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国ってなぁに? 今さら聞けない三件分立。

皆さん、ちょっと聞きます。
 
よくニュースとかで、「国の見解は」なんていいますが、
こういうときの「国(くに)」って
何を指しているか、わかりますか?
 
恥ずかしながら私は、大人になるまであんまりわからなかったです。
というか、気にしなかったです。
 
でも、今はわかっています。
知りたくなって、調べましたので。
 
なので、もしよく知らないという人がいたら、
ひっそりここで読んでいってください。
 

 
国について知るには、
その前に、あることを理解しなくちゃなりません。
 
三権分立(さんけんぶんりつ)です。
聞いたことありますよね。三権分立。
 
「立法」「行政」「司法」の三つの権力のことです。
 
すっごく簡単に言うと、
「立法」というのは、ルールを作る権力。
「行政」というのは、立法がつくったルールの中で、
実際に国を運営する権力。
「司法」というのは、ルール違反した人がいた場合に、
罰を与える権力です。
 
なんとなくわかりますか?
 
ルールを作る人と、
ルールの中で運営する人と、
ルールをやぶった人を罰する人です。
 
この3つを、全部一人の人間がやると、独裁者になってしまいますよね。
昔は王様みたいな偉い人が、こういう権力を全部握って
好き放題やって国がめちゃくちゃになる、ということがあったので、
人類の知恵として、権力を3つに分散して、
互いに暴走しないように見張り合うことにしたのですよ。
 
それが、三権分立です。
 

 
で、このルールを作るところが国会です。
ルールに沿って運営する人が政府。
そしてルール違反を罰するのが裁判所、ということです。
 
さっきからずっと言っている「ルール」というのは
法律のことで、国会では国会議員が話し合って
国のルールである法律を作っているわけですね。
 
で、国会が作ったルールの範囲の中で、
実際に国を運営するのが政府で、
この政府を日本では「内閣」といい、
なんとか大臣とか、なんとか長官とか、
そういう人たちが、なんとか省とか、なんとか庁とか、
そういう役所を使って国を運営しているわけです。
 
よく官僚と呼ばれるのは、この「なんとか省」とかにいる
国の職員の偉い人のことですね。
 
図式がわかってきましたでしょうか?
 
となると、「国」というのは、政府のことを指すわけです。
図式がわかると、ちょっと面白くないですか?
 

 
さて、なんでこんなことを説明したか、と言いますと、
かつての日本の総理大臣であった安倍晋三さんが、
いま、どんなにヤバいことをやろうとしているのか、
ということを知っていただきたいからなんですね。
 
先ほど説明した「三権分立」は、なんのためにあるのか、というと、
理由はたったひとつです。
 
「独裁を防ぐため」です。
 
ここでいう独裁、というのは、ナチス・ドイツのアドルフ・ヒトラーや
今の北朝鮮を想像していただければいいと思います。
 
一人の権力者に権力を集中して、その人が好きなように国を操る状態です。
 
そこには、国民の「基本的人権」がありません。
簡単に言えば、国民に一切の自由がない、ということです。
 
そして、先ほどの三権分立のうち、
どのふたつであろうと、同時にひとりの権力者が握ってしまえば、
仕組みとして崩壊してしまうのです。
 
ルールを作る人と運営する人が同じなら、
ルール違反を訴える人がいても無駄ですよね?
 
運営する人とルール違反を訴える人が同じなら、
ルールを無視しても止められませんよね?
 
ルールを作る人とルール違反を罰する人が同じなら、
どんな運営者もなきものにできますよね?
 
どれかふたつを握ってしまえば、その段階で、独裁の成立なのです。
 

 
今、総選挙で過半数を獲得した自民党が中心となって、
コロナ禍の対策を引き合いに出して
憲法を改正しようということを声高に言い始めました。
 
いろんな問題点があるのですが、
本当に本当にヤバいアイテムが、「非常事態条項」というものなんですね。
 
安倍晋三さんが言うには、それはこういう内容です。
 
大きな災害(巨大地震)や事故(原発事故のような)、
あるいは他国から武力攻撃を受けた時などで、
総理大臣が「非常事態だ」と宣言すると、
国会ではなく政府が法律を自由に作ることができ、
選挙は行われず、国民の基本的人権を停止することができる。
また、国民は国の命令に従わなければいけなくなる。
 
そういうものが、非常事態条項です。

はっきり言えば、自民党政権は、このコロナ禍において、 
国民を救う、と言う責任を放棄してきました。

彼らのここ2年弱の対策が十分だった、という人は、
それほど存在しないことでしょう。

そこには理由があると、思っています。

自民党という政党は、人間社会で起こるありとあらゆる出来事を
自らの党利党略に活かし、政治利用しようとする思考が
骨の髄まで染み付いてしまっているんですね。

それを実感したのは、2011年の東日本大震災、
そのときに起こった福島第一原発の事故についてのエピソードです。
当時の総理大臣だった民主党の菅直人さんが、
党派を超えてこの未曾有の国家危機に立ち向かうべく、
自民党に協力を要請したんです。

