イッツ・ア・スモール・ワールド

昨日の佐久間さんのオールナイトニッポン0。1人でディズニーランドに行って、幼かった頃の娘さんとの思い出が蘇って泣いてしまった話、良かったなぁ。佐久間さんのラジオは、仕事の話も、おすすめのエンタメの話も、ゲストで来る芸人さんやスタッフさん達との熱い話もどれも面白いし大好きだけど、1人の夫や父親としての姿が垣間見れる時に、あったかい気持ちになる。ちょっと情けないところも含めて、佐久間さんの人柄がより好きになる。

私も小学生の頃、同級生の友達の家族と合同で毎年ディズニーランドに連れて行ってもらった。両家の母親、私と友達、2歳離れた友達の妹の5人が行動を共にし、スペース・マウンテンやスプラッシュ・マウンテン等の比較的激しめのアトラクションを乗りに回った。両家の父親は私の7歳離れた妹と、友達の4歳離れた妹を連れて、幼児にも乗れるようなアトラクションを回っていた。なので、佐久間さんが言っていた、年端もいかない娘さんとの思い出は、父と妹との話を聞いているようで目頭が熱くなった。妹に何度もねだまれてイッツ・ア・スモール・ワールドを繰り返し乗った父は、それから数日間「せかいーじゅうーどこだーってー」のメロディが頭から離れなくなり苦しんでいた。また、高所恐怖症の父は、空飛ぶダンボのアトラクションに乗っても怖くてレバーを上げることができず、2人が乗っているダンボだけ低空飛行していると、笑いの種になっていた。
私が小学校に上がってからの6年間、必ず行っていた家族行事も中学に上がると同時に自然と消滅してしまった。あの時買ってもらったぬいぐるみも、クリスマス限定のグッズも、ポップコーンの容器も今となっては1つも残っていない。楽しい思い出はあるし、愛されて育ててもらった自覚もあるけれど、それでも私には両親に対して複雑な気持ちを今に至るまでずっと持ち続けている節がある。子供への愛が強いが故に、度が過ぎるほど過保護で、過干渉で、私が成人してからもなお、子離れしそうにない親をどう扱って良いのか分からず長い間苦しい思いを引きずっていた。妊娠中、自分も子供に対して同じような育て方しか出来ないのではないかと考えていたし、今もその不安は消えてはいない。

ただ、佐久間さんの話を聞いていて、子供と過ごせる時間は限られているんだな、と言う事実が深く胸に突き刺さった。故郷から遠く離れた町で夫と2人きりで育児をしている状況なので、自分に課せられているプレッシャーに苦しくなることがある。毎日娘と過ごす時間が長いと、代わり映えしない毎日に息が詰まりそうだ。それでも、もうあと十数年もしたら一緒に出かけてくれるかどうかも分からなくなるのだと思ったら、凄く月並みだけど、今一緒にいられる時間を大事にしようと思った。いつか、彼女が巣立つ時に、親の顔色を窺うことなく一歩が踏み出せるように、私自身が心置きなく送り出してあげられるようにしたい。彼女と間違いなく両思いだと確信できるのは、今だけなのかもしれないのだから。

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