随分旅して見物しましたが、その度に自問していたのは「宗教が自分の生活や行動を規定出来るだろうか?」ということ。つまり神という存在のために毎週日曜日に教会を訪れて祈りを捧げられるか、大好きなお酒やお肉をガマン出来るか、エトセトラ、エトセトラ・・・いつも答えは「否」でしたけどね。


日本でも肉をこっそり食べるために「ぼたん」だとか「さくら」だとか呼んだり、徳川5代将軍綱吉の時代の「生類憐みの令」の際に、ウサギを無理やり鳥という扱いにしていたなんていう逸話を読んだことがありました。当時の日本人も、神に背いても美味しいお肉を食べたかったのですね!

何のためらいもなくお肉をお腹一杯食べられる現在の環境に感謝しつつ、次回もイベリコ豚を頂こうと思います(笑)


ここまでお読み下さり有難うございました。

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