2019シーズンファジアーノ岡山通信簿(MF・FW編)

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この記事は二部構成で、第一部は下の記事になります。

一部と二部を合わせて読むことを推奨します。

※最多出場ポジションを基に分類
※背番号順に羅列
※画像は筆者撮影


MF(ボランチ)

6 喜山康平 33試合出場 
 J2を代表するユーティリティプレーヤーはボランチとして活躍した。中盤の底で危機察知能力の高さを生かしたカバーリングとインターセプトで守備の強度を上げ、高い配球能力でDFラインと前線を繋ぐ役割をこなした。派手さはないが、縁の下の力持ちとしてまさに黒子の働きだった。ホーム最終節のセレモニーで覗かせていた悔しそうな顔は昇格に対する強い気持ちの表れだったに違いない。

14 上田康太 31試合出場 
 正確無比の左足から放たれる長・短のパスで攻撃のリズムを作り、司令塔としてチームに欠かせない存在感を放った。セットプレーのキッカーとしてコーナーキックではピンポイントクロスでチャンスを作り、ゴール付近でのフリーキックではゴールネットを揺らし、スタジアムに集まった観客を魅了した。シーズン中盤では、右サイドハーフの位置からバイタルエリアに入り、ゴールを脅かすプレーをする”偽トップ下”という新境地を開拓。2020シーズンの新たなオプションになるかもしれない。

16 武田将平 27試合出場 (ヴァンフォーレ甲府に期限付き移籍)
 途中出場で出場機会を増やした。左足での展開力、特に遠くの味方を狙うロブパスの精度は向上し、高い守備意識で激しい守備を行い、戦う姿勢を見せたが粗削りな部分が目立つ。ホーム山口戦で見せた弾丸ミドルシュートからはポテンシャルの高さを伺える。2020シーズンは期限付き移籍先のヴァンフォーレ甲府で武者修行し、たくましく成長した姿が楽しみだ。


MF(サイドハーフ)

11 三村真 15試合出場
 
本職は左サイドハーフだが、仲間の異次元の活躍でベンチを温めるシーズンになってしまった。限られた出場時間だったものの、DFラインまで下がる守備を厭わない献身性や左足での惜しいシュートを見せ、アピールはできている印象だ。仲間がいなくなったことで覚悟を結果で示す2020年にしてほしい

17 関戸健二 41試合出場
 
ボランチを本職としていたが、右サイドハーフとして新たな地位を確立。外に張るのではなく中央でバランスを取ることで左肩上がりの攻撃を支えた。戦術理解度が非常に高く、誰とでも質の高いプレーができる連携力を持っているので新加入の選手と既存の選手をつなぎ合わせることが期待できる。

19 仲間隼斗 40試合出場 (柏レイソルに完全移籍)
 
攻守において相手を圧倒する1対1での強さはリーグ随一で、質的優位を作ることで攻撃を牽引。カットインからのシュートやダイビングヘッド、オーバーヘッドキックなど多彩なパターンで15得点5アシストを記録した。能力の高さが数字に表れる結果に繋がり、充実したシーズンだっただろう。育成年代を過ごした柏レイソルへの復帰が決まり、夢だったJ1の舞台でどのような活躍を見せるのか。柏で夢を叶えてほしい。

25 久保田和音 25試合出場 (契約満了)
 
シーズン序盤は右サイドハーフのスタメンとして出場を重ねた。止める・蹴るの基本技術がしっかりとしていてプレーに安定感があったが、目立った活躍はできなかった。前から連動したプレスをかけることができる高い強度を求められるサイドハーフでスタミナ不足は致命的だったか。加入するシーズンが1年早ければシャドーとして輝きを放ったのではないか。

29 ユ・ヨンヒョン 1試合出場
 
最終節のスタメンに抜擢。プレー強度はまだまだ足りないが、柔らかいボールタッチや俊敏性を垣間見えた1試合だった。期待に応える方法はトレーニングでアピールし、出場機会を得ることだ。

