見出し画像

村上隆さんを出汁に


村上隆さんの大規模個展が来年2月からここ京都で開催されるというから、個人的にはうれしいニュース。
しかももしかしたら日本国内でこの規模の個展を開くのは最後かもしれない、本人が何かのインタビュー記事内でそうほのめかしてもいたので、観に行くつもりのコチラとしても、集中して村上作品を目に焼き付けようと思っている。

そのようななか、今回ピックアップしたいのは彼のこのポーズである。

Photo: Sakura Fusiki
出典:「日本中の美術館がまねするだろう」、村上隆の8年ぶり大規模個展が京都で開催


仮にアフレコするなら、「ワオ!」か「どひゃー!」とか「おったまげー!」……そのあたりの感慨をポーズ化したものだろうか。
近年あらゆる写真媒体でこのポーズをするようになった彼。そこにはどんな意図があるのかが気になったので、noteに手を付けてしまった次第である。

なんせ村上隆さんともなれば、一挙手一投足すべてに戦略があるはず。
彼のSNSや著書にも目を通してそこそこ言動を追ってきた人間なら、おそらくその意味を理解してくれるかと思う。
なんせ彼のアーティスト活動には1ミリたりとも抜かりがない。(たとえば今ぼくが「アーティスト活動」と呼んだその言葉にもきっと厳しい添削が入るほど、文字単位/ミリ単位でのこだわりがある方である。)
細部まで惜しみなく計算/コントロールする方なわけで、単に「ドラえもんの人」や「ヴィトンの人」として簡単に括れるような人間ではないのである。

そのうえで、その人物が繰り返す、自身が被写体になった際の「どひゃー」ポーズ。(あるいは「ワオ」やら「おったまげ」etc.)
このポーズの意味を謎解きしながら、やがてくる2月の個展を、楽しみに待ちたいと思っている。


最後に、うちのグループホームに入居しているMさん(女性/80代前半/生涯独身/美容師歴35年あまり/乳癌を20代で患い片側を摘出/現在は右眼の視力はなく左眼でかろうじて/アルツハイマー型認知症/世話焼きな性格/詩吟歴が長く指導もできるレベル/猫好き/熊本県生まれ/京都市北白川にて生まれ育つ……)も、事あるごとに同じポーズを取ることを書き残しておきたい。
笑いながら、アクションを交えつつ、上半身の稼働ゆたかに「どひゃー!!」を表すのが彼女の特徴なのだ。

被写体・村上隆さんとまるで同じ「どひゃー」ポーズを、日常使いとして多用するMさんに策略はまるで見えない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?