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【意外と読める】マーケターの年収を上げる決算書の読み方

決算書って実は意外とすぐ読めるようになるってご存知でしたか?

「読めたらなんかデキる人っぽくてカッコいい」

「読めたら投資ができそう」

「数字に強くて頭に良い一部の人しか読めなそう」

そんなふうに思ってないですか?

僕もその一人でした。でも、MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣を出版し、20代マーケピザなどでも講演されていたシバタナオキさんの講演により、「え、こんなにカンタンに読めちゃうの!」と思った感動と共にそのエッセンスをシェアさせていただきたいなと思います。


●決算書はここを見よ!企業の価値はどこで決まるか?

上場企業の価値は大体2つで決まるそうです。

1、成長率

2、利益

利益はわかりやすいですね。では、成長率の見方はわかりますか?

成長率は時価総額に最も関わり、決算で1番見るべきポイントのようです。


●上場会社の成長率の4つのランク

・Sランク 50%以上 (最近だとラクスル、マネーフォワード、News Picks等)

・Aランク 20%以上 (最近だとgoogle、NETFLIX、楽天、LINE等)

Bランク 10%以上

Cランク 10%以下

例えばSランクは成長率がすごいですね。(当然スタートアップは除きます。)

赤字であっても成長率が高いと時価総額は高くなるそうです。

Aランクでいうと、例えばgoogle、楽天などはあれだけの規模にも関わらず未だに20%以上の成長率を誇っているようです。ハンパないです。


●売上の成長率が上がると株価が上がる理由

そもそも、売上の成長率が上がると株価は高くなるのでしょうか?

時価総額の決まり方は、Sランクなどのような急成長している場合、

売上×PSR

という公式で決まってくるそうです。

ちなみにPSRとは、

Price to Sales Ratio(株価売上高倍率)の略称で時価総額を年間売上高で割ったもの

のようです。(参考:野村證券 証券用語解説集より)


つまり、成長率が高い時は利益はそこまで見られていないとうことですね。

冒頭で、成長率と利益が大事と書きましたが、成長率が高い時は利益はそこまで見られていないということは、成長率が下がるほど、利益がどれだけあるかが問われるようになります。

S,A,B,Cのように、成長率によって時価総額の計算式が変わったり、他にも借金をどのくらいしているかといったことも影響してくるようですが、基本はこのように成り立っているそうです。

つまり、成長率も利益もあまりない会社は、株式市場的には存在価値がなくなってしまうということです。


●マーケターならここを見よ!成果に繋げ、年収を上げるための決算書を読み解くポイント

ざっくり決算書を眺めていても、

「なんか儲かってそう」とか、「とりあえず売上すげーな」くらいしかわかりませんよね(笑)以前僕もIRを眺めたとき、そんな感じでした。

重要なことは因数分解をしていくことです。何を因数分解して見ていくかいうとユニットエコノミクスを見るのです。ユニットエコノミクスとは、1ユーザーあたりの●●ですね。

例えば、1ユーザーあたりの売上、1ユーザーあたりの利益、1ユーザーあたりの滞在時間などです。(BtoBなら1社あたりの●●)

細かく因数分解しながら、自社と競合他社で比較可能な数字まで落とし込み、ユニットエコノミクスを比較することが大切です。

重要なことは因数分解しながらユニットエコノミクスを比較していていき、何がうまくいったかを把握できるようにすることです。何がうまくいったかを数字付きで公開してくれちゃっているわけですから、読み解けるようになったらそれはかなり有利ですよね。

※すべての会社が公開されているわけではないので、その場合、決算公告で貸借対照表と損益計算書を見ることが可能なようです。


●ビジネスを見るときには型がある

ビジネスにはBtoB,BtoC、最近であればD2Cなどありますが、型で見ると読み解きやすいそうです。


・Eコマースの場合

ネット売上=取扱高(GMV)×テイクレート(取扱高が100あった場合に、いくらの売上になるのかを表す割合。粗利益のようなもの)