34 デュークカルロス 0試合出場
 
出場はなかったが、左サイドバックとしての新たな可能性を秘めた逸材。左足での創造的なプレーとスピードは攻撃的な左サイドバックとして活きるのではないか。

30 武田拓真 5試合出場
 
泥臭い守備と左から中へ切れ込むドリブルは粗削りではあるが光るものがある。積極的にゴールに向かう姿勢は仲間の後継者に名乗りを上げているかのようだった。天皇杯3回戦の川崎フロンターレ戦ではJ1王者相手に貪欲に仕掛け、物怖じしないメンタルの強さも見せた。2020年はライバルとしのぎを削りながら、どれだけ実戦経験を積めるか。良い意味でキャリアの転換期になるかもしれない。

37 西村恭史 0試合出場 (清水エスパルスに復帰)
 
清水エスパルスからの期限付き移籍で加入した。リーグ戦での出場はなかったが、天皇杯3回戦の川崎フロンターレとの試合では中盤の底でボール奪取と空中戦、正確なパスでポテンシャルの高さを見せた。


FW(フォワード)

7 中野誠也 24試合出場 (ジュビロ磐田に復帰)
夏に加入すると、裏抜けとシュート精度でスタメンの座を勝ち取る。ボールに対する嗅覚が以上に鋭く、大学ナンバー1ストライカーだったことは伊達ではなかった。前からの連動したプレスもこなし、チームの戦術への適応度は非常に高かった。シーズン終盤に大きなけがをしたことは残念だったが、岡山が育てたと言えるような活躍を磐田でも見せてほしい。

9 イ・ヨンジェ 42試合出場
 
怪我での離脱がなく、ピッチに立ち続けることができた。速さと強さを兼ね備え、裏抜けや前線でのボールキープで相手に脅威を与えた。キャリアハイの18ゴールをマークし、リーグを代表するフォワードへと成長。J1やKリーグからのオファーを蹴って、岡山で昇格したいという強い思いで残留を決めた。

10 レオ・ミネイロ 10試合出場
 
岡山のナンバー10はケガに悩まされ、輝きを放つ機会を多く作ることができなかった。まだ岡山で目立った活躍はないが、岐阜在籍時に見せた左45度からコントロールシュートでのゴールをシティライトスタジアムでも。

15 山本大貴 11試合出場
 
シーズン途中に松本山雅FCから加入すると、前からのプレッシングとタイミングの良い裏抜けでチームに早くフィットした。ホーム京都戦で見せた豪快な左足ボレーシュートは今でも脳裏に強く焼き付いている。2020シーズンは完全移籍での加入が決まり、開幕からの活躍に期待したい。

18 齋藤和樹 8試合出場
 
怪我でシーズンのほとんどを棒に振ってしまった。右サイドの深い位置に流れてからの体を当てながらの重戦車のようなドリブルは右サイドハーフにドリブラーがいない岡山には必要な個性であることは間違いない。ケガからの復帰が待ち遠しい。

23 松木駿之介 0試合出場
 
横浜FCジュニアユース、青森山田中学・高校、慶応義塾大学を経て加入したルーキーは怪我に泣かされた。復帰したかと思えば、シーズン途中で再離脱。まだまだ若く、可能性に満ちた選手であるため焦らずにしっかりと傷を癒してほしいところ。

24 赤嶺真吾 22試合出場
 得意のポストプレーでボールの収め所になり、空中戦での高さを見せた。相手との駆け引きが上手く、マークを剥がすオフザボールの動きは一級品。わずか1ゴールに終わったものの、惜しいシーンは多かった印象。豊富な経験値を生かして決めるところで決めきれるか、2019シーズンの数字を上回る結果を残したい。

28 ハディ・ファイヤッド 0試合出場
 
公式戦の出場はなかったが、マレーシアUー22代表であることからポテンシャルはあることは間違いない。個人的に練習を訪れてどのようなプレーをするのか見に行きたい選手にひとりだ。

32 福元友哉 18試合出場
 
2年目は出場機会を大きく伸ばした。2トップの一角と右サイドハーフで無難にこなしたが、長所らしい長所は見られなかった。太ももにテーピングを巻きながらの出場が目立ち、けが人が相次ぐ厳しい台所事情だったが、あまり喜ばしくないことである。まずは完治を優先すべきだ。

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