だって原発事故ですからね。
ところが、自民党はこれを断りました。

当の利益のために、原発事故被害者を切って捨てたのです。
これには当時、本当に驚きましたし、一生忘れられません。

少なくとも近年、
自民党は自民党の支配体制を強化するために存在しており、
決して国民生活を守るためではないのです。
それは、かつて日本軍が、日本国民を守るために存在していたのではなく、
日本の侵略策を実行するためだけに存在したのと同じですね。
沖縄では日本軍が、沖縄の市民をたくさん殺しましたから。

自民党という政党には、戦前から流れる「支配者マインド」が流れており、
国民は単なる被支配者であることはまちがいありません。
そんな彼らは当初から、
このパンデミックを憲法改正のきっかけに使えると考えていたのでしょう。

「国民を救いたいけど、憲法が邪魔して救えない」

そういう印象を与えるために、
わざとやれることをやらずに来たんですね。
そうすれば、国民の多くがそれを本気にして、
憲法を改正しなくちゃならないのだ!と考えるようになります。

かつて、憲法改正に関して、
麻生太郎氏はこんなことを公言したことがあります。

「ドイツのワイマール憲法はいつの間にか変わっていた。
 誰も気づかないうちに。あのナチスの手口を学んだらとうか」

これ、本当に言ったんですよ。
そして、その後、安倍政権はそれを実行しました。

それが「閣議決定による解釈改憲」です。

閣議決定だけで勝手に憲法の解釈を変え、
国民に対して現行憲法を軽視する気運をつくる。

憲法はそれほど重要じゃない。
変えたって構わないのだ、という雰囲気ですね。

そこにやってきた「コロナ禍」を利用して、
今度は、古い憲法のせいで、みんなを守れない!とアピールする。

これは、本当はおかしいですね?
閣議決定で憲法解釈を変えられるなら、
コロナ対応でも同じことをすればいい。

けれどそうしないのは、都合よく軽視し、また、都合よく遵守することで、
今の憲法は無視するが、変更した後の憲法をしっかり守らせる、という
心理的な揺さぶりに入っているからです。

読めますか?

今、日本国民は戦後史始まって以来の正念場に立たされているのです。
権力者の横暴から国民を守るために存在する日本国憲法を、
権力者が変更しようとしている。

それに被支配者たる国民が、賛同してしまうのか!?

そういう正念場です。
それに反対するには、「知っている」ことが必要です。
人類の凄惨な歴史について、です。

安倍晋三さんが言うように、
世界各国に、非常事態に備えたルールはあります。
もちろん、日本にもすでにあります。
 
が、世界のどこを見ても、このように旧世代的な、
独裁に転用されそうなルールを決めている国はないのです。
 
それと、非常に非常にマズいのは、
政府が、国会の議論なしに法律を作る権利を握ってしまうので、
三権分立のうちのふたつを、政府が握るということなのです。
 
非常事態はもちろん解除できるのですが、
100日ごとに国会で継続を承認するという形をとるようで、
そもそも、こんなルールが作れてしまう段階で
国会は与党の圧倒的多数になっており、
国会の承認は降り放題なはずなのと、選挙が行われないことは
国会議員にとっても都合がいいので、
誰も非常事態を解除したがらない、ということになるのです。
 
こんなルールを、安倍晋三さんは、
国の最高法規である憲法に入れようとしているのです。
 
こればっかりは、どんな政治信条の人も、
或いは無関心な方々も、
みんなで手を組んで反対しないといけません。
 
だって独裁国家にされてしまえば、
左翼だろうが、右翼だろうが、
国民は十把一からげに奴隷にされてしまいますから。
 
今までのような小手先の対立ゲームも
できなくなってしまうということなのです。

中国も、北朝鮮も関係ないですよ!
国民の気持ちに焦燥感を与えるための、単なる安い手口です。
今の憲法のままで、現実に自衛隊があるし、
外国が攻めてきても自国を守れない、なんてことはありません。

攻めてきたら、守るに決まっているじゃないですか。
そんなの小学生でもわかります。
それより重要なのは、なぜ中国が攻めてくるのか?
北朝鮮が攻めてくるのか?ということを考えることです。

そのとき「中国人はそんな連中だからだ」とか、
「北朝鮮は何をするかわからない奴らだからだ」なんてのはダメです。

そんなことはあり得ないし、こちらがそう考えるなら、
向こうもそう考えるでしょう。
中国と本気で戦争なんかしたら、もう日本は終わりですよ。
そんなこと、わかりますね?

戦争について考えるときは、「その戦争のあと、どうなるか」までを
しっかり想像し、それを受け入れるか?と自問すべきです。

仮想敵をつくって煽るのは、
権力者が国民の目を逸らさせるための常套手段です。 
だって彼らの本当の狙いは、
国家を上下に分断し、統治支配することなのですから。

どうです?
ちゃんと見えてきたでしょうか?

いま、歴史的な正念場に立っていることが。

ということで、国民みんなで手を取り合って、
仲良く反対しましょう!
非常事態条項!!!

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