で見るということです。    ※GMV=Gross Merchandising Volume

例えばAmazonは直販なので、「取扱高」を売上と書きます。

でも実際に入ってくるお金はネット売上です。

80円のペットボトルを100円で売ったとします。その場合


ネット売上=取扱高100円×テイクレート20%

→ネット売上20円 となります。


一方で楽天やyahoo!ショッピングの場合、売上は「ネット売上」となるようです。

つまり、会社によって「売上」の意味が異なるということです。なので、売上をどういう意味で言っているのかを理解しなければなりません。

なお、Eコマースのテイクレートは大体10%程度(グローバルな基準)とのことで、購買頻度も重要のようです。

例えば楽天やアマゾンの購買頻度は大体月1回程度で、大体1回1万円の単価になり、1ユーザーあたり年間12万円になります。(Amazonならprime会員、楽天なら会員ランクが高いユーザーほど購買頻度も単価も高くなります。)


●業界ごとの公式

会社によって売上の意味が異なるなら、業界によっても見方が変わるということにもなりそうですよね。ここで、いくつかの業界ごとの見方をご紹介します。

・広告

広告の見方は2つ。

1、売上=アクティブユーザー数×ARPU(エーアールピーユー)    ※ARPU=Average Revenue Per User アープと呼ぶ方もいます。


2、売上=広告主数×1社あたりの売上


この1と2を両側から見ないといけません。因数分解をして、どの数字が伸びているのか、あるいは横ばいなのかなどを見ると、その会社がどこに注力しているか、何がうまくいっていて何が困っているのかというところが見えてきます。

これをうまく使えばBtoBマーケや営業にも活かせます。伸びているところをさらに伸ばすための提案や、困っているところを解決するための提案ができますよね。気になる企業があればIRを自分なりに読んで見る癖をつけていけば、見えてくるものがあります。


・個人課金モデル

売上=課金ユーザー数×ARPU

例えば課金ユーザー数をさらに因数分解すると、新規数と解除率になりますし、新規数は訪問者数とCVRに因数分解できますね。


・Fintech(pay payなどお金そのものを直接扱うもの)

モデル1 売上収益=取扱高×決済手数料(大体1-2%)

モデル2(お金を貸す場合)  売上収益=貸付金額×金利(MAX15%)


重要なことはユニットエコノミクスを具体的に把握できるまで因数分解していくことです。


●どうやって要素の数字を上げるのか?

先ほども説明しましたが、他社の決算を読み解けるようになることで、どうやってその数字を上げることに成功したいのかを見る必要があります。そのために、まずは要素をどんどん因数分解していきましょう。

IRは最新の状況ではありませんが、外部からでも知ることのできるものとしては最新のデータです。それを紐解いて自社に活かせるようにできるとかなり強力な武器になります。

また、そのようにしていると自社の課題がピンポイントで見えてきたり、他社の成功理由の輪郭がはっきりしてきますので、イベントなどの公の場などで担当者と接する機会があれば、ピンポイントな質問を投げかけることで、その解像度を高めることができ、自社の施策を成功させやすくすることが可能になります。


●どこまで読めればいいか

投資家ならば決算書を見て、その会社の将来を”予測”できる必要があります。マーケターは自社の数字を上げるわけに読むわけですから、なぜうまくいったのかが腑に落ちて説明できるような”把握”ができれば良いです。

キーワードは因数分解とユニットエクノミクスです。

また、数字は四半期の数字を参考にしてください。実際にIRを読んで見ると、中には”2Q累計”などといったまとめ方をされているものがあり、これですと詳細が把握できません。


●最後に

決算書、いつか読めるようになりたいけど、そんな日は来ないかも、そう思っていた僕でしたが、とてもわかりやすくおもしろいご説明のおかげで、すぐ決算書にある背景が少し見えるようになりました。習慣にして、どんどん読み解けるようにしていきます。

一人で読んでいても、この読み方でいいのかなと思うかと思いますので、是非シバタさんの書籍やnoteも参考にしてみてくださいね。

※もし間違えている箇所がありましたらご指摘いただけますと幸いです。


シバタナオキさん、ありがとうございました!

・シバタさんの書籍はこちら

MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣


・シバタナオキさんのnoteはこちら

・決算書読めるマーケターとか最高ですよね。#20代マーケピザ では、シバタナオキさんや様々なスペシャルゲストが講演されています。20代でこんなことが学べたら最高ですよね。シバタナオキさんのことも、20代マーケピザのことも20代マーケターは要チェックです。


シバタナオキさんのTwitterはこちら(@shibataism

20代マーケピザを運営されている株式会社ムーンショットの菅原健一さんのTwitterはこちら(@xxkenai

マーケターのinacのTwitterはこちら(@xxinac

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