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時間術とは「実験」であるーー『時間術大全』

分かってはいたものの、Netflixを契約し、Nintendo Switchを導入したところ、驚くほど時間が奪われています。もちろん、どちらも面白いからそれはそれでいいのですが、もし仮に、1日の終わりに充実感を感じられないとするならば、それはきっと時間の使い方がおかしいということなんだろうと思います。

そんなことを考えていた矢先、本屋さんで、とある本が目に入りました。

時間術大全

最近、『○○大全』という本が増えており、ちょっとどうかなと思ったものの、よくみると『SPRINT』を書いた著者たちの新著であることに気づきました。知人が『SPRINT』の内容が良かった、と言っていたことを思い出し、かつ、今の自分にとってヒントがありそうな気がして、手に取ったところ、とても参考になる本でした。気がついたら1日が終わっていて、「今日1日、何をしていたんだろう・・・」という思いに駆られているような人は、この本のメソッドを試してみると、きっと効果を感じることができるのではないかと思います。

この本で提示される構造はいたってシンプル。
①「ハイライト」
②「レーザー」
③「チャージ」
④「チューニング」
以上の4つのプロセスで構成されています。

これを言い換えると、
①その日に達成したい最も重要なことを一つ決める
②気を逸らすもの排除し、一つのことに集中する
③食事や休憩などでエネルギーを蓄える
④効果を検証する
ということになります。

この大きな枠組みに対して、細かな戦術がたくさん紹介されており、例えば、私が試したところでいうと、「スマホの通知を切る」「メール対応の時間を決めよう」などがあります。

特に、「スマホの通知を切る」はかなり効果が高いなと感じています。LINEやSNSなどの通知を切っただけですが、「スマホってこんなに静かなんだ・・・」と新鮮な驚きを感じています。気がついたら未読のLINEが溜まっていることもありますが、ほとんど対応する必要のないものばかりですし、通知を切っていてもさほど問題はありません。朝起きた時、昼休み、集中が切れたとき、など、一定の間隔でチェックしていれば問題ないなというのが実践してみた印象です。

しかし、一番効果を感じているのは、「一日のハイライトを決める」というところです。その日に成し遂げたいことを一つ決め、その時間を確保し、集中してこなすというというと、当たり前のことのように聞こえますが、キモは「一日で一つのハイライト」というところです。

あれもこれも、と欲張るのではなく、一つの重要課題を決める。ここにも「集中する」ことの大切さが表れている気がします。一日一つでも、最も重要なことが達成されれば、積み重なればきっと大きな変化になるだろうし、実践してみると、とても充実した一日を過ごすことができます。実際にどれだけのことが前に進んだかということもさることながら、この充実感というのがとても大切で、それが次の日のエネルギーにつながるな、ということを実感しています。

このように、この本には様々なメソッドが紹介されており、とても有益なのですが、その個別のメソッドがこの本の本質ではない、というところに私は惹かれています。私が考えるこの本の本質は、ページ数は一番少ないけど、「チューニング」です。どういうことかというと、何かを試し、その効果を検証するというプロセス、つまり「実験」が大切だ、というメッセージがこの本の通奏低音なんですね。

この本に書かれていることを鵜呑みにするだけではなく、実践して効果を検証し、自分なりの方法論を見つけていこう、この本はそのための参考にしてね、という著者のメッセージ。こういうスタンスというか、正解を提示するというよりも、試行錯誤を推奨するというスタンスに僕は共感したのでした。

ということで、一番重要なリソースである「時間」の使い方に関心がある人は、『時間術大全』を読んで、いろいろと試してみると、より充実した一日を過ごせるのではないかと思います。


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